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青白い貝

作者: 鈴木明子

また、動き出す朝の為に。

 涼しい風の吹く朝、

白いブロック塀の上から覗く、

ピンク色の薔薇。

塀の上に置かれた、

青白い2枚の貝。

朝の優しい光の中、

薔薇のとなりに、

置かれているのは何故。


 マスクの中の夏の思い出、

隠せなくなる前に、

こんな青白くひかる貝の中に、

閉じ込められたらいいのに。


 海の香りは消え去って、

薔薇の花は風に揺れて、

青白い貝を覗きこむ。


 私の夏の思い出は、

記憶の遠くに流れさり、

海の中に沈んでいった。 

こんな青空が似合う、

青白い貝には入れられない。


 家に帰って、

真っ黒な苦いコーヒーを飲んで、

私の青白い貝に入れられる、

新しい思い出を、

きっとまたつくりだす。


 私の薔薇に水をあげ、

青白い貝を探しだし、

涼しい風が吹く朝に、

揺れる花を眺めるだろう。

青白い貝を覗きこむ。


 私の薔薇の花は、

何色になるだろうか。

通り道の貝が、キラキラ光っていました。

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