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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
70/80

番外編 謙也と人志とドラゴン2

 リトルアイスドラゴンは、リトルとつくことから想像できることから、アイスドラゴンの子供である。そのため体も親の半分ほどである。尤も2mは超えるが。そのドラゴンは氷を得意とし、クリスが扱うコールドブレスなどももちろん使える。そして身体中が氷で覆われており、それにより防御を固めているのである。


 そして謙也と人志はそのドラゴン2体をそれぞれ相手することとなった。


「うおおおおお!」


 謙也は叫びながら走る。その後ろには興奮したリトルアイスドラゴンが追いかけてくる。謙也はそれに追いつかれまいと必死に走る。しかしドラゴンは逃す気がないのだろう。ドラゴンはその口の近くに、氷の針を6つ生み出す。『ニードルアイス』という魔法だ。『アイスオブスピア』よりも威力は低いが、それでもやはり生身で食らえばタダでは済まないし、威力が低い分多くの針を生み出せるという利点がある。


 その氷の針が一斉に謙也を襲う。


「ゲッ!マジかよ……」


 謙也はすぐに童子切安綱を右手に生み出し、全力で刀を振るう。さらに魔法『インプルーブメント』

 で身体を向上させ、対応する。


(このまま跳ね返してやる!)


 そう考え氷の針の一つを風の力で軌道を変え、ドラゴンにぶつけようと考える。しかし軌道をそらすことはできたものの、それは90度曲がった程度で、リトルアイスドラゴンには当たらず、氷の針はあさっての方向へ飛んでいった。


 しかもそれにより空きができてしまい、その隙をドラゴンは利用し、「コールドブレス』を放つ。それに対して、謙也は到底避けることはできないし、その考えが失っていたので、とっさに『アーマオブロック』で耐えようと試みるが、人志やクリスティーネなら防げたかもしれないが、魔法に関しては最も不慣れな謙也ではコールドブレスを防ぐこたができなかった。


 謙也の足から次第に凍りついていく。


(や、やばい……)


 謙也に焦りが見え始める。そのためまともな判断が次第にできなくなっていく。テロ組織の侵入の際のも感じたが、その時はまだ他の人に守られていたこともあってまだ心に余裕がどこかにあった。しかしいまは自分1人であった。それゆえにここまで平常心がなくなるのは初めてであった。


(どうする?俺はどうしたらいいんだ……)


 ただただ焦るだけであった。自体は何もよくなってないはおろか、さらに体が凍りついてくる文自体は悪化していると言えるだろう。そんな中声が聞こえてきた。


「おい、謙也。落ち着け」


 突如マルティンの声が聞こえてきたのだ。それは謙也の右耳につけていた音声型情報端末から聞こえてきた。


「落ち着けって……」


 そんなことを言う前に助けろと言うニュアンスも含めて謙也はそういった。


「一度命の危機から逃れてみせろ!そのまま行ったらお前は死ぬ!そうならぬ前にお前自身の力を持って切り抜けてみせろ!そのためにまず落ち着け」


 はっきりとマルティンにそう告げられた。その言葉からマルティンの助けはまず期待できない。勿論人志もだ。となるとやはり自分自身の力で切り抜けるしかない。


(まだ死にたくない!)


 その思いが良かったのか、不思議と思考が、平常心が戻ってくる。少しずつ生きるために、抗うために謙也は進んで行く。


 謙也は手始めに魔法に意識を集中する。焦りにより注意が散漫になり、ただでさえ魔法が不得手なのにそれがより悪くしてしまっているからだ。コールドブレスにより凍りつく速度が次第に遅くなり、ついにはそれが止まる。今完全にコールドブレスを防いでいるのだ。とはいえ、先ほど凍りついてしまった分が溶けるというわけにはいかず。やはりその分謙也にとってよろしくないものであった。


 ドラゴンはコールドブレスを継続してはなったためか、少し疲れてしまい中止した。その隙が絶好のチャンスであった。謙也は全力でこの凍りついた足腰を溶かそうと試みる。


「『ニードルフレイム』」


 謙也は足腰に炎の針を放ち溶かすことを試みた。それにより確かに溶けてきてはいるが、どうやらそれまでの時間がないようだ。ほんの一息の休憩を得たリトルアイスドラゴンは再び6つの氷の針を生み出し、謙也を攻撃する準備をする。あと2秒もすればそれらが謙也に向かって放たれるだろう。


「うおおおおおおおおお!」


 先ほどの叫びのように情けない感じはなく、力強く叫ぶ。それは決して諦めはしないという意思の表れの叫びであった。


 しかしその意思とは関係なく氷の針は謙也に向かって飛んでくる。そしてその氷の針により謙也がいた周辺が凍りつく。しかし謙也はその場にいなかった。


 謙也は上空にいた。しかも謙也の右手だけでなく左手にも刀を持っていた。


 ーーー炎の力を宿す『三日月宗近』である。


 謙也はあの直前に火事場の馬鹿力的なものが働いたのか、自身が持つ眠っていた力のひとつが開花したようだ。その力ーー三日月宗近の炎の力を使い、一瞬で己の足腰の氷を溶かし、童子切安綱の風の力で上空へ飛び難を逃れたのである。


 リトルアイスドラゴンは今の氷の針で完全に倒したと思っていたために、謙也を完全に視界から逃してしまった。そのためにドラゴンは辺りを見渡すが見つからない。当然である謙也はそれより上空にいるのだから。そして謙也はそのまま上空から三日月宗近を構え、リトルアイスドラゴンのところへ落下していく。


 そしてその落下による力を利用して炎の力を宿した三日月宗近で真っ二つにする。その一撃で十分であった。リトルアイスドラゴンはそのまま炎に包まれその身を焼き尽くされていく。そしてその炎は焼き尽くすまで消えなかった。


「ハァハァ」


 流石に謙也は疲れたのか息を荒げる。そこに一部始終を見ていたマルティンが近づいてきてただ一言こういった。


「お疲れ!」


 マルティンは右親指を立てた。謙也もそれに応えるように親指を立てたのであった。

さてとりあえずこんなところですかね。謙也以外にも、クリスティーネなどの番外編も近く投稿していく予定です。

明日は普通に本編に戻ると思います。

明日の投稿は18時です。お楽しみに!

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