黄昏の揺りかご
彼の最初の記憶は、沈黙だった。
平和の沈黙ではなく、もっと深く――もっと古の沈黙。頭蓋骨に収まりきらないほど大きな夢の重さのように、彼の精神に押し寄せる絶対的な静寂。それは温かくも冷たくもなく、安全でも脅威的でもなかった。ただ、そこにあった。
そしてその沈黙の中で、彼は漂った。
どれほどの時間だったのか、彼は知らなかった。数日か?数分か?数世紀か?
その時、沈黙がひび割れ、叫びによって引き裂かれた。彼自身の叫びによって。
空気が彼の喉を焼き、世界が、あまりにも早く引かれた幕のように、彼の周りに押し寄せた。彼はもがき、光ではない光に目をくらまされ、自分の声ではない声で叫んだ。柔らかく、震える手が、彼を優しく世界へと持ち上げた。疲労と喜びに輝く女の顔が彼の上に覆いかぶさった。彼女の銀色の髪は薄暗いろうそくの光の中でかすかに輝き、月石のように青白い彼女の瞳は涙で満ちていた。
「彼は印を宿している……」彼女は囁いた。「彼の中で、ヴェールが動き出す。」
その声は、葉山和樹がこれまで聞いたどの言語とも違っていたが、彼は理解した。その意味は、水に油が染み込むように、たやすく、そして奇妙なほど親密に彼の思考に滑り込んだ。
彼は動こうとした。話そうとした。彼の体は反応しなかった。
当然だ、と彼は皮肉っぽく思った。僕は赤ん坊だ。
その事実に彼は驚かなかった。他に何を期待できただろう?彼は死んだのだ――激しく、苦痛に満ち、血管には炎が燃え盛って――そして今、ありえないことに、見知らぬ女の腕の中で再び生きていた。
彼を――
「エリアス……」彼女は息を吐くように言った。
その名前は、肥沃な大地に落ちた種のように、彼の中に根を下ろした。異質でありながら、馴染み深い。彼の名前ではないが……今の彼の名だ。
葉山和樹は消えた。彼の最後の行動は、絶望、怒り、そして勇気が一つの瞬間の反抗に結びついたものだった。彼は彼女を救った――ヒマリを。少なくとも、彼はそう願った。
そして今……彼はエリアスだ。
この新しい人生では、時間の流れが違っていた。日々は週に、そして月にぼやけていった。最初は無力だった――動くことも、話すことも、ただ見ていることしかできなかった。だが、彼の精神は無傷だった。考えることができた。思い出すことができた。感じることができた。
そして、彼はすべてを見ていた。
その世界はノクティスヴェールと呼ばれ、彼の想像をはるかに超えるものだった。空は決して完全な太陽光で輝くことはなく――ただ、昼と夜の間を漂う薄暗い黄昏だけだった。昼間でも青白い星がかすかに瞬き、影は本来よりも長く伸びていた。
魔法がここに存在した。本物の魔法が。暖炉に火を灯すために母の手のひらで踊る炎、質素な家の壁に刻まれた柔らかく光るルーン文字の中に、彼はそれを見た。背が高く、険しい顔つきで、狩人の外套をまとった父が、死してなお蜃気楼のようにきらめく生き物を持ち帰るのを見た。
だが、何よりも魅力的だったのは、ヴェールだった。
それはめったに語られず、決して直接的には語られなかった。暖炉の周りの囁き。古い石に刻まれたシンボルへの用心深い視線。彼が眠っている間に、母はかつて彼の胸に光るインクで印を描き、彼がまだ知らなかったのにどういうわけか理解できた子守唄を歌った。
「世界は見えるものよりも多くを隠している、小さな星よ」と彼女は囁いた。「だが、あなたの魂は道を見つけるだろう。」
エリアスが三歳になる頃には、歩くこと、話すこと、そして子供に期待される無邪気さを装うことを学んでいた。だが、その紫色の瞳の奥には、血塗られた手で死んだ十七歳の精神が宿っていた。
そして、四歳の誕生日の夜、夢が始まった。
それは囁きから始まった。ほとんど聞き取れないほどかすかな音。彼の眠りに織り込まれた音の糸。
もっと近くへ……
彼は森の中に立っていたが、それは森ではなかった。木々は樹皮の代わりに影で輝き、葉は露の代わりに記憶を滴らせていた。彼は下を見て、自分の手――もっと年老いた、本当の手――と、破れて血で染まった古い学校の制服を見た。
人影が空き地の端に立っていた。星明かりのヴェールに包まれ、顔はないが馴染み深い。
「あなたは誰ですか?」エリアスは尋ねた。
その人影は首を傾げた。「お前だ。」
そして彼は目を覚ました。
汗をかき、震え、そして存在してはならない何かを見つめていた。
それは窓枠に座っていた――猫にしては大きすぎ、人にしては小さすぎた。その体は縫い合わされた影でできており、目は移り変わる星座のように輝いていた。音もなく喉を鳴らし、ゆっくりと彼に瞬きをした。
エリアスは何も言わなかった。
その生き物は見つめた。
そしてそれは闇の中に溶け込み、一つの囁く言葉を残した。
「ヴェール生まれ。」
彼はその生き物について誰にも話さなかった。夢についても。時折、彼の影がわずかにずれて動くことについても。
代わりに、彼は見ていた。待っていた。学んでいた。
六歳になる頃には、エリアスはほとんどの地方の方言を暗記し、近くの森を頭の中で地図にし、家庭教師の前で苦労するふりをして基本的なグリフを習得していた。
彼の家族――下級貴族ではあったが――は、ルーメニス王国の国境、ウンブラフォールドの端近くに住んでいた。
それは人々が口にしたがらない場所だった。霧と囁きの地、そこでは時間の流れが奇妙で、人々は跡形もなく消えていった。
当然、彼はそれに夢中だった。
エリアスは決してじっとしているような子供ではなかった。前の人生では、一人で訓練するために学校に遅くまで残っていた。彼は趣味で秘密組織に関する陰謀論フォーラムを読んでいた。彼があの悪党たちを追いかけた理由の半分は、魔法のない世界で自分が「影の英雄」になれると信じていたからだった。
今……彼はもうふりをする必要はなかった。
ヴェールは本物だった。
イドロンの領域――現実の下にあるこの奇妙な層――は本物だった。
そして彼はそれを引き裂きたかった。
それが初めて起こったのは、彼が七歳の時だった。
彼は――また――こっそり抜け出し、村のすぐ先にある古い遺跡をさまよっていた。地元の人々はそこを呪われていると呼んでいた。「エコーが歪んでいる」と、ある老婆は言い、魔除けの印を切った。
完璧だ。
壊れたアーチ道を通り抜けると、空気がかすかに揺らいだ。世界が……変化した。色がくすみ、音が消えていった。まるで水中に立っているようだったが、もっと重かった。
そして彼は再びそれを聞いた。
もっと近くへ……
彼は躊躇しなかった。
影は彼が遺跡の奥深くへ進むにつれて伸び、彼を導いた。囁きが霧のように渦巻き、不完全な形を成した――記憶、後悔、失われた時間の断片。彼の足音は何世紀も触れられていない石に響いた。
遺跡の中心には鏡が立っていた。
ひび割れ、黒ずみ、何も映さない。
エリアスはそれを見つめた。そして手を伸ばした。
その表面は、彼の指の下でインクのように波打った。
そしてヴェールが応えた。
力が彼を貫いた――冷たく、焼け付くように、そして美しく。彼は膝をつき、息を呑み、幻影が彼の心に押し寄せた。炎と星、語られない名前、永劫の沈黙の下に埋もれた真実。
そして、それらすべての上に、一つのフレーズが響いた。
「見えぬもののみが、見えるものを再形成できる。」
彼が立ち上がった時、何かが変わっていた。
彼は世界を違った風に見ていた。影が彼の周りで曲がり、音が隠された意味の和音に重なっていた。彼の自分の反射は、ほんの一瞬遅れて瞬きをした。
彼は最初のヴェールを引き裂いたのだ。
エリアスが八歳になる頃には、村人たちは彼のことを囁き合っていた。
「奇妙な子だ。」
「静かすぎる。」
「嵐のガラスのような瞳だ。」
彼は気にしなかった。好きに言わせておけばいい。彼は無視される方が好きだった。
結局のところ、誰も背景の人物を疑わない。
それが彼が選んだ役割だった。英雄ではない。高貴な救世主でも、予言された戦士でもない。
影。神話。世界を恐怖に陥れるのに十分な真実を秘めた嘘。
彼は微笑み、ヴェールが彼の周りで揺れた。