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5 日常パート
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あれから五日の月日が流れ、爆撃で火傷を負った璃緒も傷が癒え普段どうりに動けるようになっていた。
五つの作業用デスクが置かれた狭い部屋。そこは学校の職員室を彷彿とさせるようなインテリアで統一されている。
「……無様ですわ」
本日何度目かの呟き。
正鵠をきすならば、事件があった日から呪詛のように延々と言っているんだが。
ジメジメとしたオーラが町外れにあった廃校を改装したMSS本部に充満し過ぎている。
現在も璃緒の呪詛で大量生産されている重い雰囲気。
「ああっもうッ 璃緒ちょっと付き合って」
ついに我慢できなくなったボーイッシュな少女のような少年――千秋が、璃緒の襟を掴んでずるずると外へ引きずっていく。その間、ずっと「無様ですわ、無様ですわ、無様ですわ」と連呼する璃緒。
「璃緒、ストレス発散に一戦交えない?」
魔法使いの間でスポーツのように行われる魔術戦闘でもやって気分転換してもらおうという、千秋の意図を読み取ったのか璃緒は、
「無様ですわ、無様ですわ、無様ですわ」
そう言いながらも、ちゃっかり、巨鍵を幻素から実体化させる。大切な友人の心遣いを無碍にはしたくない。
「まったく……」
その様子に苦笑しながら巨針を正眼に構える千秋。
お互いの間にある空気がピリピリと徐々に緊張感を帯びていく。




