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9話 仏壇の押し売り

「奥さん、今だけ、今ならなんと半額でお届け!」

「でも~」

「さらに今すぐ契約してくれたら、同じ仏壇をなんと2つ付けてお値段そのまま!!」

「ほんと?」

「ほんとほんと!!」

「なら、買います!」

「ちょっと待った!」


 すかさず、会話に割って入った、でないと、母さんは“お得”って言葉に弱くて、気づいたら家が仏壇で埋まってる未来が見える。


「でもトモちゃん、2つもおまけがついて来るのよ」

「その通りです、奥様。実質半額以下」


 お母さんの言うとおりと、セールスマンが言う。

 うなづく母さん。

 貴女のために、主にウチの家計のために僕が断ってるのを考えて欲しい。


「それに、毎回亡くなった人を仏壇に飾ってたら、毎週2〜3個買わないと足りないでしょ?」


僕の言葉にセールスマンの顔が一瞬で青ざめる。母さんはうんうんとうなずきながら、


「そーねえ、またご近所と抗争があったら、ダース単位で必要になるわねぇ。置き場所、納屋で足りるかしら?」


 僕と母さんの会話を聞いてたセールスマンは、ジリジリと後退りして、くるりと踵を返すと「また来ます!」と叫びながら走り去っていった。


「あ!まとめ買いの割引を聞くの忘れてたわ」

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