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侵略開始

「...ん?」


空を埋め尽くすように伸びる高層ビル群と、エアークラフト。そのビルの隙間から、煌めく幾筋の光が見えた。


瞬間、ビルから火が吹き、道路はヒビ割れ、貨物移送用のチューブは粉々になり、貨物がボトボト落ちる。


ドォンドォンと巨大な砲丸が落下してくる。だが、それは砲丸ではなく、中から岩石のような見た目をした機械を投下するドロップシップだった。


「ぎゃあああああああ」


「うああああああああ」


奴らは自分を中心にレーザーを円になるように発射し、撃った地点から炎が上がる。


「やめろ!離せ!俺は美味しくなああああい!!!」


捕まった人間は奴らに捕食され、その命を散らした。体は血を一滴も残さず奴らに取り込まれた。


ダッダッダッダッ


そこへ警察の一人が銃を構え、発砲する。レーザーは奴らを倒すのに十分な威力だったようで、その人間の何倍の大きさもある体から力が抜け、倒れる。銃創からは青色の液体が流れる。


倒れた敵に念の為数発発砲し、避難誘導を開始する。避難先はシェルターである。


一体の避難が完了したら国に救援要請を送り、道路を封鎖する。


「なんなんだこいつは...」


警察の一人がそう呟いた。


キシャアアアアアアア


「...は?」


また一人、捕食されてしまった。







こちらはでは慌てふためく人達の姿が。


「なんだ!?何が起きてる!?」


「地上施設が攻撃されています!」


モニターに映された映像には、ムシャムシャと食われるさっきの警官の姿が映る。

その様子を見た職員数名は吐き気を催している。


「シェルターへの避難命令を出せ!」


「了解!」







ビー!ビー!ビー!


今も昔も変わらない陽キャの街にて、そこら中のスマホから警告音が流れる。それと同時にスマホの画面が赤くなり、中央に文字が表示される。


『未確認物体が侵略中。〇〇シェルターへ避難してください』


「ええ...?」


人の流れは5秒ほど止まったが、すぐに動き出す。ある1つの建物に向かって。


ある程度人がすくなってきた折、巨大な砲丸...もとい、ドロップシップが降下してきた。そのドロップシップは建物を全てなぎ倒し、シェルターを襲う。中の人間を捕食しながら街を瓦礫の山にしていく。


「こちらにヘイトを向けさせろ!住民への被害を減らせ!」


そこへ、軍人達が銃を持ってやってきた。歩兵戦闘車や軍事用ドローンを引っ提げて。

奴らが歩兵戦闘車に襲いかかり、中に居る人間を捕食しようとした。しかし、機関銃で蜂の巣にされ、全身から液体をぶちまけながら活動を停止する。灰色だった歩兵戦闘車は真っ青に塗り替えられた。


「そんなにアイツらが怖いか?」


「真っ青にはなったが恐怖の意味の真っ青にはなってねぇわ」


「「はっはっはっはっは」」


...軍人と言うよりは傭兵に近いかもしれない。

その後も、奴らを機銃で掃射し続ける。蜂の巣になって大抵の奴らが即死する。



戦い続けて半日が経過した。



「くそ!弾薬が尽きた!」


「実体弾もエネルギー弾も使い切った!」


「まずい、目の前に奴らが...うわあああああああああ!」


長期戦により、軍人達の物資と集中力は尽きてしまった。


「なんでこんなに多い!?ほぼ無限湧きじゃねぇか!」


「どんなクソゲーだよ!!!ああああああああ!!!!!」


ドォン


体に超火力爆弾を出鱈目に奴らに投げまくる軍人。狙いなんてまともに定めてなんかいないが、それ以上に敵が密集しているために被害は与えられる。

...しかし、その被害を超える量の敵が供給されるため、実質被害ゼロだ。



士気も低下してきた軍人達は奴らに捕食され、街が一つ滅びた。







あの大惨事から数年。地上は奴ら...『R(rock)L(life)F(form)』(日本語訳で岩石生命体である)に支配されていた。

そんな世界の電車の車内で。


「なんか、外来種が在来種を淘汰するみたいだな」


「そういう話をするなバカ」


「1000年近く前の話で今はもう解決されてるじゃねぇか」


「そりゃ外来種を在来種もろともRLFの連中が滅ぼしたからな」


「草」


「いつの時代の人間だよお前は」


「ナウいヤングなアベックだよ」


「ナウいって何だよ。アベックって何だよ」


「今頃の若者には通じねぇか...」


「お前も若者だろうが」


20歳前後...大学生ぐらいの年齢の彼らは兵士である。対RLF用に新設された軍のだ。

さっきも言ったが、地上はRLFに支配された。なんならRLF専用に環境が魔改造された。人類にはとても生活ができない。

理由としては、放射線が飛び交っているだとか、RLFが跋扈しているだとか、気温が異様に低いだとかだ。

しかし、大気だけは異様にキレイである。...空気がキレイなのは人類が努力したからだが、RLFが破壊行動を行ったというのに待機が全く汚れていないというのは随分とおかしな話だ。


「そういやあと数ヶ月で地球が滅びるんだってな」


「んなもんデマだろ。地球を破壊する爆弾とか撃ち込まれん限り滅びねぇ」


「それが撃ち込まれたってんだよ」


「そんな馬鹿な!?」


「ほら。ニュースだよ。それで、人類全員で逃げるんだとよ。移民戦艦かなんかで」


「...マジか。そりゃヤベェな」


「随分落ち着いてるな」


「言葉が出ねぇわ。そういうお前もあんまり驚いてねえじゃねぇか」


「昨日の夜散々驚いたからな」


「ああ、そう」


地球の寿命はあと数億年だったのが、残りの寿命はたったの数ヶ月。


「じゃ、俺はここで降りるから。お前は?」


「出撃した隊員の治療だな」


「そうか。頑張れよ」


「おう」


そう言って、二人は別れる。


「...はぁ、なんだってこんなことになったのやら。火星の親父は元気にしてっかな」

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