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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
55/80

バーナード

だいぶストーリーが進んできたなぁと思いながらも、構成上ではまだ前半部分。まだまだ頑張らねば……

明日も18時頃投稿予定です。

 首相官邸は豪華であるものの、目をみはる芸術作品があるわけでもなく、そういう意味では質素という感じであった。これならオルトゥーナ民主王国のプリンスタワーの方がゴージャス感は上であった。しかし軍事的にはこちらの方が遥かに上であろう。


 そして謙也達が通された部屋には座り心地の良さそうな椅子に座りながら、シンプルで気品のある机で書類を並べて目を通している中年の男性がいた。


 その男こそ、バーレバイジャン首相バーナードであった。


 バーナードはこちらの気づいたのか、にこやかに笑みを浮かべながら椅子から立ち上がった。


「やあ、お待ちしておりましたよ。オーレリー大佐」


 バーナードはそう挨拶を述べながらオーレリーに握手を求めた。それに応えるべくオーレリーも力強くバーナードの手を握りしめる。


(オーレリーさんって大佐だったのか……)


 人志に確認を取りたいが今この場でそのような行動は慎むべきだということは謙也にもわかっているので、ここはぐっと我慢した。 


「さて、私達が求めるものはおそらく既にご存知でしょう?」


「ブルーンとの平和条約の締結とともに、これ以上争いをしないということかね?」


 オーレリーの問いかけにハッキリとバーナードは答えた。


「なるほど、確かにあなた方国際安全機構が望むものは私とて理解しておりますよ。しかしながら、ジャンミール地方は我らの固有の土地、向こうが折れてくれるならともかくそうでないならそれは難しいでしょう」


 やはりというべきかバーナードはこちらの要求をのむつもりはないようだ。


「別に平和条約をすぐに結べと言っているのではないのです。ひとまず今の軍備増強に一旦ストップをかけて欲しいのです」


「自国の事情になぜ口を出されなければならんのだ?」


 鋭い目つきでオーレリーを睨む。しかし彼女は怯む様子はない。


「元来軍備増強に関しては拡大するには一定の制限を設けるようブルーンと共に条約を取り付けていたはずでしょう?」


「ブルーンも軍備増強は好きにしているではないか?大体向こう側が拡大したからこちらも拡大したのだ」


 オーレリーの反乱に関して悪びれることもなくそうなように述べる。しかしそれで納得できるものでない。


「バーレバイシャン側が先にやったと見ている側もいることを認識していただきたいものですね。まぁそれは関しては良いでしょう。とりあえず再び両国に軍備増強はやめ、ジャンミール地方に関して平和的解決を目指して頂きたい。そのために必要な援助はリーベ王国などから期待できるでしょう。また両国の話し合いをする際にもリーベ王国が場を提供してくれるという申し出はあります」


 そこまでいうとバーナードは少し考え込むかのように自分の顎髭に手をやり、何度か撫でる。


「……確かに今のまま進むのはあまりよろしくない……か。ふむ、一度そのような場に参加するのもやぶさかではないですな」


 先程の態度からは予想できない回答に三人は少し驚く、しかしバーナード自身、つまりバーレバイシャン側がそのように言っているのにこちら側からどういうつもりなど言うわけにもいかなかった。


「何かね?それほど不思議かな?」


 三人の表情を見て自分の発言に驚かれているということを理解したのかそのように問う。


「なるほど、私のこれまでの態度やそもそも好戦的な性格上そうやすやすとそちら側の提案に乗るとは思わないと思わなかったっと言ったところか。しかし好戦的な性格とはいえ常に喧嘩ばかりしていてはやはり疲弊はするもの。どこかで辞める時を見つけなければならないことは理解しているのですよ」


「……そうですか。では平和的解決に向け、協力してくれると解釈してよろしいということですね?」


 再度バーナードにそのように投げかけ、その返答を待っていたところにけたたましく警報が鳴り響いた。


「これは?」


 謙也はいきなりの大音量の警報に驚きを隠せなかった。


「どうやら不味いようですな。今確認をとったところ我らの首都にキメラおよびドラゴンが暴れているようです。……ブルーンと何かしらの問題はともかく、このようなことはここ数年怒った試しがないが……今はそのようなことも言って折れないか」


 そういうとバーナードは険しい目つきをして三人の方へ再び視線を戻した。


「早急にこのキメラおよびドラゴンを討伐せねばなりません。しかしこの場を守る警備は極力減らすわけにもいかない。そのため、一部そちらに任せてもよろしいですか?」


 バーナードはそのように要求する。オーレリー側は今はバーレバイジャン側に協力した方が良いということ、またそもそも国際軍がいるにも関わらず、関係のない市民を放っておいて撤退するわけにもいかない。だからこの場で答える回答は決まっていた。


「わかりました。直ちに応援をかけましょう。幸い今少数とはいえわたし含め国際軍およびその協力者もいることですし」


((……それって俺たちのことだよな))


 間違いなくその後の展開を予測できたため、思わず身構えるが、もともとそのようなことを覚悟していけとも言われているため二人とも内心ではそう思っても顔には出さず、むしろ覚悟を決めたかのような顔つきであった。


「二人とも聞いていたわね?ならこれからどうするべきかわかっているわね?」


 こちらを振り返りそう問いかけるオーレリー。


「わかってますよ。すぐに向かいます。聞いたところドラゴンもいるのでしょう?ならばそいつを謙也とともに相手しますよ」


「ええお願い」


 オーレリーにそのように答えた人志はすぐに外へ出るべく走った。このような場で走るのはマナーがなっていないが、今はそのようなことを言っている場合ではないため誰も咎めることはなかった。そして謙也もそれに続く形でついて行った。


(ドラゴンか……)


 バーレバイジャンに到着する前に倒したキメラよりも手ごわい相手だということはわかっているので、ついそのように内心で考えてしまった。しかしその足は止まることはなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は会話がだいぶ長くなってしまったかな?しかし次回は亜違いなく戦闘描写もあるので楽しみにしておいてください。


前書きでも述べましたが、明日も18時頃投稿予定ですのでお願いします。

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