ギュゲースの指輪2
一般的な部屋の作りを意図的にしているせいなのか、部屋数もあまりなく調べるのはそれほど大変なことではなかった。
オルソは俗に言うリビングスペースを隅々まで調べ終えたところであった。
(色々と探った結果わかったのはこいつらが、ジブラスク周辺でいくつかテロ行為をする場所を決めているということか……そしてそのポイントはどこもセルゲイが通るまたはその住まいの近くか……ただ幸いなことに今セルゲイは拠点を転々と変えているためそこに仕掛けても無駄だということだな。向こうもそれをわかっているからやってこないだろうがな……一度しくじっている以上、次もしくじればそれこそ奴ら自身ただでは済まないだろうしな…)
などオルソは分析しながらも再び辺りを探索する。するとオルソはとても興味深い部屋を見つける。
(ドッグの部屋?)
それは一見なんの変哲も無い部屋だが、この建物ドアにつけられていたセキュリティ的に強固な鍵がこの部屋にも取り付けられていた。それだけではく、その下にカーペットが敷かれているのだが、その下に錠剤らしきものが隠されていた。おそらく誰かが入り込んだらわかるようにしているのだろう。
(アナログ的だが、しかしこのようなことはなかなか効果的でもある……。だが、このドッグという奴相当この部屋に入られたく無いようだな。となると相当何か見られるとヤバいものがあるのか)
オルソは好奇心がそそられてきたようで、少し嬉しそうであった。
(ならば侵入するしか無いな)
そう言いそのカーペットの下に隠されていた錠剤や他にも何かしら入った形跡を残すためのものがあるはずだからそれら全てに気を使いながら、ギューゲスの指輪を持って、ドッグの部屋に侵入する。
その部屋には多くの書籍が積み重ねておかれていた。そしてなかなか高価なコンピュータなどもある。おそらくドッグというものは相当勉強家なのだろう。それは開かれていた本などを見ればわかる話であった。
「……」
オルソはドッグのパソコンへログインする。そこには様々な資料などがあった。部屋の汚さとは変わってその中はかなり整頓されておりとても分かり易かった。しかしある一つだけとてつもなくわかりにくいとこにあり、何重にもパスワードを要求されるものがあった。オルソはそれを一つ一つ攻略していき、ついにその中身を見にすることになる。
(『GO』?なんの資料だ?……なるほど)
ニヤリっとオルソは笑う。ようやくおめあてのものを見つけることができた。その『GO』と言われる資料にはガント、オルトゥーナ、七人の小人の協力し、今回の騒動を起こしていくことに関して書かれた資料であった。
(ガントはバーレバイジャンの実質的な支配および、ブルーンにも一定程度影響力を行使できるよう要求する代わりに、軍の一部、主にキメラや小型マシーン歩行型ヤークトフントや飛行型フレーダマオスなどを提供し、騒動を大きくして戦争状態にさせる。オルトゥーナは資金提供と戦時においての軍の提供そしてガントが不法に戦争状態にしたことを秘密にし、その代わり国際的地位を高めることに協力する…か、ここには七人の小人は対して協力する程度にしか書かれていないが、まぁそれはどうでも良い。肝心なのはこの両国の密約なのだから)
すぐにオルソは自身の端末とつなぎ合わせこの情報は盗む。それはものの数秒で完了した。そして自動的にエルクへとその情報は送られる。本来セルゲイにも送りたいが、自分の端末をみせたくもなく、色々と面倒なため辞めておいた。
(さてとりあえずズラかろうとするか)
そう判断し、その部屋を後にした。そして廊下を歩いているとふと窓の外を覗いた。そこにはヤークトフント、フレーダマオスなどが巡回していた。そこに違和感しかなかった。
(……おかしい、こんななんの変哲も無いところに軍用マシーンが配置されるなんてことはまず無い。……俺が侵入したことがバレた?いや、認識阻害をしている以上俺が何かしらミスをしないとバレることはない)
ではなぜ?という疑問が頭の中を支配する。
「それは僕がバラしたからだよ?オルソ君」
後ろから声がした、そしてその声はとても聞き覚えがあるものであった。
「道化……」
そこにはオルソたちにとっては最悪の相手である道化がいた。
「僕はここのドッグという小人と友達でね。彼に教えてあげたんだ今君の保管している重要な情報が盗まれているよって、そしてらすぐにここまで飛んできたんだよ。軍事マシーンを連れてね。本当は盗む前に教えてもよかったんだけどそれじゃあ面白くないだろう?だからこのタイミングは最高に面白いよ」
そういうと大声で笑う道化。しかしオルソはとても笑えなかった。
「ということは今侵入しているのがバレているということか……」
「そうだね、だから君のギュゲースの指輪による認識阻害も意味をなさないね。なんせここに侵入者がいるなら全員それに注目するからね」
なんということだっとオルソは歯ぎしりをする。
(こいつのせいで今まさに窮地に立たされているということか……、だいたいなんでこいつは俺の存在に気づいたのだ)
そう心で悪態をつくがそれに関して考えている時間もないのもまた事実
「早く逃げたほうがいいよ?なんせあたりはあの小型マシーンで埋れているからね、まぁ機械は認識阻害をしやすいからここを出たらそれを行使して逃げれるんじゃない。最もここの住民はそうはいかないだろうけね」
ニヤリと笑いながらそうオルソに助言する道化
「ちくしょうが」
そう叫ぶと同時にオルソは窓を開けて外へ出る。窓を開けたのは特殊な窓で体当たりなどでは到底破壊できる代物ではないこと、そして窓が割れるなんてしたらそちらに注意が向いてしまうからだ。
外へ出るとオルソはまっすぐ走るが、その前方に大きな衝撃が走った。その瞬間オルソは急ブレーキをかけ、ギリギリ直撃することはなかった。そしてその地面にクレーターができていた。そしてそれを作ったはプリンスタワーでセルゲイたちを襲ったグランピーであった。
「ああ!ちくしょうめもう少しで直撃すると思ったのに残念だ」
グランピーはわかりやすく悔しがる。すると上空から声が聞こえる。おそらくグランピーもあれに乗っていたのだろう。
「グランピー、ハッピーとドーピーに協力してもらいそこの侵入者を確実に始末しなさい。私はアーノルド事務次官様のところに報告をしに行きますので」
「ああわかっているよドッグ。おいハッピー、ドーピー準備はいいか!」
グランピーの問いかけに応えるように元気良く飛び出してくるハッピー、そしてそれに遅れないようにとついてくるドーピーがいた。
「もちろん大丈夫だよ。しっかり殺すからね」
「うん、怖いけど。その人悪い人だものね……悪い人は虐殺しないといけないもんね…」
「そうそうドーピーちゃんと理解しているじゃない。あとで私と一緒にこいつで遊びましょうね☆」
なんとも恐ろしい会話をしている二人であった。
(そこの暴れん坊の方がまだマシに見えるぞ……)
オルソは思わずそう思ってしまった。
(しかし、これはもう覚悟を決めるしかないか……、あまり銭湯なんかやりたくないんだが……)
そう愚痴をこぼすオルソ
「だが、ここで死ぬわけにもいかん!」
なんとしてでも切り抜けてみせる。そう決意を固めるのであった。
さて次からはオルソVS七人の小人のグランピー、ハッピー、ドーピーとなっております。オルソのギューゲスの指輪を駆使しながら戦っていく予定ですお楽しみに
明日も18時に投稿予定です




