Flight21‐断罪の裏にもバベル
たいっっっっっっへん長らくお待たせしましたッ!! 夷神酒再始動です!! (後書きに真面目な謝罪文有り)
前々回、俺は確実にビルの屋上で駆と陸上部部長の様子を監視していた。
三人の遠距離監視と一人の近距離監視……妥協点を補う意味では高レベルの監視態勢だと言える。
しかし……現在、俺は駆達を見失っていた。
挙げられる原因は三つ。
それは『四谷姉妹の予想外行動』と『光の選択ミス』、そして『予想外行動に対する対策を備えていなかった俺のミス』だ。
その様子は回想で……と、行くのが神酒の定石だが、今回の件は俺の説明だけで解説することになった。
やはり、執筆を怠っていた者に時間軸を遡るのは難儀な事なのだろう。
さらに、通りすがりに指摘された誤字(『一応』を『一様』としていた)を引き摺っているのだろう。
打たれ弱くだらしない作者に代わり、役不足かもしれないが俺が感謝する。
必ず修正させるから、今暫く待っていてくれ。
「玲……黙っとらんで、この状況なんとかしてくれや」
俺が感謝の意を示していると、隣から光が小突いてきた。
横目に見てやると、いつも笑顔を絶やさないその顔が、今は軽度に引きつっている。
「俺に打破する手があると?」
「その言い回しは……ないんやな」
「無論、皆無だ」
俺は光に断言する。
俺にはここ……駆達がいたカフェの最奥席である四人掛けテーブルで起こっている惨劇を止める事は出来ない。
「これ以上見とると……一週間は甘いモンいらへん」
「俺は一ヶ月以上だ。天達塔の威力がこれほどとはな……」
そう、俺と光の前には巨大な糖分の集合体……このカフェの春季限定商品である『苺の天達塔』が立ち塞がっていた。
更に、一つのみでも十二分な存在感を放出するこの塔が、俺達の面前には二つも存在しており、その大部分が既に崩壊している。
分かってると思うが、この塔を攻略しているのは俺でもなければ光でもない。
「バカ駆ッ! あんなに楽しそうに……今度会ったら蜂の巣にしてやる」
「ダメ……かーくん、月曜は保健室に……軟禁する」
俺と光の向い側で危険発言をしながら、二つの天達塔を解体しているのは、暴走気味の四谷姉妹……この二人が自棄食いしているのだ。
理由は……言うまでもない。
しいて経緯を説明するとしたらこうだ。
――駆と陸上部部長が仲良く食事しているのを見ていた四谷姉妹。
光が追加購入してきた双眼鏡も悉く破壊した二人は、俺の静止も聞かずに駆達に接触しようとしたため、俺が急いでカフェの店長を呼び出し脅迫。
普通に入店した場合、駆達に発見される可能性があるため、店長に裏口からの入店と駆達から死角となる最奥席を手配させ、四谷姉妹を食物で釣る事で接触を防いだ……そこまではよかった。
その時、四谷姉妹が注文したのがこの『苺の天達塔』だ。しかも二つ。
その注文の声を聞いた時、店内の空気が凍結したのは、まだ記憶に新しい。
そして今、既に店内から駆達の姿はなく、追跡方法を失った……いや、正確には追跡方法はまだあるのだが、面前の光景にやる気を削がれた。
俺と光は四谷姉妹が暴走しないように見張りながら……甘味に対する軽度の心的外傷を植付けられいるのだ。
そして、二つの巨塔は俺達の面前から完全に消え去った。
「やっと終わってくれたわぁ」
「三十一分五十三秒……今までの記録を二十分以上縮める奇跡的記録だ」
四谷姉妹は、その体型からは考えられないほど量の甘味をその体に収めきった。
俺達は驚愕しながらも、この状況から解放される安心感に胸を撫で下ろし……
「なんか……足りない」
「彩ネェもそう思った? 私もなんか物足りない」
「……おかわり、する?」
「そうしましょ。すみません、注文お願い」
隣を見てやると、光は不自然な笑顔のまま硬直していた。
……今回ばかりは俺の顔も引きつっているだろう。
呼ばれたウェイターも、完食された天達塔を一目見たのか、苦笑いを浮かべながら、こちらに接近してくる。
「いかがいたしました?」
「追加注文よ。これと同じ物を二つ」
「………………は?」
「聞こえなかったの? このパフェを二つ、お願いできる?」
……この店に、二度目の衝撃と寒波が訪れた。
「……玲」
「なんだ?」
「俺、ホンマに帰りたくなってきたわ」
「……右に同じく」
俺は店内のほぼ全員から来る多数視線を感じながら、面前の二人を見る。
……駆、何故いつもこの姉妹の近くに居られるのだ?
現在位置不明な親友に一種の敬意の念を覚えながら、俺は現状分析という現実逃避を開始した。
さて、今回の後書きではしなければならないことがあります。
insect様、アマバラ様、かい様、スーさん様、通りすがりの愛読者様、実行者様、メーデー。様、doubter様、PUPU様、亜紀様、めーでー。様、カイン様、ラグ様、れん様。
嬉しいご意見、ご感想本当にありがとうございました。
また、他読者様にもこの場で謝罪させてください。
長くに渡り、更新を滞らせてしまい誠に申し訳ありませんでした。
また、通りすがり様。
誤字の指摘、本当にありがとうございました。
貴方に指摘してもらえなければ、これからも同じ間違いを繰り返していたことでしょう。
これから時間がある時に修正させていただきます。
そしてかこ様。
厳しいお言葉ありがとうございました。
私はプロなどではなく不完全な未熟者なため、貴方のご期待に応えられるコメディは書けないと思いますが、構成見直し等の努力をさせていただきます。
今回長期に渡り投稿停止した事で、私は多くの事を考えさせられました。
その事を踏まえて、これからも未熟ながら執筆活動を続けていきたいと思います。
頼りない私ですが、これからもよろしくお願いいたします。
2008 8/7‐夷神酒