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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
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オーレリー・デルマー

もう少し戦闘描写をお楽しみください。

 ウォントドラゴンを謙也と人志で相手している間。国際軍の人間は市民の誘導を優先していた。もともとそのように人権が侵害される事態が起きた時などに動くのが非常に多いのである。そしてこのような自体に対する経験が多いため、その動きは全員迅速そのものである。しかしウォントドラゴン以外にもフレイムジラーフ、スケルトンスネークなども紛れ込み、そいつらが市民を襲う。ある意味こちらの方が厄介であった。


(なぜあれほど厳重に警備をして起きながらこのようなことが?)


 オーレリーはこの国に入国する際見たあの大規模な軍隊などを思い出しながら、疑問を持つ。あれほどの軍隊を持っていたら、ウォントドラゴンならいきなり空から来られたらという理由でまだ納得できるが、フレイムジラーフ、スケルトンスネークなどは市民にとっては脅威ではあるが、軍隊なら奴らを駆除するのは朝飯前のはずだ。それぐらいできないなら国を守るということなど到底できるわけがない。


(となれば()()()()()()()()()()()()()?しかし誰が?駆除ならともかく大型のキメラを引き連れることができるのなんてそういるはずがない、しかもそう考えるならウォントドラゴンまでも連れてきたということになる。ただでさえ躾けることが難しい大型キメラやドラゴンを躾け、あの厳重な防御網を突破した?)


 到底考えられない理論である。そのようなことは不可能であるとその考えを捨てるべきかとも思えた。しかしオーレリーはそれが可能とする者の存在を知っていた。


(まさかあの道化が……?)


 そのような回答に至る。自分たちをこのような世界に連れてきた張本人だ。そのようなことができる者ならドラゴンたちをこの国に引き連れることも可能かもしれない。


(しかもあの道化ならただ面白そうだったからという理由だけでそのようなことをやりかねない)


 道化はそのようなことをやる動機もあった。彼女からしたら到底理解できない動機だが……


 オーレリーは手に力を入れ、彼女の綺麗な爪が深くその皮膚に刺さる。道化のことを考えて、無意識に苛立ちが募ってしまったのだろう。


「こちらの誘導はおそらく問題なさそうですが、どうやら反対方向で少し厄介なキメラがいるそうです」


 その言葉を聞いてオーレリーはハッと我に帰る。そしていま自分がやるべきことに頭を切り替える。


「わかったわ。なら私はそちらに向かう。この場は任せるわ」


 そう伝えるとすぐにオーレリーはその現場に向かう。

 ーーーーーーー

 オーレリーが駆けつけると、すぐに市民たちの死体が目に入る。


「……」


 やはり無関係の者たちが殺されていくのを見るのはなれるものでななかった。しかしそれを気にしているわけにもいかない。すぐにその元凶の方へ視線を向ける。


 そこには獰猛な5匹の狼と1匹の馬がいた。


 ーーーーーソルジャールーとホーリーロシャーチだ


 ソルジャールーは1匹1匹が高い戦闘能力を持ち、その牙はどんな生き物でも食い殺すとされているものだ。しかも1匹でも一般市民であればすぐに逃げ出さなければ食い殺される可能性が高いのに、基本的にソルジャールーは集団で行動する。そうなるとフレイムジラーフなどの大型キメラでも食い殺されることも多いのだ。


 ホーリーロシャーチもかなり凶暴なキメラだ。その全長は3mあり、その巨大な体にも関わらず凄まじい速度で走り回る。そして馬は草食動物だと考えていたが、このホーリーロシャーチは肉食、喜んで人、エルフ、特にオークなどを好んで襲う特性がある。事実ホーリーロシャーチはいまその大きな口にオークの腕と思われるものを美味しそうに食べている。


「なるほど、これは手こずるわけね。しかもいま空にウォントドラゴンが暴れ、その被害から逃れるために人員は向こうに割いてしまっていることがより今状況を作ってしまったということね」


 それだけ確認すれば、オーレリーは自分がやることを理解し、近くにいた同じ国際軍の人間に告げる。


「あなた達はあくまでも市民の命を優先してちょうだい。アレらは私がやるは」


「し、しかし……それは……」


 それだけ言うとオーレリーはそのまま真っ直ぐとキメラ達のところへと向かう。同じ仲間の言い澱むことなど一切気にしなかった。それを見て話しても仕方ないと悟ったのかすぐに市民の誘導に他の者達を連れ、行い始める。


「さていくわよ!」


 今までゆったりと歩いていたのをやめ、一気に速度をあげてキメラ達に向かう。もちろんそれによりオーレリーの存在がキメラ達にも認識される。そして獲物が向こうから来たとばかりに威勢良くソルジャールーは襲いかかる。その牙はオーレリーの両手、両足に狙いが定まっている。そして最後の1匹はその胸に、確実に仕留めようとする意思がそこにはあった。


 しかしキメラ達がオーレリーの肉体にその牙を貫くことはできなかった。彼女のきていた服が変わっていた。いかにもきこごちの良さそうな上品な服から一転、かつての英雄がまとっていたのではと思う見事な鎧に変わっていたのだ。そうキメラ達の牙はその銀色に綺麗に輝く鎧により、完璧に防がれたのだ。しかもその鎧に一切の傷はない。


 ーーアキレウスの鎧 彼女が持つ最強の鎧だ。あらゆる攻撃から守り、毒に対しては完全な耐性がある。さらに身体能力も飛躍的に向上する。また水魔法に関して複雑に操ることもできる。装着者のレベルが上がれば上がるほどその効果も絶大だ。ただリナの持つアイアスの盾みたいに全ての攻撃を完全に防ぐなどはできない。やはりある程度魔法による攻撃も受けてしまう。さらに体力も通常より使うのだ。


(正直まだ()()()みたいにうまく使いこなせていないけど、ソルジャールーの牙を防ぐ事ぐらいどおってないわね)


 今の攻防でオーレリーはこのキメラ達を蹴散らせるという自信が湧いて来た。ならば後はそれを実行するのみであった。オーレリーはアキレウスの鎧とは別に用意していた。メイスを構え一度ゆっくりと深呼吸をする。彼女なりの儀式みたいなものであった。そして勇敢にキメラ達に立ち向かっていくのであった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。今回は謙也の『天下五剣』、リナのアイアスの盾につ続いてのオーレリーのアキレウスの鎧が登場しました。こいつは普段装着しないのですが、オーレリーが呼べばいつでも装着できるようになっているのです。さてその活躍ぶりはどうなるのでしょうか?


明日も18時に投稿予定ですのでお願いします

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