表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/34

女魔王、戦闘開始

前回のあらすじ

女型の巨人に捕えられたエレンを奪還するべく、そのあとを追うミカサ。

そこにリヴァイが追いつき、巨人を仕留めることをあきらめ、エレンを救い出すことに目的を絞る。リヴァイは人間とは思えない驚異的な動きで、ついに女型の巨人の動きを止めることに成功する。ミカサは、止めを刺そうと攻撃に入るが……。



……ごめんなさい嘘です。

 「シャラ!捕まるよりマシだ!川に飛び込むんだ!」


 トムが大男と対峙じながら声をあげるが、しらん。私は加勢すると決めた。


 「よし、捕まえっご!?」


 男が私の肩に触れようとした瞬間、私は即座に振り向き、男の腹部に拳をねじ込んだ。

 ばんっと体内の何かが破裂したのが分かった。男は大きく仰け反り、橋の上へ倒れこむ。口をパクパクさせながら震えている。声を出していないとこをみると、衝撃で肺も破裂したのかな?

 口から血を吐きながらもがき苦しんでいて、哀れというか見苦しかったので右胸……心臓のあたりを目掛け、思いっきり足で踏みつけて止めを刺してやった。

 ドンッ、という音と供に血潮が飛び散る。男は二、三度痙攣したのち、動かなくなった。

 男の体内から足を引き抜きつつ、トムを励ましてやった。


 「トム、アンタはそこのダサい胸当てつけた大男と、対岸にいる屑を橋の上で釘付けにしておきなさい。ここなら幅が細いから、正面の相手にだけ集中できるでしょ?」


 私が男を殴り飛ばし、止めを刺したのを、すっとぼけた顔で見つめるトム。よそ見すんなよ、胸当てに殺されるぞ……って大丈夫か。胸当てもこっちを驚愕の表情で見ていた。


 「シャ、シャラ今……何を!?」


 「何をって、殺したのよ。見ればわかるでしょうに。ほら、目の前の敵に集中しなさい。ちゃんと食い止めておきなさいよ?すぐ戻ってきてあげるから」


 私はトムが囲まれない内に、後方を掃除して戻ってくるつもりだ。

 トム一人でどれだけ持ちこたえられるかわからないが、こんなところで死ぬようなら、所詮そこまでの男だったということだ。


 「あ、おい女!てめぇ一体何をした!?」


 下っ端山賊の誰かが叫んだ。


 「しつこいわね。殺したって言ってるでしょ?」


 後方を向いて、男達を睨みつけると、明らかに動揺しているのが分かった。


 「ほら、どうしたの?私を抱きたいんでしょ?」


 微笑みながら一歩踏み出し、男共に近づく。男共も先程とは違い、警戒しながら各々武器を構えている。


 「くそっ気をつけろ!この女、魔法か何かで体を強化してるかもしれねーぞ!」

 「へっ魔法だと分かりゃ簡単だ!あの年じゃ大した魔力を持ってねえ筈だ。いずれ魔力が尽きる」

 「いやまて、今は情報を集めてからでも遅くは……」


 なにやら揉めてる。怖気づいたか?

 すると、何人かがじりじりと距離を詰めてきた。どうやら私が魔法で身体能力を強化していると判断し、数人がかりで魔力切れを起こすまで、押さえつけようとしているらしい。

 残念、全くの見当違いよ。私は現在、何の魔法も使っていない。勿論呪いも。


 こいつら大して強くなさそうだし、こっち側の奴らはさっさと消そうか。反対側にいる奴らに期待しよう。

 私は、にぃっと笑いながら、駆け出した。


 試験が一歩一歩確実に迫っています。誰か助けてください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ