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my room

11話目です。

 エルクから案内された謙也はこれから自分の居住するところとなる部屋のドアを開けた。するとそこはシンプルだが、明らかに謙也が前の世界で住んでいた部屋よりも高級であることはわかった。上質なテーブルと椅子、そしてベッド。このベッドで寝るのは気持ちよさそうだ。また黒を基調とされているのが謙也としては嬉しかった。なんとも大人の男が過ごす部屋みたいで少し嬉しかったのだ。こういった点でやはり男子高校生なのだろう。


「そこのクローゼットを開けてみたまえ。」


 エルクにそう促された謙也はクローゼットを開けた。その中にはやはりそれなりに高価な衣類が入っていた。それだけではない。このクローゼット普通より少々デカく、少々疑問であったがその理由がわかった。クローゼットの中には、衣類以外に、これから使うであろう武器類が入っていた。防弾チョッキ、銃器、応急手当てセット、その他諸々。無論今まで見たことのないものばかりだ。しかし知識として知っているため、驚きは少ない。


「その中に入っているのは自由に使ってくれて構わない。必要と考えたらどんどん使ってくれ。まぁ、初めはわからないだろうからマルティンに助言を受けてくれ。」


「というわけでよろしく」


「うぉ!」


 いきなり後ろから大きな声で声をかけられたために謙也は思わず声を上げてしまった。


「……そこまで驚くか?」


「い、いや……つい。」


「……それではマルティン後は頼んだぞ。」


 エルクはそう言って出て行ってしまった。


「ゴホン!それじゃあ準備していくか。」


「ええそうですね。」


 二人はエルクが出ていくのを見届けてからすぐさま準備に取り掛かったのだ。


「まぁ、今回の任務を聞いていると持っていくべきものは大したものはないか。君には強力な武器もあることだし。それをメインに使っていけばいい。だから銃器入らないな。いるとしたらやはり防具服だろうな。」


「銃器もあったほうがいいのでは?」


 きっぱりと銃器入らないと言われたため、少し驚いてそう謙也は問いかけた。


「持って行ったところで使えないよ。君はまだ自分の武器すら満足に使えていないじゃないか。そんなところに銃器というさらに使い慣れていないものを持って行ったところで帰って邪魔だ。自分の武器に集中したほうがいい。」


 そう言われればそうかなと謙也も重い納得した表情をして見せた。また「それに近くには彼女たちもいるしな。」と付け足した。


「まぁ、とりあえずは謙也、君はこの強化スーツを着ておけ、防弾及び魔法に対してもある程度抵抗がある。かなり高級品だ。」


 そう言ってマルティンは黒とグレーをメインとしたスーツを謙也に投げ渡した。それを受け取るって見ると、なるほどかなり精巧に作られているのがわかる。やはりこの世界の技術はすごいものだと謙也は改めて感心した。


「そして連絡用のインカムな。それでみんなと連絡できるはずだ。」


 こちらもマルティンは投げ渡した。


「ありがとうございます。」


「あと戦闘になったらさっきも言ったが基本的に自分の武器で戦い、補助として魔法を行使しろ。わかっていると思うが、魔法は息苦しくなるほど行使しすぎるなよ。」


「はい!」


 マルティンがこういうのは訳がある。魔法は人それぞれ使える限度に限りがある。体力と一緒なのだ。そのためいきなり激しく使えば、すぐに息切れを起こす。無理をし過ぎれば、倒れることもあるし、最悪死んでしまう。だからこその忠告なのだろう。最も体力と同じなので、鍛えればそれだけ使える限度も増すことも可能なのである。


「さて、それじゃあ俺も帰るとするか、あとは応急手当等をそのスーツのポケットの中にでも入れておけばOKだ。」


 そう言ってマルティンは「それじゃあな!」と元気に挨拶をした後部屋を出て言った。


「……初の仕事か。」


 やはり初めては緊張するものだ。先ほどまではだれかと一緒にいたから気づかなかったが、こうして一人になると自分が緊張しているのが実感できた。


「足手まといにはならないようにしないとな。」


 謙也はせめて迷惑だけはかけまいと心に決めるのであった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


戦闘シーンなどは13話からとなります。


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