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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
71/80

始まりを迎える騒動

今回はエルク視点です。ようやくこの章も話が大きく進んだ気がします。さあここから一気にいきたいと考えております。ではどうぞ!

 コールス島、リーベ王国が持つ領土の一つで、その周辺は綺麗な海で囲まれている。しかしここはリゾート施設ではなく、民間人は基本立ち入ることができない場所となっている。その理由はこの島に軍事装備が置かれていることが最もな理由だろう。ただここが軍事施設かというとそうでもない。なんとも定義が難しいところである。


 そんなコールス島の管理を任されている人物こそが、エルク・マジソンなのである。それゆえ彼が基本的に自由にこの島を扱うことができる。管理を任されているというよりは権利を与えてもらったという方がしっくりくるかもしれない。


 そしてそこに謙也やクリスティーネなど、転移者が全員揃っていた。全員その顔から緊張が見て取れた。そのことからこれから何か重要なことがあるということは容易に推測できる。


 なぜ彼らがこうも緊張しているのかというと、それはこれからセルゲイが、コールス島にある施設『トータルロック』にて、ネットを通じて先日オルソが手に入れた情報を流そうとしているからだ。もちろんこのことは誰にも漏らしてはいない。しかし七人の小人、オルトゥーナ民主王国、ガント人民共和国それぞれがその情報が盗まれたことはとっくに理解している。ならば何かしら対策を打ってくるに違いないからだ。


(何より、向こうに今回も道化がいるとなると……この場所をどうにか見つけ出し、向こうに伝えている可能性がある)


 エルクの頭の中にはその懸念があった。そして道化こそ今回最も警戒しなければならないのだ。エルクは耳に手を当て、情報端末を起動させる。


「全員配置についたか?2時間後、セルゲイ先生による公表が始まる。これは何がなんでも無事に終えなければならない。決して気を抜くな」


「はい」


「了解です」


「わかりました!」


「わかったわ」


「承知しました」


「了解」


 謙也、人志、クリスティーネ、リナ、オーレリー、オルソの順で返事が聞こえてくる。それを聞いてエルクは少しばかり安心した。


(全員浮き足立っていない。この事実が最も安心させてくれる。この場に警備としてヤークトフントとフレーダマオスを20数体配置しているが、そいつらの警護なんかとは比べ物にならないぐらいの安心感だ)


 エルクは普段そのようなことは口にすることは性格上決してないが、彼は彼らのことをしっかりと信頼しているのだ。そしてリーダー的立場として彼らのことを常に気にかけている。


「エルク殿」


 後ろから声が聞こえる。その声の主はセルゲイであった。


「何から何まで協力感謝します。あなた方の協力がなければ私は何もできなかったでしょう」


 そう言いセルゲイは頭を下げる。


「我々もセルゲイ先生、あなたと同じ考えがあるのです。だから協力したまでです。気になさることはない」


 エルクは敢えてそのように言い切る。少し冷たい言い方があったがセルゲイは気にすることもなく、むしろ気を使ってくれたのだろうと解釈した。


「しかし、悔しいのは自国でこれを行えなかったことです。奴らは私を殺しにくるでしょうからね。そして何より、私がオルトゥーナにいなくとも、向こうがそのことをわかっていても1%でもそこにいるなら確実に騒動を起こす気でいるということ。つまり私は遠く離れたところでそのことを見ているだけしかできない。……それが何より悔しいのだ!」


 思わず最後の方声が荒げてしまうセルゲイ、エルクはそれをじっと聞いていた。


「だからこそそれを受け入れ、背負い、前に進まなければならないのですよセルゲイ先生。だれかが傷ついている事実に胸を痛め、己の無力を知った時、それは我々が前に進まなければならないということを示しているものなのだから」


「!」


 エルクの言葉を聞いて先ほどまで地面に目を向けていたセルゲイがまっすぐとエルクの方を見る。


「確かにその通りですな。失礼しました見苦しいところをお見せして、もう大丈夫です。わたしは自分のところへ戻ります」


 セルゲイはそう伝え、その場を後にした。


「さあくるなら来い!」


 エルクは珍しく、少し声を張ってそう言う。


「ならばそうしようかな?」


 ーー後ろから声が聞こえた。セルゲイではない、彼は先ほど元のところへ戻ったところだ。何より声が違う。


(この声は……)


 エルクがこの声を聞き間違えることはなかった。彼にとって、いや彼らにとってその声は決して忘れることのできない声なのだから。


「やあ久しぶりだね〜、エルク。どう元気にしてた?」


「道化……、やはり来たか」


 おちゃらけた表情でエルクを挑発するような口調で彼の目の前に立ったのは、道化であった。そしてこの場に道化が現れたということは、これから彼らにとって試練が待ち構えているということ、いやもう始まったということを示すものであった。

さあいよいよ道化がしっかりと登場しました。そしてこれまでのことから道化が何もしないというわけがないです。かといって全力で妨害するということでもありません。彼は一体何を考えているのでしょうか?


明日も18時に投稿予定ですのでお楽しみに!

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