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【世紀末覇王エッセイ】黒い安息の日々  作者: キャベツが主食の☆黒い安息日
読んでくれる人が増えて幸せな毎日 編
37/56

「ビルの上で」の詳細・かぐつち・マナぱ さまの新イラストと解釈


まずは短編


「ビルの上で The Dunwich Building」


を読んでもらった前提でお話しします


まだ読まれてない方は、とても短い詩ですので、目を通して頂けると幸いです。



◇◇◇



まずは制作意図から説明します。


私が日本ファルコムのRPG「界の軌跡」に一か月没頭している間に「しいな ここみ」先生が「500文字小説企画」というのを開催しておられました。そして後日「冬のホラー3」という企画を開催予定だそうです。


私に限らないと思うのですが、インスピレーションは前触れもなく舞い降ります。そしてその多くが役に立ちません。私はそれを面白がる悪癖があって、終わった企画と予定の企画にコッソリ脳内参加したのです。もちろん誰にも告げず。意味などありません。


ゆえに500文字で書き、ビルの上で雪がちらついているのです。



◇◇◇



次に構成を説明します。


・彼女は落ちた……って、女が飛び降りたんちゃうんかい!

・しかも、そこで産み落とすって……グロいわ!

・処女やのに産んだんかい!キリストやんけ!

・明けの明星て……サタンやんけ!

・我らって誰やねん!急に出てくんな!

・そら発狂するわ!

・産まれてすぐ立つんかい!人間ちゃうやんけ!

・肉を集めて山羊の体って悪魔やんけ!

・きしょい産声やな、検索したろ……クトゥルフやんけ!

・Yog-Sothoth (ヨグ=ソトース)やし■■■■やし完全にあかんやつや

・鍵に門てクトゥルフ確定やな

・長い夜て、あかん世界の終わりや


……と、読者が読み取れるよう書くつもりでしたが、文才の無さと500文字という制限に悩まされ、難解にして不可解な短編となったわけです。



◇◇◇



この短編の投稿後、「大浜 英彰」さんと「かぐつち・マナぱ」さんが、産み落とされ世界を滅ぼすであろう存在の「彼女」を憐れむコメントを感想欄や活動報告に書いておられました。


私は不思議でした。なぜ「彼女」に慈悲を向けるのか、汚らわしく邪悪な「彼女」を嫌悪しないのか。私は読者に「彼女」の存在を全否定してほしかったのです。


私はこの違和感に文学的解釈で解答を得ました。「彼女」は私なのです。私は自身を嫌悪されるべき、邪悪で悍 (おぞ) ましい存在だと幼少のころから言い聞かせられ育ちました。500文字にするため極限まで削ぎ落された「ビルの上で」の短編に残された物語は、私の半生だったのです。


別にそこまで大層な作品のつもりも無いし、多段階で驚きを与えようとして失敗したエンタメ駄作品にすぎないですが、図らずも私の人生と世界観を表現した作品となり、同時に人が持つ普遍的な善性に触れることとなりました。


私は自分に悪意が薄いことは自覚していたのですが、善性というか優しさが欠落していることも知りました。これはなろうで創作を始めて得た貴重な体験です。これだからアートは面白い。



◇◇◇



さて、善性を見せた人たちが悲劇を望んでおらず、「彼女」が穏やかな人生を願っている。それは創作物に対する社交辞令だとは理解しているが、それでも偽りなく率直な感情であることも理解している。彼らは図らずも、私の人生を祈ったのだ。


稚拙なママゴトであっても、私なりに世界観を構築した自負はある。ならば私の荒廃した心象風景に暖かな日差しを注いだ太陽たちに応えたい。私はそう考え別作品である「貴族令嬢料理大会」に「ビルの上で」を紐づけ、両作品の結末を書き換えた。


何をそこまでマジになってるの、とお考えになる方もおられよう。私も別にお涙頂戴でアクセスや評価を得ようというのではない。世界観を構築するために考察を深め、創作の本質を掘り下げようとしているのだ。これでも一応、端くれながら富野由悠季に影響を受けた富野信者だ。岡田斗司夫の大フアンだ。手探りながら、真摯に書いているつもりだ。存分に笑うがいい、人生はコメディだ。


趣味で実益が無いからこそ、幼稚なお遊戯だからこそ、魂込めて真剣に取り組んでいる。だから私は最近めっちゃ楽しい。社用車と、自家用車。あなたが休日に洗車するのはどっち?



◇◇◇



かぐつち・マナぱ 先生より新たなイラストを頂いた


銀髪の女性がビルから産み落とされた「彼女」


挿絵(By みてみん)


スジャータの額にビンディが無いのは古い因習を守り未婚だからと解釈して……いやまあ、そんなことはどうでもいいのだが。てか脳内でララァ・スンのイメージだった固定観念は、読者に私の年齢を予想されかねない危険性を帯びる。大丈夫、バレてない、私はまだ若い【警告】


イラストに添えられた一文


「ガラスの器に満ちる命の水、このまま溢れて溢れる様を見届けようか?、それとも自分か娘たちに任せるか?、大丈夫、もう次のグラスも用意しているから… 」


が気に入ったので、ここで引用させて頂く。


なお、誤解無き様申し上げるが、作品に対して筆者 (私) と違う解釈を持たれる方もおられるだろうが、それは筆者 (私) として喜ばしく誇れることである。聞かれれば相違点として答えもするが、自己解釈でイマジネーションを広げてくれることが、最も尊いと確信している。そうでしょう?ラヴクラフト先生。




注釈)

【警告】とは本エッセイの「嘘偽りなく事実のみを記す」という制約と誓約を破った場合に出現する念能力。これに従わず破り続けると周囲が氷結し相手は死ぬ (エターナルフォースブリザード)


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>大丈夫、バレてない、私はまだ若い【警告】 大丈夫!、私のイラストの力で作者様は『ピチピチの若いギャル貴族令嬢』としてのイメージしか読者様は抱いておりませんとも!【断言】(`・ω・´)ゞ←マテ な…
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