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異世界に来たやつ皆、XX !  作者: なみやん
第一章  異世界へ
1/8

ヒデト。財布を奪われる

 「はぁはぁはぁ、こら!待てよ!」

 全速力で追いかける。

 ただ今、日曜、午後3時。

 ちょうど、今から一五分前位の事。

 僕は、いつものように行きつけのゲーセンに足を運び、そして、いつものように対戦ゲームの席に座った。

 高校三年生、学校に通いながらスーパーのレジ打ちのバイトをしていた僕の家庭は、貧乏でもなければ、裕福でも無く、ごく普通の家庭だ。

 しかも、この年にもなれば、おこずかいという物も当然もらえるはずもなく・・・財布の中は携帯代などで消え、ほぼ残っていない。

 その貴重なお金をこうして対戦ゲームで消費する。

 ゲームをしたいからじゃなく、日々たまっていく様々なストレスをここで発散する為に。

 つまりは、お金でストレスというゴミを、このゲーム機に吸い取ってもらっているのである。

 話を戻そう。

 どうして今、こんな全速力で目の前にいる男を追いかけているのか。

それは・・そう。

 さっきの話にもあった、ストレス発散気につぎ込むつもりだったお金を、目の前にいる男にすられてしまったからだ。

 格闘ゲームに夢中になっていた僕の目を盗んで・・その隙に。

 いつもはジーパンの左ポケットにしまっていた財布。

 それを今日に限って、右ポケットに入れてしまったのが運の尽き。

 僕が座っていた席の左側は、何もない壁、しかし、右側には同じ対戦ゲーム機がおかれている。そこに座っていた男に財布をすられてしまったのだ。

 「おい!誰か!捕まえてくれ!」

 僕は叫ぶ。例のゲームセンターを出てからもう二〇分は経過している。

 追いかけても、追いかけても、僕と犯人の距離は変わらず。

 めいいっぱい叫んでも、誰一人として見て見ぬ振りだ。

 中学の三年間、陸上部に入っていたにも関わらず、何一つ能力を発揮できていない。

いや、違う。普通に考えて、約二〇分も全力疾走出来るはずがない。

 普通の人であれば、もうとっくにバテテいるはず。あいつ・・何者だ?

 僕は、この日のために毎日、広すぎるグラウンドを走っていんだと心に言い聞かせ、男を追いかけ続ける。

 

 

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