葉子と翔太24ー三人の志望校
三月になった。
六年生から、塾は週五日になるらしい。
最近、土曜は自習室に来て、朝から夕方まで勉強している。
授業の日と違って、ゆっくりご飯を食べて、休憩しながら勉強できる。
時々自習室にある学習マンガを読んだり、外で鬼ごっこが始まったりする。
今日はユイちゃんと一緒だ。
五年生の教室で、いつもの席に座ってお昼を食べていたら、翔太とイズミくんもやってきた。
「ここ座っていい?」
イズミくんが、すぐ前の席に座って言った。
「じゃあオレこっち」
翔太はユイちゃんの前に座った。
イズミくんはワックバーガーの袋を持っている。翔太はコンビニの袋だ。
「あー、腹減った。パイとかシェイクとか、甘いのも買えば良かったな」
イズミくんは袋からバーガー二つとポテトとチキン、ジュースを取り出した。
「買いすぎだろ。いくら使ったんだよ」
「羽島は少なくないか?お昼それで足りる?」
翔太は、おにぎり一つとパン一つ、あとはお茶だ。
「腹減ってる方が集中出来る」
「ストイックか。羽島ってどこの学校受けるの?」
「東都理科大附属中。兄貴と同じ所。」
「へぇー。結構偏差値高いけど、まぁ羽島なら受かるか」
「判定AからBだから、油断は出来ないけど。」
「イズミはたしか開正志望だよな。特進クラスある塾通わなくていいのか?」
「ほとんど定員オーバーだった。空いてた所も、特進クラスは落ちたし」
「ま、いーのよ。ここ通いやすいし、いい先生ばっかだし。」
イズミくんが軽い調子で言った。本当に気にしてなさそうだ。
「神島は?どこ受けるの?」
「私は一応、桜葉女子かな」
「御三家じゃん。やっぱそーだよなー」
桜葉女子。最難関の女子校のひとつ。
やっぱりユイちゃん、難しい所受けるんだ……。
「成瀬は?どこ受けるか、決めた?」
「まだ。親に相談して決めようかなって……」
「早く決めた方が良いぜー、難関校受けるなら、そろそろ本気出さねーと」
「イズミ、あんま人の事に口出すなって」
「ううん、いいの。そろそろ決めなきゃって、自分でも思ってたから」
「だよなー、もうすぐ6年生だし!」
お昼を食べてから勉強を始めたが、なかなか集中出来なかった。
たくさん食べると眠くなる。
……翔太の言う通り、ご飯は少なめの方が集中出来るかもしれない。
今度から、お弁当、もう少し減らしてもらおうかな……。




