2話 ツンデレ少女
2話 「ツンデレ少女」
それぞれが自己紹介をしてさっきまで刺々しい態度だったラブも馴染んできていた。
「ありがとう。」
ラブは出されたお茶を一口飲んでため息をついた。
「私ならもっと面白いの作ったのに……」
「ツンツンツインテールですか?」
「あら、ご存知?」
「廃棄される前、友人が面白いと言っていたので……」
「『おいか』も面白かったですよ?」
「そう?フフッ。」
サチエは照れながら頭をかいた。
ラブとサチエが話で盛り上がっている時、クロスは布団をしいてダラダラしていた。
「依頼とかこねーの?」
お茶がなくなったのかコップを洗っていたメルは窓の外を見た。
「依頼がやってこないなら掴み取る。」
「ほえ?何言ってんの?」
「外で誰か揉めてる。」
「あっほんとだ。」
クロスは起き上がり窓から出た。
「ちょっと!ここ2階よ?!」
会話をやめていたラブは慌てて窓に駆け寄った。
「大丈夫。あいつ、空飛べるから。」
「え?」
クロスは揉めている人達のところに行き事情を聞いていた。
「私達も行きますか。」
「うん。」
「メルさん……。サチエさん……。」
ラブはもじもじしながらも2人の後を追った。
「よっ!お前らおせーよ。もう片付けちまったじゃねーか。」
「……。まぁいい。帰ろう。」
「絶対怒ってるだろ?」
「別に。」
「サチエは?」
「秒で来て秒で帰った。」
「相変わらずだな……。」
クロスはメルを抱えて部室に戻ろうとした。
「いやーごめんごめん。私1人しか抱えられないから……。」
「……」
ラブと目が合った瞬間、クロスは地に落ちた。
「どわぁ!何すんだ!とっ……飛べねぇ!」
「私と目が合ったら最後だと思いなさい。能力が6時間使えなくなるわ。」
「お前……少しズルイなとか思ってたんじゃ……」
「べっ別にそんなんじゃないわよ!偶然よ!偶然!バッカじゃないの?!」
「ツンデレか。」
やれやれとクロスはのびていたメルを抱え仕方なく3人で戻ることにした。
「ってことで6時間空を飛べません……」
「あらあら……。」
「まぁこれでも食べて元気出すか!」
「何ですか?それ。」
「さっき揉めてた子から貰ったんだー。チョコらしいよ。」
「私お茶入れますね。」
みんなは椅子に座ってチョコを口に入れた。
『かっ……辛!』
そして熱いお茶がみんなの口をさらに攻撃した。