突入
ここからエレーナが大活躍!
風桜山その山の中にある建物、そこに小型の飛行物体が放たれた。
「エンジェル、我々はリーベ王国のものである。すでに本建物は我々で取り囲んでいる。直ちに本建物を明け渡し、投降せよ。」
その小型飛行物体は投降を促すもののためであった。しかし……
「返事がありませんね」
「ええ、まあわかっていたことよ。威嚇射撃を行いなさい」
エレーナは指示を出す。
ドゴォオオオン!!
拠点の近くに空爆を一発行ったために出た音だ。そしてその場所は陥没した。
「あら、地下があったのですね。報告にはなかったかわわからなかったわ。あの中にどうやら大量のキメラを飼育していたようだけど、今ので少なくとも60%はなくなったんじゃないかしら?」
あからさまに言うエレーナ、おそらくあらかじめわかっていたのだろう。しかし表向きはたまたま撃った場所にたまたまその地下にキメラがあっただけだ。
「最終通告である。今から1分以内に一人でも出てこないのなら強硬手段を取る」
「さて行くわよ」
「待たないのですか?」
「どうせ出てこないわよあの連中は」
そういってエレーナはカンメッロを起動した。
するとカンメッロは空中に浮きその場で静止した。
「総員出撃!主要人物三名以外基本的に容赦する必要なし。これはリーベ王国の正当な武力行使である」
エレーナが出撃の合図を送るや否や、それぞれ飛空挺から飛び出た。
リザードマン、竜人は空中での戦闘要員として、リナと人志含むエルフとノールは陸戦部隊として、地上へと降り立った。
すると向こうも空中にキメラが向かってきた。謙也が初めて見たキメラであるホークライガーだ。その数およそ25。
「やっぱりまだ残っていましたか。まぁあの程度ならすぐに駆逐できそうですね」
エレーナは余裕の表情をする。事実空中で戦っているリザードマンと竜人は次々と倒して行く。
「リザードマン隊、撃てー!!」
ドラグーンⅡを装備して空中戦に参加しているリザードマン、三名。彼らは装備しているマシンガンで次々ホークライガーを打つ。
ホワイトホーク社産大型マシンガン“イヴェル”。弾数は500発、威力こそ少し劣るが玉の大きさを最小にすることによって連射が他の武器よりも優れいている点にある。また予備マガジンは3回まで自動補充される。つまり実質的な弾数は2000発だ。
「グオオオオン!!」
相当聞いているのかホークライガーは次々と叫び声をあげる。
そこに重く響く音が鳴る。その音が鳴るたびに一匹一匹頭がえぐられていく、そしてホークライガーたちはたちまち息絶えた蚊のように地上へと落ちて行く。
その音の原因は竜人たちによる狙撃だった。彼らは自身の翼で飛行しながらリザードマンより後ろで構えていたのだ。
ホワイトホーク社産ショットガン“オートンヌ”。威力に重点を置いた逸品だ。撃った時の衝撃も少なくブレが少ない。極めて扱いやすいものである。打つだけなら射撃経験がない謙也でも撃つことが可能なほどだ。
「本当にすごい」
謙也は思わずその言葉が出た。
「あまりよそ見はしないでください。今は前に集中してください」
そうエレーナは謙也を咎める。というのも今まさにエルフとリザードマンがこちらに飛行しながら迫っているからだ。
彼らが使っているのはドラグーンⅠ。ドラゴーネ社の初期モデルだ。つまりこちらより性能的に劣るということだ。しかし……
「どこでそれを調達したのか…後ほど調べる必要がありますね」
旧式とはいえそれは一般に出回っていないものだ。リーベ王国の軍隊くらいしか持っていないものなのだ。
「しかしとりあえずはどうでもいいことですね!」
そう言いながらエレーヌは右手をかざす。
「ワイルド・ダブルグラビテーション」
エレーヌは魔法を使った。人志が使ったダブルグラビテーションよりより広範にわたってその威力を発揮する。
「グェ!」
「ウゴォ!」
苦しそうに悲鳴をあげながら地上へと落下していく。その高さおよそ100m、その高さから二倍の重力で落下するとどうなるかは予想するのは容易だ。
ぐちゃという音を立てながらその肉体は潰される。
「「!!」」
その瞬間を見てしまった謙也とクリスティーネは思わず目を背ける。
「……あまり目をそらすのはよろしくありません。踏ん張ってください」
エレーナは表情を変えずそういう。
(そう言われても……)
思わずそう言いたくなるが、謙也は心に押しとどめておいた。エレーヌは謙也たちを思って言ったことには変わりないからだ。
「グオオオオオオ!!!」
左横からホークライガーが襲いかかってくる。
(やばい!!)
そう判断した謙也はすぐさま童子切安綱を呼ぼうとするが……
ドン!!
その前にエレーナがいつの間にか取り出したオートンヌでそちらを見ることもなく、ホークライガーの脳天を撃ち抜いた。
「さあ地上に降りますよ」
何事もなかったかのようにエレーヌはそう言う。
(これが実践に立つものの実力か……)
本当に強いを謙也は思った。
(やはり異世界から来ただけで俺は特別でもなんでもなのだな……)
薄々わかっていたことだが、今回はっきりと示されたように謙也は思えた。自分は多少珍しいものを扱えるが、別に強くもなんでもない、ただの男だということを認識させられたのであった。
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