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トム、登場

 前回のあらすじ:水浴びした

 俺の名前はトム。16歳だ。

 俺は今、小さいころから憧れていた騎士団に入るため、ここら辺で一番大きな町、ミトノへ向かっている。ミトノでは今から一週間後に、新しい騎士団員を得るための入団試験が行われるのだ。

 俺はその試験に見事合格し、騎士になる予定だ!


 俺が生まれ育った村での生活は、決して裕福ではなかったけど、母さんと父さんは俺の夢を応援してくれた。少しずつ貯めたお金で街までの旅費と宿泊費を捻出してくれたんだ。両親への恩返しのためにも、試験に絶対合格しなければならない。

 試験に合格し、下級騎士になることができれば、村に仕送りもできる。下級騎士の給金は少ないが、寮で寝泊りできるし、食事も支給されるからだ。


 入団試験で試されるのは身体能力。上級騎士になるには身分や頭が良くないとダメらしいが、身体能力が素晴らしいと認められることができれば、誰でも下級騎士になることがでる。更に経験を積んで上官に認められれば中級騎士にもなれるのだ。

 幸い俺は体格も良いし、身体能力には自信がある。村に住む元騎士のおっちゃんに剣術の稽古をしてもらい、お墨付きを貰うことも出来た。

 大丈夫、落ち着いて試験を受ければ合格できる筈さ。


 ……おっと、考え事をしていたら随分時間が経ってしまった。

 俺はおっちゃんから貰った中古の剣の手入れを手早く、もちろん丁寧に済ませ、夕飯の準備を始めた。一人旅は危険だ。気を引き締めないと。


 村を出てから四日、昨日までは村から一緒に出発した、行商人達の荷車に乗せてもらっていたが、今日の昼ごろに別れた。行商人達はミトノの隣町へ行くらしい。

 隣町へ寄った後にミトノへも寄るから、一緒に行かないか?と誘われたが、日程がぎりぎりになりそうなので断った。試験に遅れたら一大事だからな。


 まあここからなら、ゆっくり歩いても二日以内にはミトノに着ける距離だ。大丈夫だろう。


 ちなみに今日の野宿場所は、とても綺麗な湖の近くだ。

 水場付近は動物や魔物の水飲み場になっている可能性があるため、あまりいい場所ではないけど、木の上で寝る予定なので問題ない。

 俺は、どんな場所でも寝られるという特技を持っているのだ。

 辺りはもう暗いし、早めに夕飯を済ませて、大きな木の上に避難してしまおう。


 枯れ木に初級火魔法プチファイアで火をつけた焚火で、干し肉と固焼きのパンを炙り、挟む。簡単だが、旅の最中じゃこんなもんだ。


 「あとは食後に木苺でも……っ!」


 その時、湖の方でドサッっという大きな音がした。

 咄嗟に立ち上がって剣の柄を握り、何時でも抜刀できるよう身構える。魔物か?

 しかし何かが近づいてくる気配は無い。

 一応大事をとって、荷物を担いで木に登った。


 何の音だ?

 木の上から周囲を見渡すが、異常は無い。


 片手で干し肉を挟んだパンを食べながら、様子を見ることにした。しかし、いくら待っても何も起きない。

 音の正体を調べるため、木から降りて音がした方へ行ってみることにした。

 荷物を木の裏に隠し、剣を持って忍び足で湖へ向かう。


 木々を潜りながら進むと、月明かりに照らされた美しい湖が見えてくる。

 明るい時に見た湖とは雰囲気が違ったが、何の異常もない。


 「気のせいだったのかな?」


 おかしいな、確かに聞こえたはずなんだけど。

 頭を掻きながら周囲を確認するが、巨大な木や大きな岩くらいしか……あれ?何か岩の上にある。

 岩の上に何かが置いてあるのに気づき、近づいてみるとそこには……服があった。


 「なんだこれ?」


 かわいらしい装飾がついた、上等そうな服があった。女物の。

 女物?なんでこんなとこに?しかもすごく小さいし……。


 「女の水浴びを覗くなんていい趣味ね。殺されたいの?」


 俺がボケッと考えていたら、岩から突然、鈴のように小さく綺麗で、何故かやたらと耳に残る声が響いた。


 初のサブキャラ登場です。

 てか全然話進まない……。


 次回もトムです。

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