葉子と翔太9ー合宿一日目
合宿初日の朝。
貸し切りバスに乗って、山の中の温泉旅館に向かう。
席は自由だったので、ユイちゃんの隣に座った。
一緒にお菓子を食べながら好きな音楽や本の話をしていたら、あっという間に旅館に着いた。
荷物を置いて、少し休憩して、お昼を食べる。
いよいよ勉強が始まる。
時間割を見ると、夕飯を挟んで夜9時まで勉強だ。それから入浴、就寝は10時。
翌日は午前中から勉強だし、やっぱりハードそうだ。
「あとで売店のぞいてみようよ。お土産買うのは最終日の方が良さそうだけど、ちょっと下見したいな」
ユイちゃんは楽しそうだ。慣れてるのかな。
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旅館のお昼ご飯は結構美味しかった。
たくさん食べ過ぎて眠いが、これからが本番だ。
なんだか塾の授業より難しい気がする。
突然塾長が問題を出して、時間を測り始めたので慌てて解き始めるが、サッパリ分からない。
「はい、ストップ。出来なかった人、手を挙げて」
半数以上が手を挙げたので、少しホッとしながら手を挙げる。
「人数が多過ぎる。ずいぶん弛んでいるな。この合宿中に、気を引き締めること」
怒られた。手を挙げていないイズミくんがこっちを見ている。ちょっと恥ずかしい。
「手をおろして。授業を続けます。集中するように」
頑張ったけど、結局あまり集中出来ないまま授業が終わった。
そのあともう一時間授業があって、自習の時間になる。
出された宿題と練習プリントをやる。
しんどくなってきたので、自販機でペットボトルのジュースを買った。ジュースを飲みながら、プリントに取り掛かる。少し頭が冴えてきたかもしれない。
夕方になる頃にはお腹が減ってきた。でも夕飯まで、まだ理科と社会の授業がある。
「葉子ちゃん、大丈夫?」
ユイちゃんがカバンからチョコを取り出して渡してくれた。そういえば自分のカバンにも何か入っていた気がする。
「ありがと」
チョコを口に入れた。
一粒でも、甘さが体に染みる。
少し元気が出た。とりあえず、夕飯まで頑張ろう。




