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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
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番外編 謙也と人志とドラゴン

少し番外編を出してみました。

 これはニコとの戦闘が始まる少し前の出来事である。謙也たちには少しの間休暇を与えられていた。謙也はその時間を使ってこの世界のことを肌で感じるために、リーベの首都ミッドロイドに出向いたりしていたが、今日なぜか人志に呼び出されてあれよあれよと言う間に車に乗せられてしまった。


「いや〜、今回は俺とお前だな。野郎2人だと、なんか気が入らないよな〜」


 人志はそう呟くのに対して、謙也はこの世界にきてエルクからもらった情報端末をのぼっているだけであった。


「……なんか反応してくれない?」


 予想外に何も反応してこなかった謙也に対して少し寂しそうな顔をする人志。


「いや、なんかいちいち反応する必要もないとリナさんからも言われているので、まぁいいかなっと」


 謙也は悪びれることもなく人志に対してそう告げる。


「そんなことを言っていたのかリナさんは……、最初の頃は礼儀正しいやつなのかなと思ったり思わなかったりしたのだがなぁ……」


「なんですか?その曖昧な評価は……、そんなことよりもどこに向かっているのですか?あまり触れませんでしたが、この前の乗り物以上になんか頑丈な気がするのですがこの車……」


 謙也がずっと気になっていたことを人志に投げかける。すると人志はあぁと反応して、少し間を置いてから話し始めた。


「言ってなかったな、今向かってるのは訓練に近いものだ、習慣的に体を動かさないとダメだからな!」


「……今休暇中では?」


「休暇中でもそりゃこのようなことはあるぜ、ずっと休んでいるわけにもいかないだろう?」


「……」


 謙也は騙されたと言った表情をしているが、先ほどの仕返しなのか人志はそのことを無視する。


「そんで今向かっているのはドラゴンがいるところだ。そいつを退治した後そいつをさばいてもらって肉を焼くんだ。うまいぞ〜、ドラゴンは動きまくっているからな筋肉も発達していて、赤みが最高だ!」


 人志はその味を思い出しているのか、少しよだれが出ているようだ。しかし謙也はそれ以上に無視できない情報があった。


「ドラゴンですって?それってやばい感じではないですよね」


 正直道化のせいか手に入れたこの世界の知識を辿るとドラゴンに関する情報もある。そこから調べていくとどう考えても、出会ったらすぐに逃げる対象となるものだ。謙也たちが元いた世界の感覚でいると、至近距離で熊に襲われている状況に近いかもしれない。


「大丈夫、ドラゴンといっても大して強くない、リトルアイスドラゴンという、アイスドラゴンの子供だよ。最近そいつがこの辺をうろちょろしているらしくてな、危険だから駆除しないといけないらしいからついでに訓練に入れちゃおうという話になったのだよ」


「今、危険って言いましたよね?ということはそれなりにやばいんじゃないですか!というか誰とそういう話になったのですか!」


 つい声を荒げてそう問いただす謙也に前方、運転席から反応があった。


「そりゃ、俺とだよ」


 そうケラケラと笑いながら答えたのは初めて謙也が訓練をした時の相手となった人物、マルティンであった。


「そろそろなんか良い刺激になる訓練がないかと探していたらちょうどいいところにドラゴンがあわられたからつい」


 あっけらかんとそう答えるマルティンに対し、なんとも言えない表情をする謙也。初めて訓練をしてくれてからも継続的に色々と教えてもらい、それなりに力をつけ、少し自信がついている謙也は、その分マルティンに感謝しているのであまり強く出れなかった。


「まぁ、大丈夫さ。いざとなったら俺が援護に回ってやるからよ。俺もはじめはビビったが一回やったらそれなりに自信もつくし良い経験となるぜ!」


 人志はそう謙也を励ます。


「やばくなったら援護に回るということは、もしかして俺1人でそのドラゴンをやれと?」


 少し泣きそうになりながら謙也は人志に聞く。


「そりゃそうだ。なんせお前のための訓練だからな!今まで培ったものを今発揮する時だぜ!」


 謙也の問いにマルティンが人志の代わりに答える。その答えは謙也にとって望ましいものではなかったが……


「まぁ、それに先ほども言ったが人志も自分の退治が終わり次第お前の援護をしてくれるし、俺もいるから大丈夫だ。これからさらに力をつけないと死ぬことだってあるのだからな……」


 マルティンは急に真面目な口調で謙也にそう警告する。それに対し、謙也も緊張が高まる。


(確かに、いまの俺では実力不足なのはわかっていることだ。それによってどんな悲劇が起こってしまうのかもわからないし、わかりたくない。ならば、やるしかないか……)


 謙也がそう決意しようとしている隣で、間抜けな面をした人志がいた。


「……俺もなんかやるのですか?」


 全く聞いていなかったのだろう、予想外の言葉がマルティンから発せられてどう反応していいかわからないと言った風であった。


「何を言っているんだ?リトルアイスドラゴンが出現したと言ったが何も一体だけとは言ってないだろう?出たのは二体だ」


 マジかよとと言わんばかりなリアクションを取り、顔を地面に向ける人志。


「お前も鍛えとく必要があるだろ?ちゃんとしっかり倒してこい。お前ならそうやられることもない、先輩らしくしっかり倒せよ!」


 マルティンはただそう告げて、前に集中する。先ほどまでは単調な道であったのが、少し複雑になるから運転に集中したいのだろう。


「ということだ、まぁお互い頑張ろうぜ……」


「は、はぁ」


 謙也はただそう返すしかできなかった。

次回も番外編を出すか少し考え中ですが、まあ次回も出すと思います。話が途中ですからね。

これからもちょいちょいそう言った話を出していこうと思います。もちろん番外編ですので、本編とあまり関わりのない話ですので、そこではキャラクターにも焦点を当てていけたらと思います。

次回もよろしくお願いします。

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