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Zodiac Frontier Online(ゾディアックフロンティア・オンライン)  作者: 剣伎 竜星
第2章 ポイエイン国の狂気の錬金術師(マッドアルケミスト)
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第1話 戻ったけれども・・・・・・?

第2章開幕です。



「やはり町並みは少し変わったか……」


俺は今、ポイエイン国の第2都市で拠点のあるカリュクスに

3年ぶりに戻ってきた。


 スレイプニルのおかげでゴブリンのネストから

2時間程度で着いてしまった。

通常だったら馬車で4日らしいのだが、洒落にならない性能だな。

少しだけだが空も飛べたし。


 俺の意識的には3日ぶり位の感覚なのだが、寝こけている間に

3年経っていたという、改めて、どうしてこうなった感が

半端ない状況だ。


 とりあえず、記憶のなかにある自分の拠点みせに行こうと

あゆみを進めようとしてあることに気づく、というか、一気に血の気が引いた。

拠点がなくなっていたらどうする!?


 ここまで来てそのことに気づいていなかったことに愕然がくぜんとした。

まぁ、そうなったら世界を回る根なし草の生活をするか、

幸い、ギルドカードは使えるみたいだし。

 いや、いっそのことダンジョン作って隠者生活するのも悪くないかもしれない。


 最悪の事態を想定しつつ、記憶の中とあまり変わっていなくて、

安堵しつつ、目印の黒猫の看板、変わってないなぁ、を曲がって目的地へ。


 おお、あった、まだあった。

 他の店と同じ赤茶色のレンガでできた1階は店舗兼工房と倉庫、

2階は住居の建物。小さめの店の後ろに大きな建物が付いている外観だ。

 薬品や補助アイテム、召喚獣用供物に加えて、マジックアイテムを

扱う万屋よろずや”蛇遣いオピュクス

 でも、営業時間中のはずなのに中に人の気配がしないな……

ううむ、裏口から入るか。俺は店の入口の裏側に回って、

裏口の前に立つが……おや? 開かない??

いつもならガチャッと開くのだが。仕方ない。鍵を出すか。

 俺はアイテムボックスの重要品リストから、

【万屋 蛇遣い座のマスターキー】を出した。

出した瞬間ガチャッという音と共に扉が開いた。

 なるほど、ゲームの時は全自動フルオートだったけれど、

今は鍵に反応してはじめて開くのか。


 妙な所に感心して、店内へ。

店内は照明を点けていないようで微妙に薄暗かったが、

ほこりがないところを見るに綺麗きれいに掃除してあるようだ。


 俺の従者の2人は留守か。

2人は店員も兼ねているのだが、どこに行ったんだろう?


 俺より少し背が低く、金髪緑眼で服越しでも存在感のある胸を

もち、腰が細く、スタイルがいい、ロングストレートの髪型の

穏やかなエルフの美女、リリィ。


 俺より6歳歳下でリリィより更に背が低い小柄だが、身体能力は上。

スタイルは発展途上で、胸は……これからの成長に期待される。

ポニーテイルで長いサラサラの銀髪をまとめている橙眼の耳と尻尾がある

銀狼族の美少女、ソフィ。


 2人には俺がいない間この店を頼んでおいたのだが、

出かけているのか?


 仕方ない、店の商品在庫を確認……って、なにもないな。

そういえば、2人とも生産系スキルを持っていなかったんだった。

3年もすれば流石に在庫もなくなるよな。

 

こうしてはいられぬ。早速、作って補充せねば!!

そう思い立って、俺は足早に店舗に併設している店奥の工房へ

足早に向かった。




 「なぜ店名が万屋よろずや”蛇遣いオピュクス”なのか?」


初めてこの店に来たお客さんにほぼ確実に訊かれる質問だ。


答えは薬をメインに扱っているから蛇遣い座のアスクレピオスに

あやかって、万屋なのは薬だけじゃなく、マジックアイテムなど

なんでも扱っているからだ。

 そして、お客さんに答えているのはもちろん、リリィだけどな(苦笑)


 俺は工房の生産スペースにある多量生産向けの大型器材の

前に立ち、机の鍵付きの引き出しの鍵をマスターキーを使って開け、

配合率などをメモしたサンク王国にいた時から使い続けて増え、

10冊を超えたレシピノートの中から商品用のを取り出し、

練者の腕輪のアイテムボックスと工房に設置している特大サイズ

保管ボックスから、材料に使う素材を使う分だけ出した。


 準備よし……ああ、忘れていた。装備も替えないといけないな。

【調合】と【合成】のスキルは非常にデリケートなもので、

器用さなどのステータス数値やスキル熟練度だけでなく、

装備に設定できる追加特殊能力のなかには成功の是非を

握っているものが多い。

『クスシ蛇のベルト』に『ミスリル銀のシャツ』、

『アリアドネのスラックス』、『狂錬金術師マッドアルケミストの白衣』、

『アスクレピオスの杖』、『パラケルススの眼鏡』、

『フルカネリの指輪』、『エメラルドタブレット』、

青髭(あおひげ)卿のネクタイ』

これでよし。

 装備を変更したから見た目も変わる。

これまでの魔術師然とした姿とは一変し、

外見は完全にマッドな白衣の研究者だが、

この装備の組み合わせが現時点での最適解であるから気にしない。

 ちなみに杖はベルトに固定して、タブレットは白衣のポケットの中だ。

 いづれもSRスーパーレアクラスの装備で、

特に、『クスシ蛇のベスト』と『ミスリル銀のシャツ』、

狂錬金術師マッドアルケミストの白衣』はポイエイン国の仲間が

作ってくれたオーダーメイドの1品物だ。


『パラケルススの眼鏡』は伊達眼鏡だけれども、

びん底眼鏡みたいに見えるから、これ付けると見た目の怪しさが

大爆発なんだよな。

 とはいえ、【調合】と【合成】の成功には代えられぬ。

諦めて、さくさく作りますか。


 まずはHP回復薬ビギナーポーション、ポーション、

ハイポーション、これらを500個。

ミドルポーション、エクスポーション。

この2つは300個でいいな。

 次にMPマナポイント回復薬はマナポーション、

エーテルポーション、この2つは300個だな。


 あとは材料をメモ通りに入れてっと……これでよし。

準備を終えて、俺は大量の素材を入れた大型器材の前で

【調合】を開始した。




 調合が完了し、できあがった商品の品質を鑑定スキルで確認して、

いつも入れている店売り用の保管ボックスに収納したあと、

俺は工房の休憩スペースに作ったソファーに座り、

工房の研究スペースに移動して、マジックアイテムの研究をするか、

2階に行って休むか、と思案していると小腹がすいた。

現時刻は16:20。

 俺は研究は夕食後にするかどうかは後で判断しようと結論づけて、

工房を後にした。


 夕食をどうするか考えながら移動しているうちに、

戻ってこない従者たちのことに思考が向き、

彼女たちを心配すると同時に、1つの可能性に思い至った。


『リリィとソフィは帰ってこない』


そのことに考えが辿りついたら、一気に気が滅入ってきて、足取りがヤバくなった。

1年前に経験した感覚ではあるが、かなりキツイな。

 やっぱり、ここにあるものを移せる広さのダンジョン作ってそこを拠点にするか。

 そういう考えも浮かんできたが、不意に目に映った右手の甲にある

妖精族エルフの祝福”を見てその考えを押しとどめた。

そう結論づけるのは、馴染みのこの都市の市長と話をしてからだ。

 そういえば、市長のあいつもプレイヤーだったな。

もしかして、代理か新しい市長がいるのかといった疑問も浮かんだが。

 とりあえず、外で軽く食べて市長に会いにいくという方針を立てて、

裏口の扉の前にあと数歩というところで、いきなり扉が開いた。


「「え?」」


突然の展開に思わず出た俺の言葉と同じく、

目の前に立っている驚きの表情を浮かべた人ではない長さの耳(・・・・・・・・・)をもつ

俺より少し低い身長が女性の言葉が重なった。


 次の瞬間、思考が止まっていた俺に彼女が涙を浮かべて抱きついてきた。

それをしっかり抱きとめて彼女を宥める俺だが、頭の隅でそういえば作業着(・・・)

ままだったと苦笑いして普段の、冒険するときの装備に着替えた。

ご一読ありがとうございます。


 シオンは自分を戒めていますが、1つのことに集中すると

周りが見えなくなる傾向があるので、何回か今回の作業着のまま

買い物や市長との約束で外に出てリリィに怒られてます。


 また、シオンは好色ではなく、歳相応に女性が好きな人間です。

バック○アード様が召喚されるような特殊性癖はありません。

 余談ですが、この世界に小人族は存在します。

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