葉子と翔太19ー塾の自習室
土曜日。
水曜と土曜は授業が休みだ。今日は午後から、塾の自習室に行く。
送り迎えしてもらったり、お弁当を作ってもらったりするのが申し訳ないと思っていたが、もう少し勉強したい。
お昼に焼きそばを食べて、少し休憩してから塾まで送ってもらった。
「帰り、迎えに行くから早めに連絡してね」
「うん、ありがとう」
大体、6時か7時位までかな。結構たっぷり勉強出来そうだ。
今日は苦手な社会を頑張ろう。
自習室で、ノアに歴史の年号を語呂合わせにしてもらう。
ノアに勉強を教えてもらうと、分かりやすい。
一応シロにも頼んでみたが、ちょっと言ってる事がめちゃくちゃだ。
気に入った語呂合わせだけ、ノートに書き写していく。
「お、社会?語呂合わせなら、オレ本持ってる」
イズミくんがノートを覗き込んできた。
手でノートを隠す。シロの意味不明なダジャレまで書いてあるので、ちょっと恥ずかしい。
「えー、見してよ、なんか面白そう」
自習室は五人しかいない。
さっきからみんな、たまに雑談しているので喋っても良いのかもしれないが、なんとなく気が引ける。
結局、トイレに行くと言って部屋を出ることにした。
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トイレから戻る途中、廊下でイズミくんと会った。
「そーいえば成瀬って、自習室くるの珍しいよな」
「うん、初めて。休みの日に送り迎えしてもらうの、ちょっと頼みづらくて……」
「じゃあ電車かバスで来れば?オレいつもそーしてる」
「ウチの両親、本当は公立行って欲しいらしくて。受験あんま応援されてない」
「まあ、絶対受かってやるけど。オレ開正受けるんだ。東大行きたいし」
開正。有名な学校だ。偏差値も高い。
「成瀬はどこ受ける?」
「……私は、まだ決まってなくて」
「そっか。決まったら教えてよ、応援するからさ」
「うん、ありがと」
やっぱり、イズミくんは凄いな。
目標をはっきり言うし、全力だ。
翔太やユイちゃんは、どこを受けるんだろう。
私は……まだ、何も決まってないや。




