異能者
僕の名前は流野宇龍一。はたから見れば、ただの一般的な高校生である。ここからは少々イタい自己紹介になるので、あしからず。
僕は右手に包帯を巻いている。この、封印されし右腕が解放された時、この世界は滅びるからだ。ちなみに今言ったことは思春期特有のいわゆる「中二病」ではない。限りなくはたから見ればそうなのだが、これは、「ガチ中二病」もっと言えば「リアル中二病」なのである。この右腕の封印が解かれた時、世界が滅亡するのは事実だし、一度壊しかけたこともある。とにかく、この右腕は僕にとって背負うべき十字架なのである。
そんなある日、登校途中だった僕にいつもの二人組が近寄ってきた。知加野と権藤である。二人は僕の天敵である。なぜなら……。
知加野「おい、今日こそはその右腕のコスプレ取ってもらうぜ」
権藤「おうよ、流野宇!早くとれよ」
当然僕はいつものように若干冗談に見えるように、
「この封印されし右腕を解放した時、世界は滅亡するんだ、それはできない」
と、イタい中二病を演じた(事実なのだが…)
しかし、ここで、予想外のアクシデントが起きた。
なんと、僕は後ろにしりぞくときに、ステンと転んでしまったのである。
するとその二人組は「しめた!」と言わんばかりに、僕の右腕の包帯を外しにかかった。
僕は心の中で(ああ、あらがえない、神様、なんでもいいから、地球が滅亡する代わりに、別のエネルギーに代替して、僕の中に宿してくれないか)と願った。
…。
すると、知加野「なんだ、もっと嫌がると思ったらそうでもなかったな」
権藤「つまんねーな」
僕はハッピーだった。「よし、これでまともな学園生活を送れる」
そして学校に着き、机に腰をおろした僕。
さわやかな教室。
(よし、これで僕も後ろめたさを感じないで楽しく平凡な学生ライフを送れる)
内心うれしくてしょうがなかった。
クラスを眺めていた僕。
…。
クラスを眺めていた僕。
「ん…?」
何か違和感があった。
「人数が…、多い!?」
クラス全体で30人程度なのだが、僕の視界には100人前後の人々がウロウロしているように見えた。
しかも、よく見ると、50代〜60代のおじさんから、40代くらいのおばちゃん、小学生くらいの子供、と多種多様な面々がみられた。
そして「え??」
僕は気が付いた
(この人たち、地に足が着いてない)
そう、この人たちは全員地面から数センチ浮いて存在していた。
そして、その中の、一人のおっさんが僕に話しかけた。
「キミ、僕が見えるのかい?」
ーー僕は全てを理解したーー
あの時、地球が滅亡するかわりに何か変わりの障害を僕に宿してくれ、と願った結果が、「幽霊が見える」というこの能力だったのだ。
そして僕の日常は、また非日常へと変わっていった。
ーーENDーー