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僕たちはこの非情な世界で抗う  作者: MASANBO
望まずテロリストとなった者たち
28/80

交渉2

続きです。

 ユスフがオイゲネに対して話した内容は、


 1、自身にはガント側に対して不利な情報を持っている。


 2、その情報はハードディスクにあるのと同時にネットワーク上にも残してある。無論現在簡単に見つからないような細工はしてある。


 3、それを公開しない代わりに自身の安全とニコを安らかに眠らす手配そして今後一切関わらないことを約束すること。


 の主に三つであった。


 その間オイゲネは静かに聞いていた。


「それで?」


 そうオイゲネは問いかけた。


「『GtoE』、ガントからエンジェルへ支援をし、様々な利益を受ける計画。確かに公にされたら非常にまずいことになるだろう。しかしそれを知っているのはもう君だけのはずだ。なにせ君の恋人はすでにこの世にいないのだからな」


 ユスフに言い聞かせるかのように述べるオイゲネ。


「だが、俺しか知らないとはいえ、それを公表することはできる。証拠だってあるからな」


「我々を舐めているのか?」


 声こそ荒げることなかったが、そこには静かだが重い何かを感じた。そして怒りが。


「我々ガント人民共和国は軍事的にも科学的にもこの世界を率いていく存在だ。その我々が君みたいな男1人に怯むと思っているのかな?だといたら甚だ見当違いだ」


 オイゲネは自分の、いや自分達のプライドを傷つけられたかのように怒った。


「君が交渉するためのカードは確かに効果的なものだが、管理が甘すぎる。既にネット上にあるその情報は回収済みだよ」


 いきなりユスフの立場が瓦解される一言を放たれる。


「そ、そんなことできるわけ……」


「可能だよ。そもそもネット上にその情報はあげられていないとがね。」


 どういうことだ?という疑問がよぎった。


「そもそも君が使っているその端末我々と関わりがある企業が作ったものだ。君みたいに情報を脅しに使われても困る。だからそうならないように、その企業の機械だけを使わせ、内部に容易に情報流通しないよう細工していたという話だ」


(確かにマクドネルはそう支指示していた……)


 ユスフは汗がひどいことに気づいた。しかしそれに反し体温が下がっていることも確認できた。


「その程度も気づかないようでは、我々に届くことなんかない」


 それはオイゲネから発せられた勝利宣言であった。ユスフは自身の敗北を認めざるを得なかった。


(終わった……)


 最早ユスフの助かる道はなくなったそう判断せざるを得ない状態であった。しかしーー


「ふむ、まぁいいだろう。君のみの安全を保障してやろうではないか」


「え?」


 唐突のオイゲネの提案に少し戸惑うユスフ。


「なんだ何か不満でも?」


「いえ……しかしなぜですか?」


 普通に考えてオイゲネがユスフを守る必要性がまるでない。むしろ邪魔な存在のはず。


「君のいた場所での研究成果。かなり上出来ではないか、その点に関してのみ君の利用価値は十二分あると判断したのだよ」


 ーーそういうことか


 ユスフは理解した。このオイゲネはまだまだ自分を利用するつもりだということだ。おそらく用済みになればすぐに捨てられるだろう。しかしだからと言って今この提案に乗らなければすどのみちアウト。ユスフの道は一つしか残されていないようなものだった。


「わかっていると思うが、君はブラブラと都市に出歩くことはできない。よって山の奥に住むことになる。無論それなりの快適な暮らしは保証するがね」


「……」


 本音を言えばそんなことお断りだと言いたいぐらいだが、自分の立場をわかっているつもりだ。だから無言でユスフは肯定することにした。


「そしてもう一つ重要なことだが、君には引き続きキメラの研究を頼むよ。そのために他の研究所の情報も開示しようではないか」


(貴様にとってはそれが重要事項だろうな)


 そうユスフが毒吐く。


 そんなユスフの気持ちなどつゆ知らず、オイゲネはユスフに近づき彼の耳元まで近づき、とっても機のサプライズプレゼントをするかのような表情でこう言う。


「……その中にはあまり傷か少ない死者を蘇生する技術につながるかもしれないものもある。例えば()()()()()()()()()()()()とかのね?」


「!!」


 それは本当か!と叫び出したかったが、それよりも驚きのせいで声が出てこなかった。オイゲネはユスフの表情に満足してか、数歩ユスフに離れて行った。


「君の研究はそのことを中心で進めてくれ、君もそちらの方がやる気が出てくるだろう?」


 ユスフがニコを殺してしまったという負い目は未だ大きく心に残っている。そのことを突かれるのは大変腹立たしいものだ。しかしそれよりも小さいながらも希望というものに注意を向けらた。だからこそーー


「わかりました」


 ユスフはそう承諾したのであった。


「そうか!では今から迎えのものを手配しよう。数分で来るだろうから今から下まで降りていなさい。そうすれば丁度だろう」


 そう言われたユスフはもうこれ以上ここに止まる理由もなくなったので、無言でスタスタと出て行った。


 ーーー死者を生き返らせられるかもしれない


 もしかしたらそれは一度くらい誰しも考えたことがあるものかもしれない。そして技術の進んだこの世界ではもしかしたら実現するかもしれない。しかしそれは果たして光り輝く美しい希望なのかそれとも不純物が混じるものなのか。それを知るのはまさに神だけであろう。

最後まで読んでいただきありがとうございます


さぁユスフは一体どうなっていくのでしょうね?


感想等お待ちしてます。

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