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葉子と翔太23ーバレンタイン
二月。ある日の塾。
「へい女子たち。そろそろバレンタインの季節ですね」
ユイちゃんとお弁当を食べていたら、イズミくんが声をかけてきた。
「あげないよ?」
ユイちゃん、バッサリ。……イズミくんて、もしかしてユイちゃんの事好きなのかな……?
「いやほら、オレたち仲間じゃないですか。友達に渡すチョコがあってもいいと思うんですが」
「成瀬はくれるよな?オレたち、同期みたいなもんだし」
バレンタイン。今まで、家族以外の人に一度も渡した事がない。
買ってくるのか、手作りなのか、どうするのが普通なんだろう。
「イズミ。恥ずかしいからやめろって」
翔太だ。チョコ、翔太に渡したら……。……変に思われるかな。
「えー、なんでだよ。貰えない方が恥ずかしいじゃんか。」
「……そもそも、菓子類は持ち込み禁止」
「マジメか。別に塾で食べなきゃいいって」
「羽島は要らないってさ。オレは欲しい!」
うーん。二人ともに、友達用として渡すなら、自然に渡せるだろうか。
でも結局、塾の廊下に"バレンタインのチョコレート持ち込み禁止"の張り紙が貼られて、誰にも渡す事は出来なかった。




