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16話 お昼の楽しみ
最近、母さんがお昼のメロドラマにハマってる。
しかしハマりすぎてるのが心配だ。
登場人物に感情移入しすぎていて、この前なんてあやうく登場俳優さんを殺すところだった。
「浮気するなんて最低よ……最低よ……最低よ……」
と呟きながら、テレビに向かって銃を構える母さん。
画面の中の俳優が「すまない、君を愛していたのは事実なんだ」と言った瞬間——
パーン!
テレビが爆発四散した。
「……母さん、今のは“役”だよ。演技だよ。フィクションだよ」
「わかってるわよ。でもね、あの目は本気だった。あれは演技じゃない。女の勘がそう言ってるのよ」
「いや、女の勘でテレビ壊さないで!? ていうか、またテレビ買い替え!?」
「大丈夫よ、次は防弾ガラス付きのにするから」
「そういう問題じゃないよね!?」
その後、母さんは俳優の所属事務所に殺害予告を送りつけ、
「次に浮気したら、脚本家ごと始末します」と書いてあった。
「母さん、それもう恋愛ドラマじゃなくてサスペンスだよ……」
「違うわ、これは愛よ。愛が深すぎると、銃口が軽くなるの」
母さんの愛は、今日も誰かの命を脅かしている。




