オルソ・プラモットン2
オルソ・プラモットン、彼はただただひたすらに息を潜めていた。そう彼が産み出した分身は五人であった。彼は分身を生み出し、全員がその分身に注意がいったと見るや否や、すぐに自分の認識を阻害し、グランピー達、そしてヤークトフントの集団の認識から外れたのだ。そして彼は待った。タグランピー達がヤークトフントの集団を潰してくれることを、普通にやり合えばあの人数比を考えればかなり厳しいものがあったからだ。そして案の定彼らは見事に潰してくれた。正直2〜3体は残るだろうとオルソ自身覚悟していたのだが、それも残らなかった。
そして最後の分身を消された時、今こそ己が動く時だとオルソは判断したのだ。今なら確実に一匹仕留められるという確信があったからだ。
そしてオルソは凄まじい速度でグランピーに近づき己の拳を叩き込む。オルソはギューゲスの指輪以外基本武器を所持しておらず、戦闘時は体術がメインである。それは時場所状況によっては武器を持てない時が結構頻繁にあり、それに頼るわけにいかないからだ。
だから彼は体術に関しては転移者の中で最も上級に位置する。そして魔法もまたそれに合わせた魔法が多い、特に身体向上系統はかなり得意である。その拳がグランピーの上半身に風穴をあけるはずであった。しかしいち早く何かに気づいたドーピーがグランピーを助け、己が身代わりとなった。おそらく彼のことを認識できたというわけではないのだろう。ただなんとなく嫌な予感がしたという理由での行動だろう。
(なかなか勘がいい奴だな。おどおどしていていかにも鈍そうであったのに、しかしそういう奴は先にやれたという意味では幸運であっただろうな。グランピーの方がよほどやりやすいしな)
オルソは冷静にそう判断して、少々イレギュラーがあったが自分にとって好都合な方向に進んでいることを評価した。
「ドーピー……」
常に笑顔が絶えなかったハッピーが声を震わせながらただ一言そう呟く。そこには悲しみの感情が見て取れた。グランピーもまた悲しみに支配されているのだろう。怒りよりもまずその感情が出てしまったのだろう。
オルソはしかし彼らが悲しんでいる暇を与えてやることなど全くない。戦場である以上、そんな光景なんかいつも見ることであるからだ。
オルソはグランピーの頭に己の蹴りを全力で食らわせる。もちろんその頭を吹き飛ばす気ではなった。しかしわかりやすい性格ではあるが、グランピー自身己の体が武器であるため、その扱いにも長けている。だから瞬時に、おそらく反射的にその衝撃をいなした。もちろん完璧ではないため、後ろへ吹っ飛ぶその痛みに顔を歪める。
「テメェ、ドーピーをやったばかりでなく卑怯な真似を……」
しかしオルソはそのようなことは一切気にせず追撃の準備をする。それに反応したのはハッピーであった。
グランピーの近くいたハッピーは必然的にオルソとも距離が近いということになる。少なくともハッピーを中心に半径5mの範囲にいる。ということはハッピーの射程圏内である。
すぐにハッピーは『ダンスブレード』を行使し、周囲に白い刃を生み出し、今度こそオルソを切り刻むべく襲いかかる。それに対してオルソは『アーマオブロック』で体全身の強度を高める。そして『インプルーブメント』で身体能力を向上する。そして己の右拳でその不規則に動く白い刃をいくつか叩き割り、ハッピーの顔面にその拳を向ける。
しかし横から邪魔が入ったようだ。体制を立て直したグランピーが素早い動きでオルソの懐まで入り込み、その腹に拳を叩き込む。その威力は凄まじいものでオルソの身体は吹き飛ぶ、しかし地面に叩きつけられ転がるようなことはなく、綺麗に着地してみせる。その表情は涼しげであった。
「……今の攻撃を受けてあの表情かよ。かなり出来るみてぇだな」
グランピーはオルソの評価を改めたようだ。しかしオルソ自身あまり余裕はない。
(こういう時でも癖で余裕の表情は崩さないが、今のはかなり効いたな……かなりうまくいなしてみせたつもりだったんだが……)
ドーピーは作戦場うまくいって殺すことができたがやはり真正面から戦うにはこの2人はなかなかきついものがあたった。
(できるなら今ここでこいつらを始末したほうがいいが……それは難しそうだな。となると今はここをさることを優先するか……2対1なら逃げることは可能だしな)
オルソの次なる行動は決まった。しかし2人とてそう簡単にオルソの望むようなことをさせてはくれないだろう。
(さぁ、行くか!)
オルソは力一杯足でその硬い大地を蹴った。
なんてことだまだ終わらなかった……、というわけでまだオルソの戦闘描写は続きますね。まぁ流石に次回で終わると思いますけどね……
やはり戦闘描写は書いていると、どう戦おうか凄く悩みますよね。オルソの持つ武器もまだちゃんと使えてないですし、これをもっと応用させて使おうと思うのでその辺も楽しみにしていただけたらと思います。
それと、よくよく考えたら私はまだこの話でちゃんとした番外編なるものを書いていなかったように思うので、近いうちにどこかで入れようかなぁと思いますのでそのあたりもお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!あしたも『18時』に投稿予定ですのでお楽しみに!




