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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
戦争を始めたい者と拒む者
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バーレバイジャン

さてようやく、新たな転移者オーレリー・デルマーが登場ですよ〜

 バーレバイジャンの入国管理局の人間に謙也たちは審査を受けていた。やはり厳重に警備しているだけあって審査も厳しいものであった。ただ別に危害があるというわけでもなく。(あればそれこそ国際問題である)普通に時間を食っただけであるが。


「早くしてくれよ……、事前に話が通っていただろ。めんどくせぇ」


 余り長時間待つ待つことが苦手な人志が愚痴をこぼす。


「まぁ仕方なのでは?」


 一応そのように言っているが、謙也自身もなかなかうんざりしているようであった。


「お待たせしました。どうぞお入りください」


 どうやらようやく入国許可が出たのだろう。入国管理局の人間の一人が謙也たちに許可が通ったことを通知した。


「さて、いこうぜ」


 その報告を聞くや否や待ってましたと言わんばかりに勢い良く立ち上がり、動き出す人志。よほど早く行きたかったのだろう。


 謙也もそれに続く形で立ち上がった。


 ーーーーーーー


「ようやく来た。随分と遅かったじゃない?」


 かなり待たしてしまったせいなのか、バーレバイジャン内に入ったのち通された公共施設(おそらく一般人は入れないであろう)に不機嫌な女性がいた。綺麗な青髪が目に入る。丁寧に手入れされているのだろう。身長は165㎝といったところだろう。リナほどは高身長ではないが、謙也とさほど変わらない身長差であることから。それなりに高身長と判断して良いだろう(少なくとも日本の感覚では)。


「すみません。随分と入国に時間がかかってしまって」


 人志がペコペコと謝る。


(この人が俺たちと同じ転移者の一人、オーレリー・デルマー?)


 謙也は初対面のため今目の前にいる人物が誰なのか確証が持てないが、何と無くそうではないだろうかという予測はついていた。


「ほら、エルクさんが言っていた俺たちの仲間。オーレリー・デルマーさんだよ」


 人志が耳打ちでこの人物のことを教えてくれた。


「ああやはりそうでしたか」


 自分の予想が正解していたために謙也は少し満足そうな意味合いも含めた納得した顔であった。


「オーレリー・デルマーよ。出身国はフランス。御察しの通り私もまたあのわけのわからない道化に連れてこられたは」


 不機嫌な表情は未だ消えなかったが、お互いに初対面ということもあってか、ご丁寧にも自己紹介をしてくれた。


「加藤岡謙也です。出身は日本です。よろしくお願いします」


 そう言って謙也は丁寧にお辞儀をする。


「さて、あまりうだうだ指定いる暇もないわね。ついてきて」


 オーレリーはそのように指示を出すと目的地へと向かう。


「えっと、どこに向かってるんすか?オーレリーさん?」


 苦笑いしながらそのように人志はたずねる。


「あなたたちはどこまで概要を知っているの?」


 人志の問いには答えず逆にオーレリーが質問を投げかけた。


「いや、俺たちはバーレバイジャンにいるオーレリーさんにあって、そこから一緒に行動しろと言われています。確かに今回の目的は両国間の紛争を収めることが目的だそうですが、僕たちは余り詳細はわからないです。……はい」


 謙也が自分たちの状況を説明したが、最後オーレリーの目が何と無く怖かったので、つい最後余計なものがついてしまったようだ。


「最後のハイはなんなのよ……別に怒っているわけではないわよ。予想通り話し合いには役に立たないとわかっただけよ」


 ハァをわざとらしく溜息を零しながらオーレリーは毒を吐く。しかし二人とも言い返す要素を持ち合わせておらず何も言えなかった。


「まぁいいわ。私たちが今向かっているのは首相官邸。わざわざ我ら国際軍にあってくれて話を聞いてくれるそうよ」


「首相ですか……」


「名はバーナード。かなり好戦的な性格をしているは。だから余計にややこしいのよ。なんせ向こうはブルーンとの戦争に意欲的なのよ。しかも、その周りの側近たちもね。だから話を聞くというのは一応の体裁を保つだけのことという可能性もかなり高いは。なんせ彼らにとって私たちはうっとおしいメンツだろうしね」


 話の内容からオーレリーは彼らのことをあまり快く思っていないようだ。


「向こうが断る可能性が高いとしても、こちらも一応交渉材料は持っているのでしょう?」


 人志がそのようにたづねると、


「当たり前でしょ。まぁあまり大きな声で言うわけにもいかないけど。あんた達はエルクさんの部下だからいいけど、こちらは戦争に入って欲しくないのはもちろん、紛争も解決したいの。だからこの機に両国に平和条約を結んで欲しいの。無論そうなると両国が争っているジャンミール地方についてどうするかと言うこともあるけど、とりあえず、その前段階として経済支援などを行うから、戦争に入るのはひとまず待ってくれって頼むのが今回の目的よ」


「とりあえず両国が振り上げている拳を下げさせ、話し合いができる状況に持って行こうと言うことでしょうか?」


 オーレリーの話から謙也が要約する。


「ええその通りよ。あなたそこそこ理解力あるのね。少なくともそこの人志よりは」


 からかうかのような口調で謙也を褒める。謙也自身は別にけなされているわけでもないので、とりあえず笑顔を見せておくことにした。人志は人志で何も言い返すこともなく、乾いた笑いを漏らしていた。


「何か言い返さなくていいんですか?」


 何気なしに人志にそう聞いてみる。


「いや、あの人なんか怖いから無理」


 その答えはとてもシンプルなものであったが、どうやらオーレリーの耳に入っていたらしく、鋭い目つきで人志を睨む。すぐに人志は目をそらして何事もなかったかのように振る舞う。オーレリーはまぁいいかといった感じでその場を見逃した。


「あなた達二人は私が話しているときは後ろで待機していてね。話は私が進めるから。どうせすぐに終わるでしょう。その後にあなた達に仕事があるからそちらがメインだからよろしく」


「は、はぁ」


 間抜けな返事であったが、オーレリーは特に気にした様子もなかった。


「さぁ、着いたわよ。ここからは特に余計なことは言わずにお願いね」


 そういった先は、なるほどこの国のトップが居るにはふさわしい立派な建物であった。そして長らく紛争してきた国だけあってその建造物は豪華なものというわけでなく、防御面で素晴らしい性能を発揮しそうなものであった。そして周りには小型マシーン ヤークトフントやフレーダマオスがかなり配置されており、奥には屈強な軍人が警備に当たっていた。


(この中にバーナード首相がいるのか……)


 やはりこれほど厳重に警備されている場所のトップとこれから会うために、謙也も少なからず興味が湧いてきたようであった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


明日も18時に投稿予定ですのでよろしくお願いします。

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