目覚め編 プロローグ
この作品を覗いていただき、ありがとうございます。
完結目指して頑張ります。
真っ暗だ……上も下も右も左も、目を閉じても開けても真っ暗。
この空間から出るには一体どうすればいいのだろう?暴れて何も起きないし、転移魔法も使えなかった。
はぁ、と深いため息をついて後悔する。
(世界征服なんてするんじゃなかったわ……)
最初は楽しかった。魔物の軍勢を率いて人間の軍隊と戦ったり、勇者と一騎打ちしたり、天使どもと喧嘩したり。
しかし、世界の半分を手に入れたあたりから急につまらなくなってしまった。強い人間は殆どが死に、私に立ち向かってくる者はいなくなってしまったからだ。人間達は、残った安全な土地や食糧を互いに奪い合うことしかしなくなった。
反抗しないやつらを虐めてもつまらない。私はつまらないのと暇が嫌いだ。
仕方ないので、別の世界に行こうと思った。そこでもう一度暴れようと思っていた。
しかしそれは叶わなかった。異世界へ飛び立つ準備をする私の前に自称神が現れ、『君随分と暴れてたみたいだね?まぁあれ位なら構わないけど。でも、別の世界に迷惑かけるのはダメだよー』と気の抜けた声で言われ、気付いたらここに閉じ込められていた。私は何の抵抗も出来なかった。
多分私は封印されたのだろう。この真っ暗でつまらない空間に。そしておそらく数百年、数千年……下手をすれば永久にここに閉じ込められたままなのだろう。
世界征服なんてするんじゃなかった。異世界転移なんて思い付くんじゃなかった。
別の暇潰しをすれば良かった。
暇だ。
このままじゃあ封印が解ける前に気が狂いそうだ。いっそのこと自分で心臓を潰してしまおうか……いや、やっぱりやめた。死ぬなんて一番つまらない。
そうだ、封印が解けるまで寝て待とう。そうすれば暇を感じない。
そう決めた私は、自分自身に呪いをかけた。千年間眠り続ける呪いだ。
呪いをかけたてから数秒後、意識が少しずつ遠くなってきた。
深呼吸をして、ゆっくり目を閉じる。
千年後……封印解けてれば良いなぁ……。
プロローグだけだとなんだかシリアスっぽいですね。次回からは血生臭いチョビキチコメディになる……と良いな。
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