謙也の成長
久しぶりに戦闘描写が描けて、個人的にも嬉しいです。これからもっと増やしていけたらいいなぁ〜
あまりきれいに整備されていない道にも関わらず、全く揺れを感じさせない車。椅子もなかなかに心地いい。想像していた軍事用のものとはとても思えないものであった。
(しかし見た目は完全にそれなんだよなぁ)
そう思いながら自分が今乗っている車はじっくりと見る。やはり自分が想像していた軍事用のものであるところは所々あった。もちろん外装はまさにそれであった。
「とりあえずここまでは何もないな」
後頭部に両手を添えながらそう呟く人志。
「しかしエレーナさんの話ではそろそろ森林に入るのですが、そこがまぁ、キメラが大量にいるって話ですよ。基本車の中で倒すべきなんでしょうが、場合によっては降りて倒さなければならないかもしれないです。なんせ最近は、スケルトンスネークやフレイムジラーフが大量にこの辺りで目撃されているようなので」
「一応隣同士なんだから何かしら陸からの交通手段を確保してほしいものだな」
人志はそう愚痴をこぼす。
「仕方ないですよ。スイーンは今の間で調べましたけど、隣の両国とは基本関わり合いたくないそうで、今回もリーベ王国からの要請で渋々みたいな感じだそなので」
「まぁわからんでもないな。喧嘩しているところに俺もわざわざ入りたくないしな……」
遠い目をしながらそう言う人志。
「まぁ、そう言うことです」
「しかしそうなると戦闘準備をしたほうがいいな。その情報通りだとそろそろ……」
人志が言い終わる前に前方からけたたましい叫び声が聞こえてきた。恐怖からくるものではない。獲物を前に仕留めようとする闘志からくるものであった。
「早速きたぞ」
そう言いながら窓から外の様子を確認する。
「お!確かにいたありゃフレイムジラーフだな!久しぶりに見たぜ、しかも3匹!」
そうのんびりとした口調で答えながらその右手には愛銃『ブラックファング』があった。そして窓を開けゆっくりと狙いを定めると。
3匹に5発もの銃弾を浴びせる。しかも1発1発の破壊力が凄まじいのかその身が抉れる。
(以前よりもパワーアップしている?)
「新しい銃弾ですか?」
「あぁ!その通り、最新式の魔法弾だ!結構容易に連発で打てて、それでいて魔力を今まで以上に注入できるわけだ。結果威力も向上だ!」
そう言うが、その肝心の魔力が今まで以上に消費が激しくなるという事だ。そうなると使用者の負担も大きくなる。それを今までと変わらずに普通の銃を扱うように使用していることから人志自身も力をさらにつけてきた証拠だろう。
「おい!謙也奴らの首を切り落として来いや」
「了解です」
そういうと車の窓から身を乗り出し外へと出る。普通ならそのまま地面に叩きつけられて大怪我するだけだが、風の魔法を使用する。
使用するのはウインド、ただ風を起こすというシンプルなものだ。しかし彼の持つ武器『童子切安綱』が持つ風の力によってその風をさらに繊細な操作を可能とする。それにより謙也が通りたいルートに風のトンネルを気づくのだ。後は身をその流れに任せるのみだ。そうするとそれなりのスピードでまるでウォータースライダーに乗っているかのように決められたところまで運んでくれる。
そしてその流れに身を任せながらもフレイムジラーフの頭に近づくとしっかりと一つ一つ切り落としていく。外すことはなかった。それが出来るぐらいには謙也もまた技量が上がっていたのだ。
そのまま再び風を操作して車へと戻ってくる。その間に地面に足がつくことなどなかった。
「おかえり、なかなか見事じゃないか!これなら空中戦でも戦えるんじゃね?」
ご機嫌な調子で人志は謙也をねぎらう。
「いやどうでしょう?正直あまりやったことはないので自信はないですよ」
「まぁ、すぐに経験する羽目になるだろうよ。意外とハードだしなぁ……、んっ!またきやがるぞ!」
そこにはスケルトンスネークやフレイムジラーフをはじめ、様々なキメラがいた。その数も数十ほどもいる。流石にこれを車で走りながらとなると色々と手間もかかる。そこで二人はすぐに降りてキメラたちをかたずけにかかる。
「さて、俺はスケルトンスネークを片付けるから、お前がもう一度フレイムジラーフを片付けろ。そっちの方が相性いいだろうからな。ほんで、他の雑魚は襲われ次第どちらか片付けるということで、OK?」
「それで大丈夫ですよ、今の俺もそれなりに力をつけましたから」
そういうと左手にもう一本刀を構える。
ーー三日月宗近、炎を宿す刀だ。風の力を宿す童子切安綱の扱いはだいぶ慣れてきたのはわかるのだが、今まであまりこちらの刀は使えるようになってから間もないのであまり使いこなせなかったが、最近になってようやく使いこなせるようになったのだ。
「三日月宗近よ。俺に炎の鎧を与えろ!」
そう言うと、三日月宗近は炎となり謙也の体全身を包み込む。そして炎を象徴するかのような真紅の鎧が現れる。この鎧は炎を完全に無効化する能力を備えたものだ。ただ、鎧のため、多少重さによって動きが鈍くなり、かつ水に弱いという弱点もあるが、今の場においてそれはあまりハンデとなることはない。むしろフレイムジラーフ相手においては最高の鎧となる。これによりフレイムジラーフの攻撃は純粋な打撃以外は全て防ぐことになるのだから。
そして謙也は複数体いるフレイムジラーフに向かう。対するフレイムジラーフと複数体の下位のキメラは謙也に襲う。フレイムジラーフは巨大な炎の球を弾き、キメラは犬が噛み付くかのように襲う。しかし謙也が纏う炎の鎧により炎は無効化され、噛み付いたキメラはその鎧の熱で悶え苦しむ。
(防御に意識を割くまでもない、このまま突っ込む!)
そう判断した謙也はまっすぐに向かう。そして右手を構える。
「ウインドオブスピア」
魔法を唱えた。すると謙也の後ろに風の槍が6本現れる。この量はかなり上位の魔法師でなければ通常不可能である。では謙也が上位の魔法師と言うとそういう訳でもない。人志などと比べると魔法の技量は天と地の差といってもいいぐらいだ。ではなぜ謙也がそれほどの魔法を使うことができたかというと、それはやはり武器の補助によるものだ。その武器とはやはり童子切安綱の宿す風の力である。謙也の持つ武器にはそのような効果もあるのだ。つまり謙也は今、風と炎の魔法に関してのみ、それなりに魔法が使えるのだ。
そして、謙也が生み出した風の槍は威力も少しばかり高い、前方にいた下位のキメラをなぎ倒しながらフレイムジラーフへと目掛けて一直線に向かっていく。そしてそれらはフレイムジラーフの大きな体を串刺しにする。そこからは大量の出血があった。相当の痛みだろう。思わず悲鳴をあげながら暴れ始めるフレイムジラーフ。そこを謙也は見逃さなかった。
炎の鎧を纏いながら、さらに自分の周辺に風を纏い凄まじい速度を出すことを可能とした。これは直線しか進めないという難点があるものの、このような相手との距離を一瞬で縮めたい時にはかなり有効な手段だ。
「ふん!」
そしてそのまま勢いに任せフレイムジラーフを叩き斬る。見事な完勝と言っていいものだ。かなり力がついたと自分でも実感できるほどであった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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