その笑顔が素敵
その笑顔は
とても
輝いている
みずみずしい
果実のようとも
言おうか
まさに
生きてるって
感じが
まばゆい光と共に
わたしの
目に
入り込むようにして
輝きは
やってくる
その笑顔の持ち主は
わたしが
通う
ショップの店員さんだ
最初に
わたしが
店に
行った頃は
なんだか
暗く
いつも悩みを
抱えていますみたいな
顔を
していた
話しかけても
つっけんどんな会話しか
返って来なかった
実は
わたしは
だいの人間観察好きで
たくさんの人間を
見て来た
そこで
ひょっとしたら
彼女も
変わることが
できるのではないかと
思い始めた
そこで
彼女大変身物語の
作成をと
考えてしまった
そこで
彼女のことを
少し説明を
身長は
160cmぐらい
体重は
おっと失礼
女性には
禁句だよね
そこそこの体重と
言っておこう
髪は
ストレートで
肩ぐらいまで
染めてはいないみたいだ
なんと言うか
容姿には
なりふり構わない感じだ
服装も
制服ではないので
チェックのシャツに
ブルージーンズ
飾り気のなさが
良いと言えば
良いのだが
もう少し色気が
欲しいなぁと
つくづく感じるのであった
そこで
会話誘導作戦と
行こうかと
まずは
ネームプレートに
氏名は
書いてあるから
そうだな
星座から
聞き出すか
それが
なかなか話しては
くれないのだ
無理矢理と言う訳にも
いかず
できるだけ
負担のかけない
会話から始めることにした
ねぇねぇ
この品物
どう思うと
話しかけてみる
しばらく間が
あったが
いいと思いますと
返事が
言葉の分子たちと
一緒に
来たー
これはいけるかもと
わたしの心は
ささやいたのだ
それから
それから
あししげく
通い始めるのだった
むろん
買わないと
ナンパしているようで
怪しまれてしまうから
彼女大変身物語も
できなくなってしまう
そこで
できるかぎり自分の
欲しそうな品物を
探しては
ひとつだけ
買うことにした
そういえば
この前は
星座の聞きだしだったなと
記憶の再現
今日こそは
聞き出すぞと
意気込んで
店に
入る
しかし残念
彼女は
休みだったのだ
そういえば
休みの日まで
聞き出すのは
完全に
ナンパだなと
いや
まてよ
ナンパだって
良いじゃないか
どうせ
多少の好きは
あるはずだ
だから
大変身物語を
計画したのではないか
それなら
もう付き合うしかないと
思うのだが
果たして
彼女は
goサインを
くれるのか
仮に
彼氏がいるなら
大変身物語は
頓挫してしまうにちがいない
それだけは
勘弁してください
神様と
心が
叫ぶのであった
そこで
他の店員さんに
すみませんけど
話しかけ
彼女の休みを
なんとか
聞き出せた
どうも
その人は
店長らしい
だから
お客には
便宜を
はかってくれたみたいだ
よーし
彼女の休みを
だいたい聞き出せたぞと
急に
うれしくなり
いまにも
ロケットのように
宇宙空間まで
飛びそうな感覚に
なった
しばらくすると
ふと店へ
出かけてみた
彼女がいるではないか
ラッキーと思い
恐る恐る
話しかけてみた
あのー
突然ですが
星座は
なんですか
彼女は
キョトンした顔で
わたしをみた
しばらく間を
おいて
正座ですと
答えがきた
え!と
驚く
わたし
星座じゃなくて
座る正座ときたか
ギャグの才能あり
それならと
思い
そうですか
ずっと夜空に
座る星なんですねと
返した
その瞬間
彼女が
少しだけ
笑みを
浮かべたように
見えた
やったー!
もう一息だ
それじゃ
好きなものはと
聞いてみた
猫と
返ってくる
猫か
苦手なんだよな
過去に
バリかかれた
記憶があるから
トラウマに
なっている
わたし
猫猫ですかと
しどろもどろに
返す
それで
種類はと
聞いてみる
あのー
とら猫です
と答える
とら猫かー
ますます
トラウマが
膨張してきた
実は
わたしは
犬好きなんですなんて
言えないよな
あ
僕も
猫が
好きなんですと
うそで
返す
そしたら
彼女は
やはり
種類はと
返す
すかさず
わたしは
ライオンと
答える
え!と
絶句している
彼女
もしかしたら
ライオン飼っているんですか
ちょっと
まてよ
ライオン飼うなんて
ありえない話しだろ
しかも
真面目な顔で
返してくるから
心は
大爆笑
冗談だよ
冗談だよと
彼女に
話す
そして
だんだんと彼女と
話すしているうちに
少しづつたか
彼女の笑顔の大きさが
増えてきた
しめしめ
やったぞ
大変身計画めも順調だ
それから
何度か
店に
足を運び
ついに来た
何気ない会話から
彼女に
これまでに
見たことのないくらいの
笑顔が
出現したのだ
これだー
この笑顔だー
わたしの心は
最大限に
うれしい悲鳴を
あげている
その笑顔は
彼女の心からの
素直な笑顔だった
その笑顔に
まさに
太陽の光だと
わたしの心は
うれしい
うれしいと
泣いているようだ
その後
彼女は
彼女の笑顔で
たくさんのお客さんに
明るい光を
与えるだろう
これで
彼女の大変身物語は
終わったのであった
わたしも
また
誰かの
大変身物語を
協力してみるか
ありがとうと
言葉を
残して
店を
出るのであった