セルゲイ
戦闘などはしばらくなく、おそらく会話メインになります。……というか前からな気もしますが。お付き合いくださいm(_ _)m
オルトゥーナ民主王国、そこは経済的にも軍事的にも先進国と言って恥ずかしくない島国である。その島の中央に政治、経済の中心となる都市、首都ジブラスク。まさに大都市、近未来、SFの出てくる大都市といった感じだ。店一つとっても彼ら異世界転移者には初見で驚くものだ。外の交通も車に変わる次世代の乗り物、例えば前に述べたようなドラグーンという、空を飛ぶマシーンなども割と高い頻度で見られる。もちろんこれはこの世界でもかなり最近出たばかりなので、あまり普及していない。しかしそれでも見られるのはやはり大都市だからだろう。もちろん、車での交通もまだまだ多いが、それでもその性能は比べるまでもないものであった。
そのような大都会とて、やはり酒の席はやはり万国共通なのだろう。
「聞いているかね?マルク君私は至って真面目なのだよ!」
「ええ、しっかりと聞いていますよ。しかしセルゲイ先生些か酔いが回っているようです。そろそろ控えたほうがよろしいのでは」
そこには二人の人間がいた。片方はもう50になろう老人だが、片方は20過ぎといったところだ。マルクという青年はもう随分と酔ったセルゲイという老人にもう酒を飲まないよう注意しているところであった。
「ふん!君に言われなくてもわかっている!もう控えようとしていたところだ」
30歳も歳が離れた若造に注意されるのが面白くなかったのか吐き捨てるかのようにそう言い水を飲み干す。
(やれやれ、酔っ払いの相手は疲れる。だからこういうところは苦手なのだ…)
そう内心でマルク――オルソ・プラモットンはそう毒づくのであった。
マルク・フライレそれがオルソがオルトゥーナに入った時に使われる、周りもそう認知している。つまり偽名だ。彼、マルク・フライレはオルトゥーナで経済、経営学を学ぶ学生で通っている。そしてかなり企起業に関心があり、様々な所で学ぼうとしている。その結果政治家の息がかかった所で学ぶようになる。そこでこの男セルゲイという政治家と出会ったのだ。もちろんこれは意図的にである。たまたま運良く実力も伴って気に入られたわけでもなく、100%そのような結果になるように、オルソが行動しただけである。もちろん勉強のためでなく、エルクを中心とする自分たち異世界転生者のためだ。最も今回は他の大国のためになるが…
「マルクよ、話を戻すが、私はいまのオルトゥーナのやり方は気に入っていない。確かに自国の利益を考えることは非常に大切なことだが、それも度が過ぎるとそれは野蛮人だ。ほかの人間は私のことをやれ臆病者、売国奴などほざくが、それは違う。私はただ誇りをもってこの国、オルトゥーナ民主王国の人間でいたいのだ。そのためには今回のようなことは許してはならない」
少し熱くなっていることに気付いたのか、それをごまかすかのように水を飲む。
「セルゲイ先生確かにあなたの言い分は非常に理解します、そして賛同もします。しかしあまりこういったお酒の席でいうのはやはりよろしくないでしょう。誰が聞いているかわかりませんしね」
「確かにそれもそうだな。すまないさすがに熱くなりすぎたよ」
さすがに口が軽すぎたことを実感したのか。先ほどとは打って変わって素直に自分の非を認めた。
(この男酔うと面倒なこともあるが、それはほかの者にも言えることだ。それさえ気にかけなければ、かなり我々にとっても、ほかの国にとっても利益になるはずだ。なにより、自国の利益だけにとらわれて戦争に走ろうとしない、今の野党の一部ですら与党に賛同している中声を大にして反対を訴えている。非常に好感が持てるよ。すくなくともわたしには…)
などと自分の中でセルゲイの評価を改めて確認していると。セルゲイの右胸から機械音がする。
「むっ!誰だ?今日は久しぶりに時間ができたと思ったらまた何か仕事が増えたのか?」
少し機嫌が悪くなるセルゲイだが、彼も自分の立場をわかっているため、それ以上顔に出すことはなかった。
「わたしだ……、分かった。明日の朝9時からでどうかな?ああ、分かったではそれでお願いしよう」
通話を終えると、セルゲイはすぐさま帰りの支度を始めた。
「マルク君、私は明日早くから急用ができた。とても大切な用事がね。悪いが今日はこれで失礼するよ。君も早く帰りなさい、ここはわたしがもっておくから」
そういうと、セルゲイは会計を済ませ、早々に出て行った。その顔つきは先ほどまでの酔っ払いとは思えなかった。
(大切な用事か……、おそらくエルクと会う約束をしたのだろう。前々から何度もあっているようだしな。俺がここに入り込む準備中からあっていたようだしな)
この国は現状平和的思考が徐々に欠如しているに思える。。さらに悲しいことにあまり今の世の中が戦争という行為が違反であるという認識があまりない。いや、知っているのかもしれない。しかしどの国にも後ろめたいことがあるのは当然周知の事実。そのよう中、この不安定な時代、そのような国際法を軽視する国が出てくるのも当然だ。
(これからこの世界はどのような方向に動くのか……また大規模な内乱や戦争が起きないことを祈るが……)
直感的にオルソはそれは難しいことをなんとなく知っている。歴史は繰り返すとあるが、それはおおよそ正しいのだろう。しかしそれでも、オルソがかつていた世界でも少しづつ人権を守ろうなどと進んできたのだ。それはこの世界でも言える。
(みんなが少しづつ平和に向けて歩み寄ろうという精神にかけるしかないか……)
それは小さな希望とも言えるだろう。
(だが、私は同時にリアリストでなければならない。決して理想だけで突き進む訳にはいかない)
それは彼の役割がそうさせているのだ。彼がリアリストでなければ彼の仲間たちが死ぬことにさえなるからだ。
「……まったく役割というのは時に辛いものだ。やりたいことを制限されるのだから……」
自虐気味にそう呟くと、少し度数の高い酒をグイッと呷るのであった。
最後まで読んでいただきありがとうこざいます。
想像以上に話が長くなるかもしれない……
ここでは新しい異世界転生者のオルソ・プラモットンがメインとなっています。彼の役割はいわゆるスパイ的立ち位置でしょうか?なのであまり戦闘はありませんが、かなり頭の良い人物として登場させています。なのでかなり活躍してくれるかもしれません。……保障できないですが。
感想等お待ちしてます。




