表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/39

Flight10‐脅される者と探る者

後半は完全に伏線です。意味が分からなくても放置しておいてください(焦




 前回、彩さんに……あれは誘拐っていうのだろうか?

 どっちかって言えば連行か?

 …まぁ、一時間ほど彩さんに保健室で遊ばれてから、僕は生徒会室に戻ってきていた。




「…ふぅ、これでOKかな」



 この場に戻ってきた僕は、まず迷わずに盗聴器発見器を使った。


 そして、結果は見事大当たり。


 六十三台の盗聴器と三十四台の小型監視カメラが見つかった。

 前回突然彩さんが来たのは、生徒会室ココの様子を、ずっと監視してたかららしい。

 てか、僕は『月』と書いて『ライト』って名前でも、『神』と書いて『キラ』と呼ばれてる人でもないんで、そこまで監視しないでほしい。


 んで、放課後になってやっと、その盗聴器等の取り外し+部屋の掃除が終わったのだ。



「やることやったし………帰るか」


 部活に入ってない(勧誘はあるけどすべて拒否)僕は、バッパと帰りの用意をして……



「カ〜ケ〜ル〜?」

「ん…?」



 名前を呼ばれてその方向を向くと、音もなく開けられたドアの先に、仁王立ちした彩貴の姿があった。



「彩貴か…どうした? なに

「なんで授業受けなかったのよ!!」……へ?」



 訳の分からないことを言いながら、彩貴はズンズンと僕に近づいて来る。

 その威圧的な雰囲気に、僕は胸ぐらを掴まれるまで動けなかった。



「なんでこんな所で時間潰してるのよッ!!」

「ちょッ! やめれぇ! 首がもげるぅ!!」



 首を前後左右にブンブン振られて、まともに喋れない。

 の、脳ミソが揺れるって!



「いや…マジ…ギブ………」

「あッ…ゴメン。やりすぎた」



 僕の状態に気づいたのか、彩貴はパッと手を放す。



「…ゲホッ……いきなりなにすんだよ」

「だから! なんでアンタは教室にいなかったのよ!」



 僕がむせながら質問すると、意味不明な質問返しが来た。

 てか、なんで僕が教室にいなきゃ行けないんだ?



「いや、特級生なんだから別にいいでしょ?」

「関係ない!! 私が出てるんだからアンタも出なさい!!」

「…なんだその理不尽」



 お前の物は俺の物。俺の物は俺の物的なヤツか?

 イジメっ子の法則か?



「…せっかく一緒のクラスになれたんだから……」

「ん? なんか言ったか?」

「な、なんでもないッ!! とにかく! これからなにもない時は必ず授業に出ること!! 拒否権はなし!! いいわね!」

「いや、それは個人の自由…」


 言葉の途中で、僕の目の前に鈍く黒光りする一本の筒が突き出される。

 彩貴は目が笑ってない笑顔で、その筒についてる引き金に指を掛けていた。


「い・い・わ・ね?」

「………はい」



 ……自動小銃アサルトライフルなんて、どこに隠し持ってんだよ。

 そんなことを思いながら、僕は武力に屈した。















―――――――――――――――












「新月の黒猫……四谷のサーバーでは新井月にいづき朔夜さくやの名前で登録あるが……これは偽名か」




 暗闇の中にぼんやりと光を放つ液晶画面には、ネット中に広がった新月についての情報が纏められている。


 新しい情報には幽霊説や宇宙人説など…はっきり言ってきな臭い。

 それに対して古い情報……特に四谷令嬢誘拐事件時の警察庁や報道機関のサーバーにハッキングした方が数十倍信用できる



「…今度は本物と見て間違いないだろう」



 対象が見つかり、叩くキーボードがいつもより軽快に音を刻む。

 その速度は人の指が動く限界に近づきながら、指の一本一本が正確に目標のキーを叩いていく。



「これで片割れの目的は達成出来る。後は…」



 言葉と同時に指は動きを止め、最後の仕上げに右手の人差し指がEnterキーを押す。

 すると、画面の様子が変わり、ある人間の情報が画面上に映し出される。




 新月の黒猫が四谷『最強』なら、この人間は史上『最悪』。

 史上最悪のコンピュータウイルスを製作した者であり、全世界のハッカーの頂点といわれる人間。

 その人の手掛かりは、『薔薇のような深紅』と言われる瞳を持っているということのみ。




三十日みとび八雲やくも…いや、深紅大蛇クリムゾンサーペント……お前も必ず見つけだす」




 文字と数字だけの画面に、まだ見ぬ相手を見据え、ゆっくりと眼鏡を押し上げた。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ