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短編シリーズ

戦隊ヒーローグリーン担当の独白

作者: だるは

どうもこんにちは! 戦隊ヒーローグリーン担当の緑川だ!

今日もすっかり習慣になった花屋にいって花を買って目的地に向かうぜ!


いきなりだけど皆に聞きたいんだ。正直戦隊ヒーローのグリーンってどう思う? 俺はくそダサいと思う。 


だってさ、レッドは"情熱の赤"、ブルーは"クールな青"って感じでかっこいいだろ? でも俺は"温厚な緑!"とかだぞ!?

ダサすぎる……


この前テレビで戦隊物やってて、「なんだこのヒーローダサいなw」て思いながら見てたらそれ俺だったんだぜ!?

余りにダサすぎて洗面台の鏡ずっと眺めてたよ。そりゃちびっこ達にも人気でない訳だ。


なんかイライラしてきたからレッドに愚痴でも言いまくってやる!!


 

 「よし、着いたな。」

俺は目的地に到着し、レッドのもとへ向かう。

 「お! いたいた。なあレッド、聞いてくれよー。なんかレッドと比べてグリーンってダサくない?」


レッドは答えず、黙っている。

 


 「お前、昔っからそうだよな、少し都合悪いとすぐ黙りこくってさ! 悪い癖だぜ。」



 

 「だからよ……レッド、返事してくれよ……」


そういって俺は買ってきた菊の花をレッドの墓石に供える。



 「なんで……俺なんか庇ったんだよ……」

最後の怪人との戦いの日、レッドは俺を庇って死んだ。


 「ちびっこが帰りを待ってたのは俺じゃない!! お前だったんだよ……!!」

レッドの墓に倒れ込み、嗚咽を漏らす。

 「あぁぁ……」



そのとき―――  


 「あ! グリーンだ!!」

突然声がして振り向くと、幼い少年と母親が立っていた。


 「グリーン、すっごくかっこよかったよ!! 怪人に、『やぁ!!』ってさ!!」

ちびっこが満面の笑顔で跳ね飛びながら言う。


 「私もグリーンさんを応援していたんです。生きていてくれてありがとうございます。」

母親が落ち着いて、少し赤らんだ目で言う。



涙でぐちゃぐちゃになった顔を無理やり引き締め、立ち上がり、二度とやらないと決めていたポーズをとる。



 「当然です! ヒーローですから!」



―――そのあと墓参りを追えた親子は去っていった。




 「……レッド、俺頑張ってみるよ。だって俺たちは―――」


  最高の戦隊ヒーローだから。



お読みくださりありがとうございました。

不定期に短編を投稿しております、だるはです。

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