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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
78/80

七人の小人はこうして生まれた

さて今回は7人の小人の話になります。そのため少し過去の話となっております。

 世の中、生きる者たちは仲間や仲の良い者たちを見つけると、そのメンバーで集まるといことは特段珍しいことではないだろう。おそらく多かれ少なかれそのような行動を取って来たはずだ。しかしその中で少し珍しい光景があった。それは1人でいるということではない。1人でいるということもまた珍しいことではないと個人的に思う。では何が珍しいのかと言えば、人間、エルフ、竜人、オーク、リザードマン、ノール、獣人というそれぞれ異なった種族が集まっていたという点に関してはなかなか珍しかった。もちろん種族が違えど仲良くなるのはおかしな話ではないが、やはり偏見があるのも確かである。それに偏見が少なかろうが、こうして全員違う種族であるというのはやはり珍しかった。


 そしてある天気が良い日であった。みんなでピクニックにでも来ていたのだろうか、とても穏やかな自然豊かなところで7人はいた。そしてその内の4人がどうやら何かカードゲームをしているようであった。


「ああ!こんちくしょう!また負けちまった」


 心底悔しそうに手に持っていたカードを空中に投げ捨てるオークがいた。その者の名をグランピーという。


「グランピー、あまり大きな声を出すものではないのですよ。ドーピーが怖がっているではありませんか」


 グランピーの行動を優しい声でたしなめる人間がいた。その者の名をドッグという。


「うっ!それはすまねぇ……悪かったドーピー」


「ううん、大丈夫……少し驚いただけだから……」


 グランピーの行動で驚き、そしてグランピーの謝罪に対して気にしてないよという意味を持たせた返答をするノールがいた。その者の名をドーピーという。


「あははは、グランピー相変わらず弱いね!もう少し頑張りなよ☆」


 グランピーを笑いながらおちょくるエルフがいた。その者の名をハッピーという。


「そこまでにしておけハッピー、又グランピーと喧嘩する羽目になったら止めるのはこちらなんだ。そんな面倒なことはあまりやりたくないのでな」


 そう言ってハッピーをたしなめながら、大きな鼻を触る獣人がいた。その者の名をスニージーという。


「うるせえよスニージー、俺はそんなことで喧嘩なんぞしねぇよ!……たく、交代だ!おいスリーピー、バッシュフルそろそろお前らも混じろうぜ」


 グランピーは2人に声をかける。するとそれぞれ順に返答が返って来た。


「う〜ん?僕はまだ眠いからいいや……ここ心地良いんだよね〜」


 そう言って眠たげにグランピーの誘いを断るリザードマンがいた。その者の名をスリーピーという。


「俺はここで本を読んでいる最中だからいいよ」


 そしてこちらもやはりグランピーの誘いを断る竜人がいた。その者の名をバッシュフルという。


 そう彼らこそ謙也たちと敵対関係にある7人の小人であった。しかし厳密にはまだ7人の小人と言われる前の光景であった。彼らは元々ただ仲の良い集まりであった。それぞれ性格が異なるがドッグとスニージーはいわゆる保護者的立ち位置であり、2人は他のメンバーの関係を良い状況に保っていた。だからこそこうして仲良くいられるのだろう。もちろんそれは喧嘩などした時の仲裁などであって、全員嫌い合っているということなどは決してなかった。ただ時に性格の不一致で喧嘩が発生するとしても、喧嘩別れがないように2人は努めていたのだ。


 ただそれだけの集まりであった。先ほども言った通り確かに種族が全員バラバラに集まっているのはなかなか珍しいことなのだが、それだけなのだ。一般市民間では珍しいなと思われるかもしれないが、だからと言って例えば軍事、政治などの世界で注目されるということなど決してありえなかった。彼らは全員普通に暮らしていたのだから。


 だが、そのような日々が突如として終わることとなる出来事があった。それは2人の怪しい者たちに出会ったということであった。ただそれだけであった。しかし彼らの運命が変わるには十分であったのだ。


「あの7人なかなか良い素材だよ?どうだい彼らを使ったら面白いかもしれないよ?」


 そのうちの1人は楽しげにもう一方にそう告げる。


「なるほど、彼らが私の実験に適材する者たちか……よろしい!ならば彼らを採用するとしよう」


 そしてもう一方はその助言を受け入れにこやかに7人に近づいてきた。


「おいなんだお前らは!あっち行けよ」


 どうやらグランピーはその2人の存在に気づいたようだ。そしてその不気味な雰囲気も……だからすぐに彼らにそのように怒鳴ったのだろう。他のメンバーもグランピーのおかげで2人の存在に気づけたようだ。そして彼らもまた2人の不気味な雰囲気に気づき、ほんの少し後ろに下がった。


「それじゃあ、頼んでいいかな?()()


「もちろんいいさ、()()()()()


 そのような会話後、7人の周辺は暗闇に包まれる。何が起こったのかわからなかった。そしてそれを分析することもこれから何が起こるのかという予想も許されることなく、意識がプツリと途切れた。まるで人形のようにその場に倒れ込んだのだ。


 そしてその様子を2人はただニヤニヤと見つめていた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。彼らはもともとただの一般人でした。しかしその運命は変えられたのです。もちろん道化によって、そういう意味では彼らも被害者なのでしょう。

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