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船長に好かれすぎて困っています。  作者: バナナマヨネーズ


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第十七話 ゴールデン・ウルフ最強が爆誕した!!

 その場の固まった空気を破ったのは、ウィリアムだった。


「ハルは凄いな!!強くて、ご飯も旨くて、可愛くて、恰好いいなんて本当に凄いぞ!!」


 ウィリアムの能天気な台詞で固まったいた者達は、脱力した。


「ウィル……。お前がアホの子だということがこれほどありがたいと思ったことなかったよ」

「そうっすね。船長のアホっ子に感謝っすね」

「だなぁ~」


 ウィリアム以外の者達は、あまりの人間離れした動きに、困惑していたがウィリアムの能天気な台詞を聞いて、春虎は旨い飯を作ってくれて、小さいのに頑張り屋で、たまに見せる笑顔が可愛い美少年だということを思い出したのだった。


「なんだよお前ら?」

「いや、何でもない。それより、ハル坊の動きは本当に凄かったな。さっきのが忍術か?」

「えっと、ただの身体能力による攻撃です。あっ、でも棒手裏剣につい、水の気を纏わせてから打ったんですが、効いたみたいです?よくわからないですけど、魔生物に忍術が効くみたいですね」

「あれが、身体能力によるものなのか?」

「はい。上忍クラスであれば、あれ位は普通ですね」

「ということは、お前だけじゃなく他にもあれ位の動きが出来るってことか?」

「はい」

「お前の、故郷は凄いところだな」

「全員がそう言う訳じゃないですけど、椿流の忍者なら大体あんな感じです」

「おっ、おおぅ」


 あまりにもあっけらかんと答える春虎にユリウスは頭を抱えた。


(おいおい、あれ位普通のことって軽く言いやがった。もしかして、この船で最強なのはハル坊かもしれない……。頼もしいとは思うが、子供に守ってもらうのは大人としてちょっとアレだな。もう少し、クルー船体の戦闘技術向上を真剣に考えた方がいいかもしれんな)


 考え込むユリウスを放置することにしたウィリアムは、春虎をさら褒めることにした。


「ハル~、お前は本当に凄いよ!!」

「いえ……、それよりもまた複数の魔生物が近づいてます。ちょっと片づけてきますね」

「えっ?」


 そういって、春虎はその場を駆けだした。

 走りながら、印を結び丹田で気を練った。気はすぐに練り上がり、術は発動された。


「来い、水龍!」


 発動した術は、水で出来た龍だった。

 その龍は、近くにいた魔生物をその牙でことごとく噛み砕き飲みこんでいった。


 あっという間に、周辺の魔生物は全滅した。

 春虎は、他に反応が無いか周辺の気を確認し、捜索班以外の気が無いことを確認して息をついた。


「ふう。殲滅完了かな?さっ、捜索を続けましょう」


 殲滅完了といった後に、みんなを安心させるように、ニコニコとした表情で振り返った。

 それを見た、ウィリアム以外のクルーは思った。


 ―――この船の最強が今この瞬間に爆誕した!!!


 そして、ウィリアムはというと、瞳を輝かせて、まるでヒーローでも見るかのように熱い眼差し、と言ってもヒーローを見る眼差しにしては熱をはらんだ目で見つめていた。


(恰好いい上に、可愛いとか最高すぎる……)


 こうして、周辺の安全を確保した捜索班は周辺をくまなく探し、祠を発見したのだった。

 しかし、その祠は石で出来た祭壇があるのみで他には、何もなかった。


「う~ん。祭壇には何もないな?」

「ああ、当りだと思ったが、はずれだったか?しかし、あれほどの魔生物がいたとなると、何かしらの魔力を持った物があってもおかしくないのだが……」


 空の祭壇を見つめながら話している、ウィリアムとユリウスは残念そうに話していたが、春虎は、空の祭壇の奥に気になる窪みを発見したため、二人に確認をすることにした。


「あの、仕掛けのようなものがあったんですが、どうしますか?」

「仕掛け?」

「ハル坊、どれだ?」

「これです」


 春虎は、祭壇の奥の少しだけ周りとは色の違う岩の窪みを指差した。


「罠の可能性はあるか分かるか?」


 ユリウスに聞かれた春虎は、窪みを観察した。特に、妙な気の流れは感じなかった為、可能性は低いと答えることにした。


「罠はないと思いますが、絶対とは言えないです」

「ふむ。しかし、他に道はないな。よし、ウィルが判断しろ。俺たちはそれに従う」

「よし、仕掛けを動かしてみよう」


 ユリウスの問いに、即答したウィリアムは答えると同時に仕掛けに触れた。

 すると、機械音のようなものが聞こえた後に、祭壇が沈んでいった。

 祭壇が沈んだところに、地下に通じる階段が現れたのだった。


「おお、この下に何かありそうだな」

「そうだな。しかし、今日はもう遅いし探索は明日にして、ここで休もう」

「そうだな、ユーリの言う通りだな」


 こうして、地下へと続く階段の先には明日向かうことになったのだった。

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