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リーベ王国の首都ミッドロイド

第18話目です

 リーベ王国の首都ミッドロイド。謙也たち今気分転換として足を運んでいた。


 今更ながら、この国について説明しておこう。このリーベ王国は、カーロス5世が統治する国であり、王政を敷いている。ただしかし実情としてはこの国にはいわゆる憲法と同義である『王政主軸法』なるものがあり、国王といえどこの方から逸脱することはできない。さらに議会も貴族院と世俗院があり、どちらも台頭の権力を有する。さらに行政、司法は完全に国家試験を通らない限り入ることができなくい。つまり、この国は民主主義要素がかなり強い国でもある。ただこの国の政治の特徴として『総合行政府』なるもんがあり、これは五名という少数からなるものだが、限りなく強い権限を有する。そしてそこにエルク・マジソンは席を置く。すなわち彼は非常に優秀な男なのだ。


 そして首都ミッドロイド、経済的にも大きな影響を及ぼす都市だ。それだけに至るところに電子広告があれば、様々な店、会社の本部が置かれ。人口がとてつもなく多い。


(なんか東京と変わらないよな)


 どこへ行ってもやはり首都となると人は多いものだ。そのため首都にきてから謙也がまず思ったのがそれだった。


「すごいですね!みたことのない建物や乗物がたくさんありますよ」


 キラキラと目を光らせてクリスティーネは言う。


 確かに前の世界よりも科学的に進んでいるのだ、となればやはり彼ら彼女らにとって目新しいものも多数あるものだ。


「そうだなぁ、まずバイクはもうタイヤがないことに驚きだよ」


「車はまだあるのにバイクはもうないんですね〜」


「それに少数とはいえ空を飛んで移動できるのはまさに未来という感じだ」


 二人が視線を向けたのは、背中に四角いザック型のものを背負っているものたちだ。そこから光の翼が四羽出ており、それにより飛行することが可能だ。もっとも免許制でしかもまだ出てきたばかり、そのため価格ももれなく凄まじいのであまり普及はしていない。それでもさすが都心、すでに数十名ほど空を飛んでいるものを見た。


「なんかこうしていると私たち上京したばかりの人間みたいですね」


「違いない」


(クリスと一緒にいるせいか、はたまた目新しものに心踊らされているのか……、少し気分が楽だなぁ)


 ここしばらく初めてのことだらけで必死に仕事をこなし、慣れて来たと思えば今度はテロリストに乗り込むと来た。正直精神的にきついことが多い。だから今こうしていることがとても貴重に感じる。


「なぁ、クリス」


「なんですか?」


 謙也の呼びかけにクリスティーネは明るい口調で返事をする。


「その……、怖くはないのか?これからテロリストに乗り込むんだ。俺たちは見学していろと言われたがそれでも不安も恐怖心も情けないことに俺にはあるんだ」


「……」


 そう言われクリスティーネは目を静かに閉じ、深く息を吐きながらゆっくりと再び目を開け、その視線を謙也の目に向けた。


「私も正直怖いです。別にこういう仕事を望んで入ったわけでもありません。ただ連れてこられて気付いたらこの仕事をしていたのですから。なぜこんな目に?と思うこともありました」


(やはりクリスもそうだったのか)


 おんなじ境遇の人間を見つけたために少し喜びを感じた謙也であった。しかし決してそれを表情に出さない。出すわけにもいかないだろう。


「ですが……」


 しかしクリスティーネは続ける。


「ある程度覚悟もできています。この世界では私たちは身元不明者だったのです。それをなんとかしていただいたのです。そのためにこの仕事をする羽目になりましたけど、それでも温かいご飯が食べれて暖かいベットで寝れます。だからわたしは精一杯生きていこうと思います。せめてそう思うことだけでも努めたいんです」


 確かな言葉、とても力強いものであった。


(なんて強い子なんだろう)


 謙也は尊敬の念を抱かずにはいられなかった。この世界に来たのもほとんど同じ時期だ。にも関わらずこれほどまでに覚悟ができていたとは謙也は考えてもいなかった。


(ますます自分が情けなくなる)


 謙也は少し自己嫌悪に落ちいていく。


(ここに来てからというもの自分の情けなさを実感することが多い。その度自分は弱虫だと認識される。それがとてつもなく嫌だ。しょうもない自分のプライドが許さない)


 謙也は握っていた拳をさらに力を強める。それは爪が食い込んで血が出るのではと思うほどだ。


「そんなに握り締めたら怪我しちゃいますよ?」


 笑顔でそれも少しイタヅラぽい顔をして優しく謙也の両手を掴む。その幼く可愛らしい笑顔に少し見ほれてしまう。そのおかげで謙也は自己嫌悪から抜け出せた。


「どこか食べに生きませんか?リナさんがこの近くに美味しく、私たちには珍しいドラゴンの肉が食べられるところがあるそうです。値段は高いですが、私たちもそれなりにお金を渡されているのです。次の仕事前に少しご褒美として生きましょう」


 謙也は気遣ってなのか、それはわからない。しかし……


(彼女の笑顔を見ていると気が晴れる)


「あぁ、そうだな。リナさんがそういうなら是非行ってみようぜ!」


 謙也は少し明るく振る舞った。これ以上彼女に心配をかけるのも申し訳ないからだ。


(クリスといい、リナさんといい、本当に俺の周りの女性は綺麗で可愛くて優しい人だ)


 謙也は辛い仕事になっていくことを自覚しながら、周りは恵まれているのだろうと気づくことができたのだ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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