表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喚ばれた剣聖  作者: たんぽぽ3号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/72

喚ばれた剣聖ー25



「・・・おい、待て。」


「ん? どうしました。」



ニコッと爽やかな笑みで声をかけられた方を見る。腰に剣を帯びた大男、額には角が生えていた。



・・・たしか、大鬼族だったかな。



服装は軽装というより半裸じゃね? それで一体何を守ってるんだろう。



威圧的な男は見下ろすように立ち塞がる。



「貴様、ここに何のようだ。」


「やだなぁ、普通にオークションを見に来ただけですよ。・・・明後日行われるオークションが楽しみでついつい会場を見たくなったんです。」



なおも爽やかに対応しているというのにオーガの顔はどんどんと険しくなる。俺の笑顔ってそんなに胡散臭いか?



「・・・最近、森精仮面とかいう馬鹿や反発商会が傭兵を送り込んでてな。おまえはどうもここらしくない。」



あの仮面野郎。会ってなくても迷惑かけやがるのか。どうりで警備が厳しいわけだよ。


身綺麗で商人風でもない俺は下層の住人とも富裕層とも捉えきれない中途半端な出で立ちとなっている。ここの空気に似つかわしくないのだろう。


疑いを前面に押し出してくるオーガに俺は目を細めた。



「・・・あまりバレたくないんですよ。殺しとか大荷物の密輸は専門じゃないので」



コートの内側から少しだけ瓶の錠剤を取り出して相手に見せる。彼等は裏の住人だ、一目見れば何か分かるだろう。

そしてそんな俺の予想通り薬を見て彼等は少し警戒を緩めた。



「失礼した。・・・なるほど、確かに顔つきがこちらに寄ったな。」



それはどう言うことかな? どちらかと言うと素に近づけたんだけど、悪人顔とでもいいたいのか、あぁ!?


不快感を隠さず顔に嫌悪を浮かべると相手は慌てだす。お客様相手に失礼を取ることはきつく言いくるめられてるだろうしね。



「も、申し訳ございません。では、私たちはこれで。」



オーガの二人組はそれだけ言い残してそそくさと去っていく。それを尻目に俺は気配を薄め、扉から入らず建物の側面に張り付いた。

そっと手を触れて壁の向こう側の気配を探知、いないことを確認して意識を集中。



ーースルリ



体を霊界との間に落として物質をすり抜け、中へと入る。入った場所は応接室のような場所で椅子と机だけあった。



「やっぱ定番は地下かな。」



そのまま、落ちるように下へと潜り込む。



神出鬼没。

気づいたらそばに存在し、気づいたら姿を消す。

その姿を見れば最後、次の瞬間には首を落とされる。


元の世界で剣聖と共に幽界の霊鬼と呼ばれた男が牙を剥く。




ーーー




ーーぴちゃ



「ん? 雨漏りか、雨なんて降ったか?」


「さぁなぁ、最近忙しくて外見てねぇし降ったんじゃねぇ?」



換気のために少しだけ空いていた窓から一粒の水滴となって地面に落ちる。そのまま姿を形成しながら大きな氷冷庫の裏へと隠れた。


キッチンで料理をしているリザードマンと小さなゴブリンが話しながらテキパキと動く端でコソコソと部屋の外へ出る。



「・・・キッチン近くに保管はしないか。・・・下は律兎が見るって言ってたし、もう少し探索しよう。」



流れるような足運びで音を消し、廊下を静かに進む。

律兎のように気配は消せないが、普段から狩りをしている者として隠行は心得ている。


ただ、数が多い。時間は掛かるかもしれないがしらみつぶしに行くしかない。




ーーー





先程と変わらないオークション会場が見渡せる屋上。

その上で私はモフモフをもふもふしながら眺めていた。



「暇ですねー。」


「す、すごい、2人ともすぐに入ってった。」



律兎さんは一瞬だけ絡まれていたようだがそのすぐ後には建物の影へと消えていった。

スイはスイで高所から飛び降りるように水滴として沈下。警備をものともせずに二人とも侵入に成功したようだ。


あの二人って本当に何でも器用にこなしますね。


ちなみに私の役割は見張りなので特にやることはない。やることと言えば渡された双眼鏡で入り口を眺めるだけ、、、。これレンズ透明で一切曇って無いですし、見やすいです。

曇りのない双眼鏡は高いですからねー。これもらっとこうかな?



「そういえばギータくんはどうやって彼等から逃げたのですか?」



ふと、なぜか聞くことを忘れていた大切なことを思い出して聞いておく。2人もこれを聞いておけばもっと簡単に潜入できたかもしれないのに、、、。



「・・・? いや、なんか牢屋の鍵が空いてたんだ。弟は病気で動けなかったし、僕の力じゃ運べなくて。だから一人で逃げ出したんだ。」



・・・え? 牢屋の鍵が空いていた?



「・・・逃げるときに見張りはいました?」


「ううん、たまたま誰もいなかったんだ。だから上手く逃げ出せたんだよ。」



たまたま? そんなわけない。大事な商品の鍵を閉め忘れるわけもなければ見張りを立たせないわけもないだろう。


つまり彼は、、、意図的に逃がされた?


脳裏に不安と焦りが生まれる。

彼らの目的は分からない。だが、もしかしたら逃げ出させて誘き出させた連中を捕まえるのが目的だとしたら、、、!



「律兎さん、うまくやってくださいよ。」



先ほどまでの余裕は鳴りを潜め。

不安げに入り口を眺めているとフード付きの黒い外套をまとった鎧の人物が中へと入る。その際にこちらを少し見た気がしたが気のせいだろうか?



「・・・・・あれ? 確かあの鎧って、、、。」





ーーー




「・・・っち! だからあの肉だるまに追わせるべきじゃなかったんだ。やっぱり俺のほうが追うのに向いてたよな。」


「いや、お前も短気だからだめだろ。でもまぁ、上もわざわざ森精仮面とかいうよくわかんないやつを捕まえるために商品を生き餌にしようだなんてよく考えるよなぁー。」



少しの灯りに照らされた薄暗い倉庫の棚の上から見回りしている二人組の会話を盗み聞きく。

なんかドロドロしてるやつとカマキリみたいなやつ。



・・・なるほどな、道理でギータが外まで出れたわけだ。あの森精仮面とか言うやつを商会の上層部は捕まえたいみたい。


あいつなんなんだ? なんかすごい引け腰で逃げたやつだし大したやつには感じなかったけどな。


2人の見張りは話しながら倉庫を出る。

そのタイミングで棚から飛び降り、周囲の箱を開けてみる。何が入っているのかを確認しようと箱に手をいれてみるとナイフが入っていて指を切った。



「・・・。」



俺ってもしかしてマヌケなのかな? どうして見えない箱の中に手を突っ込んだ?

なんか恥ずかしくなって縦に置かれた木箱に寄りかかる。



「ん?」



ふと、何かを感じて横を見ると、、、。



「あっ。」



変な木製の仮面をつけた不審者と目が合った。



「ぬわぁ!?」


「うわぁ!! お、大きな声を出さないでください!」



こ、こいつ! どうやって俺に気づかれずに横にいやがった!?


気が抜けていたのは確かだが、まさかこんなに接近してても気づけないとは、、、こいつやりおる。



「おまえ、こんなところで何してんだ?」


「そ、それは、も、もちろん、助けるために決まってるじゃないですか。」



相変わらず震えてガタガタしてるけど、こいつちゃんとここまで侵入してきたのか。言葉だけの野郎かと思ったが、厳しい警備をかいくぐってここまで来た勇気には素直に感心する。



「それはいいが、状況を理解してんのか? お前狙われてたぞ?」


「えぇ!? 僕が!? なんで!?」



え、こいつ心当たりないの? てっきり何かしら盗んだのかと思ったけど恨みでも買ってんのかな。あ、そういやギータ助けようとしてたしそっち関係だろう。


ま、そこは俺には関係ないかと扉へ向かう。



「え、ま、待ってよ! 置いてっちゃうの!? 僕も連れてってよ!?」


「はぁ!? なんで俺がお前まで引き連れて行かないといけないんだ! てめえ一人でいけや!」


「ムリムリムリ! だって君が狙われてるとか言うから! もう怖くて動けないよーー!!」



森精仮面はそう叫んで足にしがみついてくる。ちっこい割に必死なのか力も強くうっとうしい。

連れてってしまえば下手にすり抜けできないし、隠密も一人と二人じゃ見つかる可能性が段違いだ。



「・・・・・おい、なんか向こうから声が聞こえないか?」


「倉庫の見回りは済んだ気がするが一応見ておくか。」


「「・・・。」」



騒ぎすぎてしまったからか違和感を感じた見張りが、こちらへと近づいてくる。ちらりと一瞬目を合わせて2人は即座に動き出した。



・・・同じ箱に。



「なんで同じなんだよ!」


「ここはさっき僕が隠れてたんだから僕の隠れ場所なんだ! 君はさっきみたいに上に隠れればいいじゃないか!」



そうやってゴタゴタしているとドアが開け放たれた。



「おい、誰かいるのか?」



左側に立っていたゴブリンの頭を剣の柄で殴り倒し、次を倒そうと剣を握り直す前に、森精仮面が動き上からトカゲを抑え込んで頭を地面に叩きつけ、気絶させる。



・・・速い。



目で追えない速度で飛び上がり流れるように抑え込むのは凄いとしか言いようがない。

あの路地裏での1幕は一体何だったのだろう?



「お前、戦えるのか?」


「・・・・・うわぁ!? ご、ごめんなさいごめんなさい! つ、つい体が勝手に!」


「えぇ、、、。」



達人みたいな動きしたなと思ったのに反射だったの?

まぁでも、気持ちは追いついてないけどポテンシャルはあるってことか。


少しだけ考える。もしかしたら、、、本当に少ない可能性で、連れてっても平気かもしれない。むしろ、ほっといて掻き乱されでもしたら余計面倒が増える可能性がある。なら連れてったほうがマシか。



「おい、変態仮面。仕方ないから連れてってやる。だが、絶対に見つかるなよ。」


「変態じゃない、森精仮面だ。ま、任せてくれ、ここまで誰にも見つからなかったんだし大丈夫に決まって、、、る。」



なんで最後に語気が弱くなった?

ま、見つかったら見つかったでこいつ置いて逃げればいっか。そこまで深く考えないようにしよう。

倉庫を出て辺りを見渡しながら廊下を進む。隣の通路や所々の部屋に気配を感じながら迷わず一直線に気配が最も密集している場所まで向かった。


迷わず進む俺に森精仮面は困惑していたが、ある部屋の前に着くとハッと息を呑んだ。



「ーこ、この部屋!」


「・・・ビンゴかな。」



とても厳重に鍵が5つかけられ、さらに魔法による結界が二重に蓋をする。こんなのギータが脱出できるわけない。生き餌というのは本当だろう。


さて、ここからどうするかな。


俺ならこの程度すり抜けて入れる。

ただ森精仮面は無理だろうし、中の人達を助けるにはここを開く必要があった。



・・・めんどくせぇ、斬るか。



気づかれないようにそっと厄羅を顕現させて扉を切ろうとすると、来た方と反対側の通路から誰か降りてくる気配を感じた。仮面と角に隠れて様子をうかがう。


階段から降りてきたのは黒い外套に鎧をまとった壮年の男性。金髪をオールバックにして鋭い眼光を覗かせてい、、、ん? 金髪?


まさかと思って、少し姿を覗こうとする。



「・・・余計な者も釣れているようだ。」



すると、突如として隣から気配が大きく感じ後ろに転がるように後退る。さっきまで首があった場所には男性が腰にさしていた黒い剣が壁に刺さっていた。



ーーパラパラ



「よく避けたものだ。」



ガシャ



男は片腕がなく隻腕であった。片手で剣を構え凄まじい殺気を浴びせてくる。その殺気に反応してこちらも剣を抜いて構えを取った。



「・・・おい、森精仮面。お前、、、ん?」



戦えるかどうか聞こうと後ろを向くとあいつはすでに姿を消していた。



「・・・あの野郎! ぶっちゃけ信用してなかったけど今かよ!?」


「ふむ、小僧。貴様に用はない、悪いが片付けさせてもらう。」



強く踏み込まれた衝撃で地面がきしみ、男が目の前へと迫る。上段から振り下ろされた剣をこちらは魔力をほんの一部にだけ集中させてそこで受けた。鍔迫り合いの形になり、地面に軌跡を残しながら火花を散らす。



「・・・受けるか。」



ーーバキン!



弾かれた剣が後ろに下がり隙ができる。

男は剣を引いて心臓に向かって突きを放つ、剣の腹で受けて突きをそらし、お返しに振るった剣は空振った。


だが、攻めを止めない。そのまま今度はこちらから踏み出して横合いに振るった剣を相手が受けようとした瞬間に手の力を抜いて真下に斬り下ろす。



ーーガキィンッ!!



金属音を響かせて相手の鎧に傷が入り金具が外れる音がした。そのまま剣が軋むほど力を込め、跳ねて帰す刃で上に振り上げた剣は相手の顔に傷をつける。



ーーブシュッ



「ーーぐっ!」



額の上を斬れたので相手は血が目に入り視界が閉ざされたはず。そのまま死角に入り込むように移動し、弧を描くように剣を振る。首めがけて振るった剣は当たる直前に頭を下げてかわされた。


・・・は? 今のも対応できるのか?


低い姿勢から斬り上げれるように放たれた剣は胸を捉え、ギリギリで体を開いてかわす。が、薄皮を切られたようで血がにじんだ。



ーーサザッ



少しの間が空きお互いに距離をとる。



「・・・はぁ、はぁ、なるほど、技では攻めきれないな。ただの雇われと思ったがなかなか骨が折れる。」


「それはそっちもだろ、どうやって剣を認識した? それにお前を見たときも視線や気配を感じさせるほど漏らしてはねぇ。」


「さぁな、手の内を喋ると思うか?」


「思わねぇな、時間もないしケリをつけよう。」



再び構えをとって向き合う。

同時に飛び出そうとした瞬間に相手は後ろを向きながら剣で防御を取ると背中を刺そうとした森精仮面のナイフが甲高い音を鳴らした。



「う、うそ!? 絶対に気づかれてないと思ったのに!」


「バカ! 止まるな!!」


「え?」



ーーザシュッ!



「・・・・・え?」



攻撃を止められ、動揺してできた隙を突かれて森精仮面は血を流す。俺は即座に相手に詰め寄り剣を振るうがまるで後ろに目があるかのように回避されてしまった。


・・・なんだ、魔法か!? ふざけんなよ魔法に囚われるようなヘマしてないはず。


もしかしたら別の要因の可能性もある。異世界の魔法はよく知らないし、捉える手段がないとも限らない。後もう一つ考えられるのは、、、



『天能』



だが、こいつからはギュリカ程の理不尽さを感じない。もっと単純な何かの可能性もある。


森精仮面の出血がひどい。このままほっとけば失血死するだろう。いや、あの距離なら一撃で殺せたはずだ、それを致命傷で抑えてるところを見ると殺す気はない、、、か? いや、致命傷ってやりすぎじゃね?



「さて、目的は達した。もうすぐ引き取りに大勢の商会員がやってくる。貴様もこれまでだ。」



目的を完遂したからか敵に余裕が生まれる。

嘲るような態度に俺は立ち止まり、顔に影を落とした。


相手の余裕の笑みに対してこちらも笑みを漏らす。



「・・・何がおかしい?」


「はは、ははは、くはははははっ! これまで? 舐めんてんじゃねぇぞ老害が、この程度の状況なんかいくらでもひっくり返してきた。」



体の芯、心の奥底に意識を落とす。周囲に底冷えするような殺気があふれ、瞳が鈍く輝く。

律兎の雰囲気の変化に相手は寒気を感じて自然と距離を取った。冷や汗が流れ、構えてしまった剣は矛先がブレる。


厄羅を取り出そうと手を中空に構えると足元から水が巻き上がり、相手と自分の視界を閉ざす。



ーーズザアアッ!



水は律兎を包み込み、そのまま姿を消した。

後には壮年の騎士1人が残される。



「・・・・・命拾い、、、か?」



震える手で剣を納め、息を吐くが最後の男の目が脳裏から消えない。

騎士は森精仮面を拾い、その場を後にする。




ーーー





「ん?」



水に包まれたかと思うと次の瞬間にはさっきまでいた倉庫に戻されていた。



「・・・・・スイ、どういうつもりだ?」



少し圧のある冷たい眼差しのまま問い詰めるように聞く。スイは少し震えたが、それでも冷静に言葉を返した。



「・・・落ち着いて。あそこで全員倒したところで何も解決できない。」


「扉くらい結界と一緒に斬れる。」


「・・・それが中の人達とつながってる。」



返された言葉に俺は目を見開く。



「どういうことだ?」


「・・・一階を虱潰ししてたら少し豪華な大扉の中から声が聞こえてきて、盗み聞きしたら地下の保管庫には5人の幹部に持たせた鍵を使わないと開かない。結界は防御と壊された際に逃げ出して情報が漏れないよう中の商品と繋がってる。」



話を聞いて考える。

無茶苦茶とは言い切れない。

だがそれならギータを生き餌にするとは考えづらいが、、、。



思考が二転三転してまとまらず、ふと思った。



そういえば俺は商会長の人となりを知らない。何も考えてない愚者か賢者か。もし後者なら現状は後手に回ってる可能性がある(途中乱入に後手もないけど、、、。)。


ふう、なるほど、落ち着いて考えるとどうやら大分視野が狭くなっていたようだ。



「・・・悪い、冷静じゃなかった。」


「・・・ううん、状況が状況だし仕方ないと思う。・・・そう言えば律兎は笛の音聞こえた?」



・・・笛? 耳は良い方だと自負してるがそんな音は聞いていない。となると、、、



「防音か、しかも割としっかりめだな。笛というと魔物避けか。」


「・・・うん、外でミリアが吹いたみたい。私が着いたときに律兎がまだ来てなかったから聞こえてないのかなって。」


「あぁ、それで迎えに来てくれたのか。」



どうしてスイがここに来たのかの合点がいった。笛の音は結構な音量であっても距離で必然的に減衰はする。それが防音でさらに減衰されれば聞こえなくもなるだろう。



「・・・律兎、一度戻ろう。オークションは明後日、それまでに中の人達を害する可能性は低いはず。」


「だがギータの弟はそうはいかないかもしれないだろ。」


「・・・うん、だから弟さんの安否だけ確認をお願いできない?」



あぁそうか、連れ出すのは難しくても俺が入って出ることは難しくない。

そんな簡単なことに気づかないとは俺も脳筋みたいな思考になってるな。



「お前本当に頭回るな。」


「・・・・・いや、そこまで難しい話じゃない気が、、、。」



気まずそうに逸らされた目から遠回しに頭の硬さを指摘された気がする。否定はできないので甘んじて受けるとしよう。


ただ恥ずかしいことは恥ずかしいので頭を掻いてこちらも視線をそらす。



「じゃあそうするとしますか。スイは先にミリアと合流してくれ。」


「・・・うん、って言いたいけど私も水になって入れないか確かめたい。・・・付いてく。」


「そうか? んじゃ確認してさっさとミリアのところに戻ろうか。」



とりあえずは仕切り直しだな。


ミリアが笛を吹いた理由も気になるし、一度戻れば妙案も浮かぶ気がする。森精仮面は斬られてたけど連中の物言いから殺す気はなさそうだしほっといても平気だろう。・・・てかそこまで気にするほどの間柄じゃない(後ろめたさは若干あるけどね)。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ