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薄い氷の上の世界  作者: おすまん
第0部 もうひとつの世界で
3/30

2話

 今日の俺はグレている。当たり前だ。


 埼玉県所沢市。俺、上本 賢人はここで産まれ育った。現在は所沢総合大学の1年生。見事に小中高大と所沢をコンプリート。なにが言いたいって、俺は所沢が大好きだ。


 そんな地元愛の強い俺の趣味は野球観戦。推し球団は地元の所沢西部ライナーズ。昨年の順位は5位(6位中)。今年は現在4位。久しぶりのAクラスも夢ではない。


 だからこそ今日の試合には腹が立っている。9回裏、1点差。1アウトランナー2塁3塁。一打同点、逆転のチャンス。1塁は空いてるしゲッツーはない。ないと思っていた。


 それがゲッツーで試合終了だ。どうしてそうなるって?


 バッターがスクイズに失敗したんだ。そして3塁ランナーはホームに突っ込んでタッチアウト。バッターは鈍足過ぎて、ホームタッチアウトの後に1塁にも送球されてアウト。キレイなダブルプレーの完成だ。


 どうしてそんなクソ球団推してるかって?理由は地元の球団だから。以上。


 俄だと思われるかもしれないが自分では熱血ファンだと思ってる。毎日大学帰りに外野席で絶叫応援してるし。今日はとなりの遠路遥々福岡から来たというファンと意気投合したし。まあそういう熱血ファンと意気投合出来るんだから俺も熱血ファンでしょう。


 イライラの収まらない俺はなんどでも実況J、通称なんJを開く。


「ワイ、現地。泣く。」

「西部、弱い」

「スクイズ失敗ダブルプレーwwwwwww」


早速沢山スレが立っている。とりあえずそのスレ全てに「監督やめろや」と書いて帰路についた。今日から害悪ファンの仲間入りだね。


 「あ!外野席で隣だった方ですよね?私です。三日月です!」


ふと女性に声をかけられた。さっき話した福岡から来た熱血ファンだ。

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