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葉子と翔太12ー合宿最終日

 合宿最終日。


 午前中に受けたテストの順位発表があるらしい。成績上位者には景品もあるそうだ。


 広い座敷部屋で、先生たちが前に立ち、塾生たちは畳に座っている。


「合宿お疲れ様でした。これからテストの成績上位者の表彰を行います」


「国語1位、成瀬葉子。96点」


 ……え?


「葉子ちゃん、おめでと。ほら、立って立って」


 ユイちゃんに言われて呆然としながら立ち上がる。先生が前で手招きしている。


「おめでとう」


 塾長が、景品の箱を手渡しながら声をかける。


「惜しかったな。2科目は5位だ」


 こっそりと耳打ちされた。


 そのあと、他の科目の1位が表彰された。

 算数も理科も社会も、1位はユイちゃん。


「2科目は3位まで、4科目は5位まで発表する」


 結局、どちらも1位はユイちゃんだった。

 翔太は両方とも2位で、他は知らない子ばかり。

 イズミくんが悔しそうな顔をしているのが見えた。


 畳に積み上がった景品の箱を見て、ユイちゃんが少し気まずそうな顔をしている。


「流石ゴッド神島。総取りじゃん」


 知らない男の子の声がする。……ユイちゃんは下を向いてしまった。


 表彰が終わって、部屋全体が少しガヤガヤとした空気になる。


「くっそー、オレ今回全然ダメだった」


 イズミくんが近くに来て、声をかけてくる。


「範囲広過ぎ。せっかく合宿で勉強頑張ったのに、報われねぇ!」


 それは思った。半分近くは知らない問題で、選択式の問題はほとんど勘で答えた。


「葉子、国語1位おめでと。景品何だった?」


 翔太も声をかけてきた。そういえば、まだ開けてない。


「そーだ、何入ってんの?気になるわー」


 とりあえず、開けてみる。包装紙はビリビリになったがまぁいいだろう。


「タオルかよ。お中元か!」


 イズミくんがツッコむ。確かに、シンプルなタオルはちょっとお中元っぽい。


「え、いいじゃん。オレ、なんか可愛いの当たったんだけど」


 翔太が自分の景品の箱を見せる。

 中身は両方「なないろフレンズ」のキャラクターグッズだった。どっちも結構可愛い。


 黄色のタマゴ型の目覚まし時計。ファンシーなデザインだ。


 男の子でも使えなくはない……かな?いや、どうだろう。


「うわ、可愛すぎ。成瀬と交換したら?」


 イズミくんが軽く言う。いや、それは……ハードルが高い。


「でも葉子も好みがあるだろうし」


 ……チャンスかもしれない。


「私、このキャラクター結構好きかも」


 時計を手に取る。ドキドキする。ちょっと図々しいかな。


「じゃあ交換しよう」


「ありがと……」


 顔が赤い気がする。

 翔太と交換した目覚まし時計。

 ……大切にしよう。

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