ニコ2
今回は今までと比べると長いですが、お付き合いください。
「ちくしょう!いきなりなんて攻撃をしてきやがるんだ。おかげで俺たちの乗っていた車が吹き飛ばされたぜ」
人志はそう悪態をつく、と言うのも先ほどの12本の電気の槍によってリナは盾で完全に防げたものの、謙也やクリスティーネは完全に防ぐことができず吹き飛ばされてしまったのだ。尤もそれでも傷がはとんどなく生きているのはそれなりに訓練してきた賜物だろう。
「みんな大丈夫?」
リナはそう言う。
「はい大丈夫です。ですからリナさんは彼を連れて逃げてください」
リナの問いかけにクリスティーネが答える。そしてリナは
「わかったわ」
そういいマクドネルを連れて逃げる。マクドネルを狙ったのはリナも理解できた。だからここで自分も戦うわけにはいかないと判断したからだ。
「さてやるぞ二人とも!」
ガシャッと、人志は愛用の二丁の銃を取り出しながらそう言う。
「わかっています」
それにつられ、謙也も剣を構える。そしてその後ろでクリスティーネも武器を構え始める。
「ドラゴンズクライ」
クリスティーネが構え終わるより前に、ニコは先制攻撃を開始する。ドラゴンズクライ 振動系魔法だ。相手に振動を与えることによって脳震盪を起こさせたりする魔法。それの上位ばんだ。
「ふん!!」
その振動をいち早く察知して、謙也は童子切安綱により、風の盾を三人の前に作る。だいぶ先頭も手馴れてきたようだ。
ドン!ドン!ドン! 3発ほど弾が放たれる。それは魔力によりさらに威力が強化されているものだ。その為直撃した右肩、左肩、左足、は見事にえぐれる。しかしーー
「おい一瞬で再生しやがったぞ!」
今のニコにとってその程度の攻撃は残念ながら致命傷にはならないのだ。
「コールドブレス!」
続いてクリスティーネが魔法によって攻撃を試みるが……
「凍らない!そんな……」
魔力による干渉、それで防がれたのだ。クリスティーネ自身、短い間とはいえそれなりに魔法について勉強してきた。そのせいかも出てきた。にも関わらずこれである。相手は相当高レベルにいることは容易に想像できる。
「あいつは人間なのか?尋常はない魔力だぞ!」
人志はそう悪態をつく、それがニコにも聞こえてしまったのだろう。それを聞いたニコは思わず腹が立ってしまった。ゆえに顔を歪めながら感情に任せた一撃を放つ。
「フォールンエンジェル!」
轟!! 一瞬の出来事であった。一瞬でニコの周りに光の風が集まりその塊が謙也たちに落ちてきた。
その瞬間謙也は全力で風の防壁を、その上に人志とクリスティーネが魔法による防壁をフルパワーでつくる。全員まともに食らってはいけないと判断してのことだ。幸いにもその行動は間に合ったようだ。しかしーー
彼らの行動が終わった瞬間、凄まじい衝撃が押し寄せてくる。その衝撃に思わず全員ひるみそうになるが、ここで怯むわけにはいかないと耐える。その次に光の炎が押し寄せ、凄まじい熱量により苦しむ羽目になる。そして息を吸うのも苦しくとうとう三人とも根負けしてしまい吹き飛ばされてしまう。
「ゴホッ!!……うぅ……」
なんとか立ち上がった謙也は再びニコに視線を向ける。そのとき同時に目が入った。先ほどまで立っていた場所に風穴ができていることを……そして同時に悟った。あの時根負けして吹き飛ばされて正解であったことを。
(なんて破壊力だ。こんな敵今までいなかった。どうする!)
「ん?」
思わずそう声に出てしまった謙也、というのも先ほど強烈な攻撃をしてきた張本人のニコが相当苦しそうに頭を押さえていたからである。
「なんだ?」
「一気に膨大な魔力を行使しすぎたのだろう。なんせさっきからとんでもない魔法を行使しまくっているのに、そこにさらにあの魔法だ。結構な負担なはずだぜ」
謙也の疑問を察したのか人志はそう答える。
「ならば、今が勝機ですね!コールドブレス!」
そうクリスティーネは魔法を行使する。今度はフルパワーでだ。
ニコに先ほどとは比べ物にならないほどの冷気が襲う。しかもニコは今先ほどの魔法のせいで体勢を崩している状態とても耐えられない。だから彼女は焦点を絞って防御に徹する。それが功を制したのか凍ったのは足だけにとどまった。
「チッ!これでも氷付けにならないとはとんだバケモノだ!」
そう言いながら人志は銃をぶっ放す。
「俺も!」
そして謙也も続いて攻撃にかかる。
流石に相手も怯んでいたせいか、その攻撃は見事に命中する。ニコは両足を失うこととなった。
「グッ!」
思わずそう悲鳴をあげるニコ。
「どんどん行くぞ!早くしないと再生されるだろうからな!」
そう人志が言った通り、ニコの両足は再生して行く。しかしその速度は遅いまだ魔力の行使による影響が足をひきづっているのだ。
「なめないで!」
そう叫びながらニコはアイスオブスピアを放つ。その数は8!先ほどより少々数は減っているが、突撃した状態でこの数は十分脅威に値する。
しかしそのうち四つは人志が撃ち落とす。その程度には射撃技術を有している。そして残る四つはーー
「ふん!」
謙也はただ一振りするそれだけであった。それだけで氷の槍は一瞬にして溶けてしまった。謙也の左手にはもう一本の刀が握られていた。天下五剣の一つ三日月宗近炎の力を有する刀。
ここ最近それぞれ訓練によって鍛えられていた、そしてそれによって謙也は新たにもう一本刀を使えるまでに成長したのであった。
「小賢しい!あなたたちには用はないの!マクドネルただ一人なのよ!」
あの至近距離から魔法を防がれたことへの苛立ちから声を荒げてそういう。
「だからと言ってこちらもハイそうですかとはいかないだろう?だいたい仲間であった奴を殺すとはどういうことだ?」
人志は純粋な疑問をぶつける。
「あんな奴もともと仲間だとは思っていないわよ!ただ従わざるをえなかったから、従っていただけよ!わたしもユスフも!」
そう叫んでニコは四つの竜巻きを放つ。それに対応するために謙也は今度は童子切安綱を使い、同じく竜巻きを発生させ相殺する。
「どういうことだ?あなた方が操っていたとはずだ」
謙也は問いかける。
「ふん!言っても信じてもらえないでしょうね!あの変な道化に全て仕組まれたなんて!」
ニコは吐き捨てるかのように言い、今度は破壊したことによってできた瓦礫を宙に浮かせ、謙也たちめがけて放つ。
「エクスプローシブバレット!」
その攻撃に対応したのはクリスティーネであった。数十発もの魔力によって産み出された弾は次々と瓦礫に触れ小さな爆発を起こしていく。しかしその数は多いためなかなかの爆発だ。そのため少し謙也たちも怯むが、怪我はなかった
「道化だと!今道化といったのか!」
人志が声を荒げる。
「ええ今彼女は確かにそう言いました。」
謙也は険しい表情になりながらも同意する。クリスティーネは声を発していないがあからさまに反応をしてみせた。
彼らは想像した道化とニコがいう道化は間違いなく一致していると確信が持てた。そのようなことができるのは奴ぐらいしかいない。
「……貴方達も知っているの?奴のことを」
ニコは彼らの雰囲気で道化のことを知っているのだと理解した。
「はい、知っています。私達はあの道化によって今の状態になったのですから……」
答えたのはクリスティーネであった。
「そう……」
それを聞いたニコはなんとも言えない表情をした。そして語り出す。
「私は死にかけていた。だけどその命を道化は救ってくれた。……ユスフがエンジェルの一員となることを条件にね」
そう呟きながらニコは遠くを見つめる。それはまるで自分が病気になってしまったからユスフにあの様な状況に追い込んだのだと思い、自己嫌悪に陥っているようなそんな表情であった。
「……それではお前達は巻き込まれたと言いたいのか?」
人志は睨みながらそう言う。
「ええその通りよ。じゃなきゃ、こんな体になるもんですか!」
そう恨めしそうに言うニコ、その忌々しい体は既に再生していた。
「確かに普通ではない。人志さん彼女の言うことに一定の真実が含まれているかもしれない」
謙也は人志に言う。
「うむ……」
それを受けて人志は少し悩むそぶりを見せる。
「この体になったのだってアイツが一枚噛んでいるのは知っている。確かに実際やったのはユスフだけど。彼は私を助けるためにやむなくやったの。だから彼には感謝しても責めはしない。ただアイツは別どうせこの状況を楽しんでいるでしょうからね!アイツはいつか殺す!……なんとしてでも。絶対にあの笑顔を恐怖で染め、トカゲのように尻尾を切られても逃げる奴を追いかけ笑顔で踏み殺してやる!」
ニコはその心に溜まっていた、道化への憎悪を吐き出す。ユスフとの平和で幸せな暮らしを奪った道化を許すことができないのだ。
「でもそれは後回し、今はマクドネル奴を殺さなければならない。じゃないとユスフは……」
「殺されるってか?」
人志はニコのセリフに重ねるかのように言う。
「そりゃ、今までのセリフから十分予想できることだぜ。しかしなるほどもしそれが本当ならあんたたちも悲しい運命に抗っているということか」
同情するかのように人志は言う。しかしその上で、
「申し訳ないが、だからと言ってマクドネルを殺させるわけにはいかないんだよ。なんせここで殺されると大問題だからな。それは俺たちだけの問題じゃない。だからここでお前がかわいそうだからマクドネルを殺すのを見て見ぬ振りするといことは一切ない。全力で邪魔をさせてもらう」
人志はきっぱりと言い切った。
「そう、まぁそうだろとは思っていたわ。本当はこのまま見逃してもらいたかったけど」
ニコ自身わかっていたことのためあまり驚くこともなかった。
「人志さん……」
クリスティーネがなんとも言えない表情で人志を見る。無理もないマクドネルを見殺しにするのは無論論外だが、だからと言って同じ道化によって翻弄されている人間を放っておくのもまた難しいのだ。
「……これが最善だ。クリスちゃん申し訳ないが、今はこれしかない」
人志はその反応から察することはできたが、彼が言えるのはこれだけしかなかった。
「クリス、人志さんの言う通りだ。卑怯な言い方だけど、人道的にもマクドネルを殺すわけにはいかない。今は彼女を倒さないと。殺さないにしても……」
謙也も便乗する。彼はこの面に関しては割り切ることができたのだ。だからこそ、この会話の間もしっかりと二本の刀を握りしめて、構えていた。
クリスティーナ自身それはわかっていた。ただやはり人彼女という人間としてはそれができなかったのだ。今彼女を好き放題させるわけにもいかない。だから今やることは決まりきっていた。だからーー
「……すみませんニコさん。私はあなたを倒さなくてはなりません」
泣きそうな表情であった。全くもって情けないことだとクリスティーネは思う。覚悟してここに立っていたはずなのに、結局自分が一番情けないことに気づき、嫌になってしまったのだ。
「あら、何そんな悲しそうな顔をしているの?鼻からそのつ餅で攻撃してきたはずよ?話を聞いた途端その態度を取られても困るは。これからあなたたちを殺しにかかるのに」
そう言い終えると、ニコは再び魔法を唱える。もう回復も済んでいる。ならばあとは全力で殺しにかかるだけだ。しかし先ほどのようなあまりにも強力な魔法は使わない。帰って自分を追い込むハメになるからだ。
「くらいなさい」
そう静かに言うとニコは空中へと上がり、そしてニコの周りに魔法陣らしきものが三つほどできる。
「……二人とも構えろ」
人志は警告する。
その直後先ほどと同じく魔法の槍が飛んでくる。しかしその数は先ほど以上だ。なんせ、アイスオブスピア、サンダーオブスピア、ファイアオブスピアその三種類の魔法の槍がそれぞれ12本ずつ謙也たちに飛んできたのだから。
「!!謙也!氷の槍を頼むぞ!」
「承知しました!」
そう言うと、謙也は三日月宗近と童子切安綱を構え大きく振るう。その直後凄まじい炎の竜巻きがその周りを飲み込む。風邪の力を宿す童子切安綱と炎の力を宿す三日月宗近の合わせ技だ。この技により氷の槍のみならず炎の槍の一部まで巻き込み消滅させることに成功した。
「ショックブラスト!」
クリスティーネもその膨大な魔法の槍に襲われている以上反撃せざるを得ない。だから残りの電気の槍を迎撃する。ショックブラスト 衝撃波を放つ魔法、そしてそれが命中した対象は爆発するという魔法。魔法だらうが関係ない。最もこれはその対象の魔力量によって影響は左右される。
「この数ならいけるな……リフレクトシールド全開!」
人志は残りの炎の槍を全力で魔法を行使して跳ね返す。
「チッ!」
跳ね返ってきた炎の槍を見て思わず舌打ちするニコ。それにさらに謙也が走って向かってくる。しかしニコは空中にいる為刀は届かない。無論魔法によって飛ぶことも不可能ではないが、その速度はあまり早くない。しかしーー
「童子切安綱!」
謙也は小さく刀を振るい、その場に小さな竜巻き生み出しその中央に飛び乗ると……轟!と音を立てて、謙也を瞬く間にニコのとの距離を詰める。
「!!」
炎の槍を対処しようとしていたニコにいきなり謙也が襲いかかってきたのだ。流石にこれには驚いたようだ。そこでニコは炎の槍の対処を捨て謙也の攻撃に迎え撃つ。無論それにより体に炎の槍が突き刺さり、損傷を負うが致命傷ではない。
「喰らえ!」
その両手に握られた刀は同時に振り下ろされる。それをニコは衝撃魔法をその両手に発動させ受け止めようとする。しかし謙也はどうやらそれを予想していたのか左手にはあまり力を入れておらずそのまま弾かれたのだが、右手は全力を注いでいたため、ニコの左手は見事に切れた。
「グゥッ!!」
流石に悲鳴をあげるニコ、しかしその痛みに耐えている暇などない。謙也の攻撃を終えてそのまま地上へと落ちていく瞬間足や右手、さらに肺にまで銃弾が刺さった。
「ゴッ、ハ……」
(何!今までの銃弾とは比べ物にならない威力!)
先ほど受けた銃弾よりもあからさまに威力があった。しかも再生も心なしか遅い。
「ホワイトホーク社、ブラックファングとホワイトファングの二丁と合わせて開発されて銃弾、『ドラゴン殺し』。その一発一発に膨大な魔力が含まれ、それが体に食い込むことにより様々な回復魔法等を妨害、そしてその体かにある魔力を殺しにかかる。まさに最強の一発!久しぶりに使ったが、かなり効果覿面だったな」
ニヤリと人志は笑いながらニコを見る。
「……よ、よくもやったな!」
再び激昂するニコ、その体に魔力を蓄える。
「……あの銃弾を受けてなおそこまでの魔力を扱うことができるとは…、恐ろしいものだ」
人志はそう呟きながらも銃を構え、再び2発ニコに向かって発射される。
「ダブルマジックオブシールド」
ニコはすかさず魔法の盾を二つ重ねることでその銃弾からその身を守ったが、その魔法の盾は崩れていく。
「もう一発だ!」
その瞬間を人志は見逃さずもう一発銃弾をニコに食らわす。
グシャっと生々しい音が聞こえる。それはニコの眉間に銃弾が食い込んだためにできた音だ。
「……終わったな」
人志はそういい構えを解く。
「……殺してしまったのですね」
他に解決があったのではないかとそう考えてしまっているのか、暗い表情を隠せないクリスティーネはそのように言う。
「……流石に手加減して勝てるほど弱くもなければ、俺たちが強くもないんだ」
言い訳がましく人志は言う。
「……人志さん、クリス一旦リナさんと合流しましょう」
謙也はそう促しリナが向かったであろう方向へと歩き始める。そしてそれに続くように二人も歩き始めた。
ーーーその直後凄まじい魔力を、そして殺気を感じた。
(やばい!)
とっさにそう判断し謙也は大きく横に飛んだ。そしてそれに続くよように人志とクリスティーネも飛んだ。流石に全員期間が違えど、危険な現場で仕事をこなしてきた人間。危機管理意識はしっかりしているようだ。でなければ今ので死んでいただろう。彼らが飛んだ瞬間、彼らがいた場所の特殊素材でできた道路はえぐられた、そしてその風圧によって彼らは飛んでいた瞬間もあって数メートルほどさらに飛ばされた。
それは先ほど死んだはずのニコによるものであった。
「ぐっ!」
「まだ奴は動けるのか!眉間に弾丸をぶち込んだのに!」
人志はかなり動揺した表情で叫ぶ。
「ぐうがあああああああああああああああああああああああああ!!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
絶叫、ニコの叫び声があたり一帯に轟く。
「おい!こいつさっきより魔力が上昇してないか?」
人志は慌ててそう言いながら銃を構える。
「はい、私もそう感じます。とてつもない魔力です……」
クリスティーネは今まで以上の恐怖を覚える。
「これはまずいんじゃないですかなね……」
謙也が続くように同氏の言葉を吐いた瞬間ニコは手をかざして呟いた。
ーーフォールンエンジェルっと
それは先ほど謙也たちに恐怖を抱かせた大魔法。そのためさのつぶやきを聞いた瞬間謙也たちは先ほどのように全力で防御に徹する。今回も同じように防御壁はできた。しかし全開の魔法でも完全には防がれなかった。それに加え今回は今ままで以上に強力であった。そのため彼らがどうなるか想像するのは容易だ。
先ほど以上にすさまじい爆発音を起こした、魔法。そしてあたりは戦場のような風景であった。そして謙也たちは瓦礫の上または下で倒れていた。ギリギリ意識はある。しかし今のは相当の衝撃によって立つことが困難であった。
(やられる!)
そう思ったが、ニコはそれをしなかった。ただ暴れているだけであった。彼女の目は焦点が合っていなかった。
(何をしている?)
そう感じるような動きであった。しばらくするともはや人の言葉を発さずに、ただ猛獣のように叫びながら飛んで行った。通常この場合、危機的状況から助かったのだから安堵しても良い場面だ。しかし彼女が飛んで行った場所が問題であった。
「……ま、まずいぞ…、あっちはリナさんが向かって行った方向だ……」
人志はダメージを受けたせいか、言葉を話すのも辛そうだが続けて言った。
「あいつはもう自我を失っていそうだが、本能的にやらねばならない事は自然と実行するのだ動物というのは。だからあいつは間違いなくマクドネルを……」
それを聞いた二人は
「ならば追いかけないといけませんね」
「ですが、私たちはもうボロボロです何か方法は……」
「……一応エルクさんに連絡を入れている。もちろんエレーナさんにも届いているはずあとは間に合ってくれるかだが……。俺たちができるのはこれぐらいだ。おそらくいまのこの体では間に合わない」
人志は悔しそうに言う。それを聞いて謙也もうなだれるかのように顔を地面に置く。
いったい彼女はどうなってしまったのか、そしてこのあとどうなるのか。そのことを考えていくとどうも悪い方向にしか考えられない謙也。しかしそれが最も起こりうるものであるとは確信していた。だからこそいま動くことができない自分が情けなく思えてきたのであった。
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