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亡霊
私はトイレのドアを開けると直ぐに洗面台に駆け付け吐いた。吸血鬼と云えど殺すのは予想以上のストレスが溜まる。
鏡を見ると今まで殺してきた吸血鬼が亡霊となり現れる。
伽藍「お久しぶりです。葉月さん、覚えていますか」
伽藍だ。忘れてはいない。女ばかり喰い漁る非道な吸血鬼。
葉月「私が首を落とした。その感触はまだ残っている」
伽藍「絶望と殺戮のこの世界で貴女は追い詰められてゆく」
煩い煩い煩い。私は私だ。吸血鬼を皆殺しにして。私があの男を殺す。
伽藍「殺せるのか。不老不死のあの御方を」
迷う暇はない
立ち止まる暇はない
いつか必ず殺してみせる。
釜屋結愛丸。