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3話 頑固な汚れは落とさなきゃいいんです

 ごしごし!ごしごし!


「ふぅ、なかなか落ちないわ、この汚れ」


 母さんがエプロンに着いた血のりを落としてるが悪戦苦闘している。

 しかし血のりはなかなか落ちそうにない。


「そうだわ!いっそ真っ赤なお洋服に染めちゃえばいいんじゃないかしら」


 母さんは目を輝かせて、血のりのついたエプロンを広げた。

 その顔は、まるで新しいレシピを思いついた料理研究家のようだった。


「トモちゃん、見て見て!この色、まるでボルドーワインみたいじゃない?

 ちょっと高級感あると思わない?」

「いや、どう見ても事件現場だよそれ…!」

「ふふっ、じゃあ“ボルドー・クライム”って名前にしようかしら。

 今度の町内ファッションショーに着ていこうかしらねぇ」

「やめて!絶対やめて!通報されるから!」

「大丈夫よ。血の跡なんて、漂白剤と根性でどうにかなるの。

 それに、もし落ちなかったら――“これはトマトソースです”って言えばいいのよ」

「その言い訳、昭和の刑事ドラマでも通用しないからな!?」


 母さんは洗濯板を握りしめ、再び「ごしごし!ごしごし!」とリズムよくこすり始めた。

 その背中からは、なぜかオペラのBGMが聞こえてくるような気がした。

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