10話 良い知らせと悪い知らせ
10話 「良い知らせと悪い知らせ」
私、安藤美紀は毎朝7時に起きる。
学校には絶対に行きたくないのでとりあえずパソコンの電源を入れた。
ケータイでメールが来ているか確認し、着替える。
「学校行かなくていいの?」
「行かない方がいいんです。それよりキャルローゼさんは行かなきゃダメなんじゃ?」
「昨日いろいろあってね。」
「何があったんですか?」
「ラブって子が行方不明。」
「それは探した方がいいんじゃ……」
「私はあの子に嫌われてるから……」
やれやれと言いつつ出ていくキャルローゼさんを見送って私はパソコンを見た。
「『3年9組』……。」
私はマウスをクリックした。
「美紀!」
「へ?」
私のことを呼んだのはキャルローゼさんだった。
「今すぐ来て!」
「はい?」
腕を掴まれ猛スピードで連れていかれた。
「まさか学校に行くんじゃ……」
「うん……。ねぇ、良い知らせと悪い知らせ。どちらを先に聞きたい?」
「悪い知らせ!」
「あぁそう……。」
ポケットからボロボロの本を取り出したキャルローゼさんは私に渡した。
「これって……」
『3年9組。そのクラスは平穏が一番、みんなが安心して勉強できる……それをモットーにしていた。しかし不気味な声がクラス全員を襲う。昨年完結した漫画のノベライズ版!少し違ったストーリーとなっているのでさらに楽しめます!』
あらすじはざっとこんな感じ。
「3年9組、あのクラスでこの本と同じことが起きてるんだ。」
「そんなっ……」
「学校全体を使って殺し合い。3日経つ事に全員復活だけど、この事件の首謀者を殺せばゲームクリア。首謀者以外が生き返る。これさ、あの物語に似てるんだよ。」
「クロスグロス!」
「うん。それで3年9組に行こうと思ったんだけど、ラブは行方不明、クロスはトラウマ思い出して布団から出ない、メルさんは風邪ひいてるし、サチエさんやレイも風邪がうつっちゃって……。初代部長とかいう人と行くことになったんだけど不安でさ。だからついてきて。」
「……わかりました。」
「あと良い知らせは……なんだっけ?」
「全く……早く行きましょう。」
私が嫌いなクラスに着くと血だらけの死体が転がっていた。
「あら、安藤美紀さん。」
「!?相原誉……。」
「これ外に出すの手伝ってくれる?」
「……。」
私は相原の顔をちらと見て逃げ出した。
キャルローゼさんは追いかけてこない。
なんでなんで……毎回こうなるんだ……
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。