仕事仲間
ようやくヒロイン出せた・・・
第9話目です。
マルティンとの訓練を終え、汗も流し終えた謙也は再びエルクのいる部屋に戻った。
「謙也君どうだったか、マルティンの訓練は?」
「……正直めちゃくちゃ疲れました。今すぐ寝たいというのが正直なところですね。」
「まぁ、ほんの少し前まで日本で高校生をしていたわけだからしょうがないことだな。だが、いつか慣れてもらうがな。でなければこれから厳しくなるからだ。」
「は、ハァ……」
正直まだ正確に状況を把握していない謙也はあまりピンとこないようであった。そのため返事も生返事になってしまった。
「まだ理解できないのはわかるが、せめてかは引き締めておけ。」
「は、はい!」
「ふむ、ではさっさく仕事の話と行こうか。」
エルクがそういうと、後の扉が開き、その音に反応して謙也は後ろを振り向いた。
そこには、美少女といって過言でもない女性が二人いた。
一人は170cmはあるだろう、金髪で短髪、スレンダーというのが最も正しい表現だろう。対してもう一人は160cm程の少女で決して小柄というわけではなさそうだ、しかしまだ幼さが残っている顔つきだ。しかしその顔とその真紅の髪はなかなかあっていてとても可愛らしい。
「彼女たちは?」
あまり事情を把握していない謙也は戸惑ったようにそう答えた。
「君の仕事仲間だ。彼女たちも我々と同じこの世界に連れてこられたものだ。」
「リナ・リトヴィネンゴよ。この世界に来て1〜2年ぐらいかしら。出身はイタリアね。これからよろしくね。」
明るい人柄なのだろう、口調も明るくしかし、軽いように感じない、好感を持てる人だ。
「クリスティーネ・ヴァレンティンです。…そのここには来たばかりで、よくわかっていないです。…え、えっと出身はスウェーデンです。よろしくお願いします。」
こちらは、あまり会話はあまり得意でないようだ。だが、それでもされなりにしっかりと返答できていることから、そこまで対人に恐怖を覚えているわけではないのであろう。
「俺は加藤岡謙也です。俺もここに来たばかりです。出身は日本です。」
二人に自己紹介してもらった手前、こちらもやらないわけにもいかないだろうと考え謙也も自己紹介をしたのだ。
「……人志はどうした?」
エルクがそう問いかけると、リナはさぁと言った態度で、クリスティーネは誰のことかわからないと言った風であった。謙也も無論分からず、ただ同じ日本出身であることが予測できたくらいであった。
バン!と勢いよく扉を開ける音がした。その後に驚き皆そちらの方に目をやった。
「すみません、少し遅れました。」
そこには、薄い茶髪の男がいた。謙也と同じくらいの身長で、体格も似ている。しかし彼の方がどうやら筋肉が発達しているであろうことはなんとなく察することができた。
「…遅かったな。」
エルクが少し不満げな顔で言った。
「所用で…」
男が言い訳がましくいう。
「まぁいいさ。それより彼らに挨拶を。」
どうやら本当にあまり気にしてなかったのだろう。エルクは先ほどと異なり少し明るい口調で男に自己紹介を促した。
「ええ、そうですね…、僕は金剛人志です。この世界で数ヶ月過ごしました、よろしくお願いします。ああ、出身は日本です。」
金剛という人間もやはり明るい人間なのだろう。この自己紹介で謙也はそう感じた。金剛の自己紹介を終え、再び三人は彼のために自己紹介を行なった。
「さて、随分時間を割いてしまったな。そろそろ本題に行こう。」
エルクがそう言うと、皆身構えた。
「今回はどんな仕事かしら?実戦?」
リナはそう問いかけた。
「まぁ、実戦だ。」
エルクはさらっと答えた。それに謙也とクリスティーネは少し体に力が入る。今回の仕事は危険があると悟ったためだ。
「あまり力を入れすぎると逆によくないぞ、二人とも。」
エルクはその事に気づいてか、2人に声をかける。
「そうですね…」
「は、はい!」
2人はそれに対し各々答えた。
それに満足してか、エルクは頷き今回の仕事について続きを述べた。
「皆キメラ種の大量発生については知っているか?」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
まだ少しごちゃごちゃ会話が続きますが、お付き合いください。