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女魔王、千年ぶりの買い物

 前回のあらすじ:お金拾った

 「ねぇ、おじさん。その串焼きいくら?」


 声を掛けると、忙しく串焼きを包んでいた屋台のおじさんがこっちに振り向いた。


 「はい、いらっしゃい。うちのうまい串焼きは一本二十マルだよ……って随分かわいいお客さんだなこりゃ」


 待っていた若い男に香ばしい匂いのする串焼きの包みを渡し、代金を受け取りながら答えてくれた。


 「おつかいかい?」


 若い男が聞いてきた。なんだその心配そうな目は?私は魔王、おつかいくらい完璧にできるわ。

 てか、そもそもおつかいじゃないわよ。頼まれてはないもの。


 「うん。えっと……これで買えるだけ買ってきてって頼まれたんだけど、買える?」


 でも否定せずに頷いといた。だって面倒なんだもん。それに子供のふりをしておけば、さっき拾ってきた硬貨がいくらだか聞けるし……案の定千年前の硬貨とは全く違かったので、どれくらいの価値があるのかわからないのだ。

 拾った硬貨は、銀色の小さい硬貨が二枚と少し錆びた大きい茶色の硬貨が一枚だ。他にも小さい茶色の硬貨が散らばっていたが、おそらく大した価値がないだろうからそのままにしといた。大きくて綺麗な物の方が高価な筈だ。


 左手で銀色の硬貨を一枚掴み、見せてみた。


 「そりゃ買えるけどお嬢ちゃん小銀貨って……五十本も買う気なのかい?」


 屋台のおじさんが戸惑った顔をした。五十本ってことは……えーっと二十掛ける五十は……千か。つまりこの小銀貨と呼ばれた硬貨は、千マルの価値があるらしい。


 「あ、ごめんなさい。お金間違えちゃった!こっちで買ってきてって言われたんだっけ」


 顔を赤らめて、恥ずかしながら慌ててポケットを探る感を出してみたんだがどうだろう?少しはおつかいを頼まれた子供っぽく見えただろうか。

 横目で若い男を見ると、笑いを堪えながら優しく見守ってくれていた。そんな目で私を見るな。痒いわ。串焼きを食いちぎった後にお前も食いちぎるぞ。


 今度は大きい茶色の硬貨を差し出す。


 「ああ大銅貨か。そっちなら五本買えるよ。五本でいいかい?」


 さっきの小銀貨の十分の一、つまり百マルか。


 「うん。五本頂戴」


 おじさんは笑顔で「はいよ。少し待ってね」というと、既に出来上がっていた串焼きを焼き直し始めた。あ、タレは多めに塗ってね。


 「お嬢ちゃん。おつかいするのは偉いけど、夜中に女の子が一人で出歩くのは危ないよ?悪い人に攫われたらどうするの?」


 攫われたら?攫われたふりをして悪人の仲間全員を炙りだしてから死んだ方がマシだと感じるくらいに痛めつけてから練り潰すけど?

 本音をぶちまける訳にはいかないので、適当に答える。


「家はすぐそこだから大丈夫」


 家は数日前に片付けましたけどね。

 前回の更新から三週間近く開けてしまいました……申し訳ないです。

 しかもやっと更新したのに、中身はただの通貨の説明を少しして串焼きを買っただけという。

 次回の更新は、流石にそんな時間はかからないと思います。


 ※一マル=十円位のイメージです。適当だなぁ。

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