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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おっぱいビンタが高火力の必殺技扱いされている世界

作者: 結城 からく

巌先生よりアイデアをいただいた短編です。

ありがとうございます。

 その世界には巨乳至上主義が蔓延っていた。

 持つ者は上に立ち、持たざる者は虐げられる。

 太古から続く争いの結果、両者の間には深い溝があった。


 世界規模の乳問題は、巨乳神が元凶とされている。

 文献によると、彼女は貧乳を絶対悪だと断じていたのだ。

 さらには法則を捻じ曲げ、おっぱいビンタに常軌を逸した威力を持たせたという史実もある。

 持つ者のみが行使できる圧倒的打撃。

 おっぱいビンタこそ、巨乳神による加護の象徴だった。

 巨乳神を崇める者は文字通り胸を膨らませ、おっぱいビンタで貧乳を排斥していったのである。


 そんな終わりなき戦いの最中、一人の女が立ち上がった。

 彼女の名はクロエ・バッシュマン。

 世界最強の貧乳格闘家である。

 クロエの望むものはただ一つ。

 如何なる大きさの胸も平等に扱われる世界だった。



 ◆



 長い旅路の果てに、クロエは神域に辿り着いた。

 そこに巨乳神がいるという言い伝えがあったのである。

 永劫とも等しき諍いを止めるには、元凶をどうにかせねばらない。

 クロエは巨乳神を打倒するつもりだった。

 幾多もの試練でぼろぼろになった胴着は覚悟の重さを示す。

 理想の未来を胸に、クロエはこの地に立っていた。


(巨乳神はこの先か……)


 神域を歩きながら、クロエは改めて気を引き締める。

 彼女のおっぱいセンサーは、強大な反応を捉えていた。

 それと同時に、行く手を阻む存在も察知する。

 最初から一騎打ちに持ち込めるほど甘くはないらしい。

 しばらく進むと、クロエの前に二つの人影が立ちはだかった。

 現れたのは揃いの巫女服を着た巨乳美女たち。

 理外の領域に達した、巨乳神とその側近である。


「卑しき貧乳風情が。今すぐ立ち去りなさい」


 側近が凛とした声で警告した。

 巫女服を押し上げる豊かな膨らみが揺れる。

 しかし、表情は酷く険しい。

 端正な顔を歪め、嫌悪感を露わにクロエを睨んでいた。


「そうは行かないな。私はそこにいる巨乳神に用があるんだよ」


 対するクロエは、落ち着いた声音で返答する。

 自然体で笑いながらも、その佇まいには欠片の隙もない。

 世界最強の格闘家という異名は伊達ではないのだ。

 クロエは目を細めて側近を見遣る。


「悪いがここで諦めつもりはない。力尽くで止めてみるがいいさ」


 挑発を受けた側近は、濃密な殺気を発する。

 崇拝する巨乳神に不届き者が近付こうとしているのだ。

 煮え滾る怒りは際限なく高まっていく。

 側近は一歩前に踏み出た。

 ふつふつと沸き上がるどす黒い感情。

 彼女はクロエを指差して宣告する。


「恥を知りなさい! 調子に乗っていられるのも今のうちですっ」


 側近が駆け、クロエとの距離を瞬時に詰めた。

 見え透いた挑発にあえて乗ったのである。

 生意気な貧乳は叩き潰さなければならない。

 それは巨乳にとって共通の認識であったのだ。


 獣のような速度を以て、側近は身を大きく捻る。

 何かの予備動作らしきその構え。

 クロエは驚愕に目を見開いた。


(初手からおっぱいビンタだと……!?)


 女性の胸部は、魔力の貯蔵庫としての役割を備えている。

 大きければ大きいほど、より多くの魔力を溜め込んでおけるのだ。

 つまりおっぱいビンタとは、魔力の塊を叩き付けるのと同義である。

 相手に与えるダメージは絶大だが、肉体への反動も凄まじい。

 まさしく諸刃の剣と言えよう。

 だからこそ、初撃でおっぱいビンタを放つことはクロエとて予想外だった。


「食らいなさいっ……!」


 側近の巨乳が唸りを上げてクロエに迫る。

 巫女服の膨らみは内側から光り輝いていた。

 弾んだ巨乳がクロエの頬に直撃する。

 空気を震わす甲高い炸裂音。

 反応の遅れたクロエは、フルスイングのおっぱいビンタで吹き飛ばされた。


 スレンダーな肢体が地面をバウンドし、一本の大木にぶつかって止まる。

 大木にめり込んだクロエは俯いたまま動かない。

 流れ出た真っ赤な血液が彼女の足下に垂れた。

 おっぱいビンタを受けた頬からは白煙が上がっている。

 クロエの様を見て、側近は悠然と微笑んだ。


「フッ、実にあっけない……」


 巨乳神の側近は並外れた実力を持つ強者だ。

 世界中を探しても、彼女に対抗できる人間など皆無に等しい。

 長きに渡って巨乳神の寵愛を受けてきたのだから当然の話である。


 そんな存在のおっぱいビンタをクロエはまともに食らってしまった。

 常識的に考えれば、再起不能は確実。

 場合によっては死亡してもおかしくない。

 勝利を疑わない側近であったが、その笑顔が凍り付いた。

 クロエがゆっくりと立ち上がったのだ。

 胴着をはためかせながら、クロエは噛み締めるように呟く。


「すごく、柔らかかった……」


 そこには至福に溺れる笑みがあった。

 鼻血を流すクロエは、真っ赤になった頬を嬉しそうに押さえている。

 僅かに残る巨乳の感触と香りを堪能しているのだ。

 外傷は見当たらず、唯一の出血も興奮による鼻血のみである。

 クロエは荒い息遣いのまま言い放った。


「ナイスおっぱい! 極上の張りと重みだった!」


 突き出されたサムズアップ。

 予想外の展開に側近はドン引きする。

 まさかおっぱいビンタを食らって喜ぶ人間がいるとは。

 それも、厚い鉄板を陥没させるような威力のおっぱいビンタだ。

 明らかに正気の沙汰ではない。

 なによりノーダメージで平然としていることよりも、鼻血を垂らして興奮している姿がこの上なく気持ち悪かった。

 たじろぐ側近をよそに、クロエは得意げに言う。


「おっぱい最高主義の私におっぱいビンタなど愚の骨頂。どれだけ強力だろうと、ただのご褒美になってしまうんだよ」


 世界最強の格闘家であるクロエ。

 その力の根源は、おっぱいへの比類なき愛だった。

 形や大きさに優劣などない。

 全てのおっぱいは平等に尊い。

 鋼の信念を持ったクロエは、暴虐なるおっぱいビンタをも糧にする。

 巨乳至上主義を嫌いながらも、貧乳陣営にも肩入れしない中立派。

 おっぱい好きという想いだけで最強となり、世界を変えようとする者。

 それがクロエという女の正体であった。


「く、下らない戯れ言を! その減らず口をすぐに閉じさせてあげましょう!」


 少なからず動揺しつつも、側近は威勢良く突進する。

 狙うはもちろんおっぱいビンタ。

 側近はクロエの反応をハッタリだと断定したのだ。

 あの異常なタフネスは、ただの強がりのはず。

 何度か攻撃を打ち込ば倒せるだろうと踏んだのである。

 それは巨乳神の側近としての意地と自信の表れだったと言えよう。

 クロエを射程圏内に捉えた側近は、巨乳を大きく振りかぶった。


「哀れな貧乳よ、これで終わりに――」


「遅い」


 側近が一気に踏み込む寸前、クロエが動く。

 素早く伸ばされた手が側近の肩を掴み、おっぱいビンタを妨害した。

 がっしりと食い込んだ指は、側近をその場に押し止める。

 いくら足掻いてもクロエの腕はびくともしない。

 側近の直感が警鐘を鳴らす。


(これはまずい……!)


 クロエの身体能力や戦闘技術は非常に高い。

 たとえ巨乳神の側近といえども、正攻法で倒すのは困難を極める。

 肩を掴まれた体勢では踏み込めず、おっぱいビンタができない。

 頼みの技を封じられた今、側近の戦闘能力は失われたようなものだった。

 危険を感じた側近は後ずさろうとする。

 歴戦の格闘家はそれを見越していた。


「隙ありッ」


 クロエの指が側近の艶やかな巨乳に撫でる。

 一見すると何気ないセクハラ行為。

 しかし次の瞬間、側近の胸元から光の濁流が噴き上がった。

 つんざくような絶叫が響き渡る。


「ああああああああああああああああああっ!」


 側近は崩れ落ち、天を仰いだまま白目を剥いた。

 憤怒。慟哭。恐怖。混乱。虚脱。

 ない交ぜになったそれらが吐き出されていく。

 傍らのクロエは黙って見つめていた。


 迸る光が止むと、側近は力尽きたかのように気絶する。

 あれだけ存在を主張していた巨乳は、なぜか見る影もなく小さくなっていた。

 ゆるゆるになった巫女服の胸元が虚しい音を立てる。

 巨乳神の加護を受けているとはとても思えない有様だった。

 ぐったりと倒れる彼女から視線を外し、クロエは拳をぐっと握り締める。


 側近の胸が小さくなったのは、クロエの技が原因であった。

 手に纏わせた魔力を尖らせ、胸部に内包された魔力に突き刺したのだ。

 出口を得た魔力は対外へ強制的に放出される。

 穴の開いた風船を想像すれば分かりやすいだろう。

 胸部より噴出したのは魔力の光。

 中身を失った巨乳は縮み、貧乳になったという寸法である。


 洗練された技は肌を傷つけず、魔力の流れだけに干渉した。

 故に側近の胸元からは血の一滴も垂れていない。

 気絶したのも、膨大な魔力の消耗で疲労しただけだ。

 魔力は時間経過で回復するので、バストサイズも時期に元に戻る。

 おっぱい最高主義のクロエにとって、胸を大切に扱うのは最低限のマナーであった。


 クロエは貧乳になった側近の横を通り過ぎ、残された人物に歩み寄る。

 そこにいるのは金髪碧眼の美女――巨乳神だ。

 巫女服に隠された二つの果実がクロエの目線を釘付けにする。

 クロエは頬を上気させ、止まらない鼻血を無視してニヤリと笑った。

 わきわきと蠢く両手は次の獲物をロックオンしている。

 興奮冷めやらぬ様子でクロエは言った。


「ふ、ふふふ……ようやく二人きりになれたな……」


 完全に変態としか思えない言動だが、クロエも目的は忘れていない。

 巨乳と貧乳の差別解消。あとできれば乳を揉ませてほしい。

 ナチュラルに私欲が割り込んではいたものの、それを指摘できる者がこの場にはいなかった。


 おっぱいは大きさで価値を決められるものではない。

 それぞれに個性があり、魅力に溢れているのだ。

 自分の掲げるおっぱい最高主義なら世界を平和に導くことができる。

 クロエはその旨を巨乳神に熱弁した。

 今まで静観を決め込んでいた巨乳神がついに口を開く。


「無駄よ。これは世界の呪いなの。あなたにどうにかできる問題じゃない」


 冷めた言葉がクロエの心に染み渡る。

 それは彼女にとって予想外のリアクションだった。

 イメージ通りの巨乳神ならば、やり取りの途中で襲いかかってきてもおかしくないような人物なのだ。

 訝しむクロエを放置して巨乳神は両腕を広げる。

 

 すると、どこからともなく巫女服の巨乳ばかりが登場し、あっという間にクロエを囲んでしまった。

 現れたのは召集に応じた側近たち。その数は百を優に越えるだろう。

 視界を埋め尽くす無数の巨乳に涎を垂らすクロエだが、すぐに場の雰囲気を思い出して我に返る。

 目線がチラチラと乱れてしまうのは諦め、表情だけは張り詰めた状態でキープできるよう努めた。

 変態格闘家の奇行は気にも留めず、巨乳神は淡々と話す。


「かわいそうだし私の眷属にしてあげる。大人しくしててね?」


「答えはノーだ。巨乳を優遇する気にはなれなくてな」


 一方的な物言いに対して、クロエは苦笑気味に返した。

 ここまで来たというのに素直に巨乳神の眷属になるなどあり得ない。

 脳裏に最終決戦の文字が過ぎり、クロエは気合いを入れ直す。

 一斉に飛びかかってきた眷属を前に、彼女は鬼神の如く吠えた。


 上段からのおっぱいビンタを絶妙な力加減で受け流し、流れるような動きで三人分の巨乳を撫で回す。

 魔力の濁流が空を貫き、割れんばかりの悲鳴が響いた。

 間を置かずに別の側近が巨乳で殴りかかってくる。

 クロエは屈んで避けたかと思うと、アッパーカットの要領で巨乳を下から持ち上げた。

 魔力がジェット噴射のように放出され、側近が後方へと飛んでいく。


 今度は四方八方からおっぱいビンタが襲いかかった。

 数に任せた暴力。犠牲を覚悟の上で叩き潰すつもりらしい。

 しかし、それすらもクロエには通用しなかった。

 死角からの攻撃も全て見切った彼女は、神業的な身のこなしでおっぱいタッチをこなしてみせる。

 後に残ったのは、貧乳になって倒れ伏す側近たちの姿であった。

 残る側近たちに動揺が走る中、クロエは次々と巨乳を刈り取っていく。


「無駄無駄無駄ァ! 数が増えようともおっぱいはおっぱい! この程度では私を倒すことなんてできないぞッ」


 クロエが腕を振るうたびに数人の側近が貧乳になって絶叫する。

 呆然とする者も反撃に出た者も無差別に餌食となった。

 如何なるおっぱいビンタもクロエに当てることすら叶わない。

 気が付けばおっぱいを撫でられ、側近たちは魔力を失いながら胸の喪失感に絶望を味わう。

 まさに阿鼻叫喚の惨劇。

 それでも負傷者が一人もいないのは、ひとえにクロエが細心の注意を払っているためだ。

 おっぱいそのものに罪はないので傷つけてはいけない。

 己の信念に従い、世界最強の格闘家はその能力を遺憾なく発揮した。


「さて……まだ戦うつもりか?」


 貧乳の山を一瞥したクロエは、巨乳神に問いかける。

 大量に出現した側近は残らず倒された。

 クロエは当然の如く無傷で、疲労した様子さえない。

 薄く笑った巨乳神は、半身になって構える。

 それはおっぱいビンタの予兆。

 彼女はまだ戦う気だった。


「当然でしょ。ここで降参したら示しが付かないもの」


「それなら仕方ない。こちらも覚悟を決めよう」


 そう言ってクロエは巨乳神と対峙する。

 正面に立って初めて分かる存在感。

 クロエの背筋を嫌な汗が伝う。

 だが、彼女は酷く興奮していた。

 今から巨乳神の胸に触れられることに、胸の高鳴りが収まらない。

 使命と下心を狭間に立たされたクロエは、まっすぐな瞳で巨乳神を見据える。

 そして、両者は同時に動き出した。


「はああああぁぁぁぁっ!」


「ウラララララララァッ!」


 巨乳神がおっぱいビンタのラッシュを叩き込み、クロエは手首のスナップで受け流す。

 尋常ならざるスピードで揺れる巨乳は音速の壁を破り、ソニックブームと共に破壊の嵐を撒き散らしていた。

 あまりの威力にクロエの魔力干渉も無効化されている。

 巨乳神のおっぱいビンタともなれば、物理法則さえ覆してしまうのだ。

 轟音を伴う衝撃派がクロエの肉体にダメージを蓄積していく。


「ウララララララァッ! 絶対、勝って、やる……!」


 しかし、クロエも負けていない。

 衝撃波をものともせず、的確におっぱいビンタを捌いていた。

 劣勢気味になろうとも冷静に致命傷を避け続ける。

 彼女は勝機を窺っているのだ。

 数々の戦いで培った直感を信じ、ひたすらその時を待っているのである。


 そして、好機は唐突にやってきた。

 もはや時間感覚も曖昧になってきた頃、巨乳神の動きが鈍り始める。

 依然ラッシュを敢行しているが、狙いや動きが単調になってきた。

 息遣いは荒くなり、視線も定まっていない。

 そう、体力の限界だ。いくら巨乳神でも全力のおっぱいビンタの連続は肉体に多大な負荷がかかっていたのだ。

 ついには疲れ果て、大振りの一撃を外してよろける。

 クロエの目が光った。


「ウオオオオオオオオオォォォッ!」


 腹の底から叫んだクロエが、巨乳神に突進する。

 すれ違いざま、彼女は身を大きく捻って互いの胸部を掠らせた。

 巨乳神は硬直し、がくりと地面に崩れる。

 仄かに輝く胸元からは潤沢な魔力がドクドクと漏れ出ていた。

 力ない声で巨乳神はつぶやく。


「ま、まさか、今のは……」


 クロエは襟元と正しながら答えた。


「――巨乳にしかおっぱいビンタができないと、誰が決めたんだ?」


 魔力を一点集中した、クロエ渾身のおっぱいビンタ。

 手を使った従来の接触よりも遙かに効果の高いそれは、巨乳神をも一撃で無力化するほどの威力だった。

 巨乳神が生み出した世界の法則を逆手に取ったのである。


 クロエは巨乳神を見つめた。

 あれだけ大きかった巨乳は鳴りを潜め、今では慎ましいサイズになっている。

 これではもう戦うことはできないだろう。

 ようやく勝利を実感したクロエは、緊張を解いて笑った。

 巨乳神は悔しげに言う。


「ここで私が倒れても、必ず第二第三の巨乳神が現れる。それに世界に根付いた認識は簡単には変わらない。あなたのやっていることは徒労に過ぎないのよ……」


「その時は、また私が頑張るまでだ。何度だって立ち上がってみせる。全てのおっぱいが平等に扱われるまで尽力するさ」


 クロエは本気だった。

 理想郷の実現のためならば努力を惜しまない。

 その心意気に呆れた巨乳神は苦笑する。


「ふふふ、あなたは本当のバカね……でも、そういうバカが世界を変えるのかしら。とりあえず、私から直接的に貧乳を咎めるのはやめてあげる。あなたへのささやかな褒美よ」


「感謝する。あ、それともう一つお願いがあるのだが……」


「なにかしら?」


 巨乳神が促すと、クロエは満面の笑みを浮かべた。

 そして勢いよく土下座して懇願する。


「心ゆくまでおっぱいを揉ませてほしい! できれば眷属の人のおっぱいも合わせて楽しみたい!」


 巨乳神は残る力を振り絞っておっぱいビンタを放った。



 ◆



 その後、神域を去ったクロエは生涯を通して世界を回った。

 巨乳と貧乳にできた遺恨は深いが、彼女はめげずに活動を続けた。

 結果として両者の中に共生を望む穏便派が生まれ、ある程度の理解が広まったのは当然の流れだったのかもしれない。


 しかし、巨乳神が言ったように乳問題は呪いの領域にまで発展していた。

 古き悪しき思想を捨てなかった者たちは、それぞれの道を歩む。

 巨乳を憎み続けた貧乳は、貧乳神に取り込まれて一つの怨念と化した。

 貧乳を憎み続けた巨乳は、魔力が暴走して肉体が変異した。

 僻地に追い込まれた巨乳はやがて魔族と呼ばれるようになり、人類全体と敵対するようになる。

 乳問題は人間と魔族の争いへと移り変わり、さらなる戦火を巻き起こした。


 クロエの子孫が貧乳神より加護を授かり、勇者として魔王城に挑むのは、それから千年後のことである。

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― 新着の感想 ―
[一言] ぱふぱふという技がありましてね
[良い点] な、なんて斬新な! [一言] 巨乳も嫌いじゃないけど貧乳のが好きだな 貧乳は薄い胸の上に乗っている出っ張ったティクビとか胸の下に浮いた骨が最高なんよ
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