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第22話 はっちゃけるケレシス! シオンとソフィはどこへ!?

今回で3章終了の予定でしたが、

予定を大幅に上回る長さになったので、分けます。



……ザザアアアアアアッッ…………ザザザアアアアアアッッッ…………ザザザアアアアアアッッッ…………


耳朶に響く心地よい波濤はとうの音で目が覚めた。


どうやら、ロッキングチェアに座って寝入っていたらしい。


 俺が今いるのはポセイドン神域大神殿直轄の観光地にある砂浜に面した

最高級宿屋の1室だ。



 アホ神官達に拉致られたリリィ達と一足先にミノ迷宮(ラビリンス)行きになっていたケレシス達を救出してから既に5日が経過した。


 ミノタウロス【起源種(オリジナル)】の解体ショーは直前になって

ケレシスがリリィたちに頼み込んで俺を制止したため、中止せざるをえなかった。


 まぁ、迷 宮(ラビリンス)に閉じ込められて肉体的にも精神的にも、

疲労しているリリィたちに見せるものでもないので、

一旦、首、両肩、両手首、両脚、両膝、両足首を死なないように

回復魔術を使いながら(・・・・・・・・・・)切断して、今回活躍した黄金刀(アリス)

ミノタウロス【起源種(オリジナル)】の魔力の味見をさせた。

そして、分かった事実。


【結論:ミノタウロス【起源種(オリジナル)】の肉は食えない】


最高級の松○牛と同じなんじゃね? ……と思っていた時期がありました。

 しかし、蓋を開けてみれば……。


 起源種よりも下等になるグレイタウロスや下級(レッサー)タウロスの肉は問題なく、

市場に(食べれる部位の少なさとその美味から)高級品として流通してすらいる。

 だが、なぜかミノタウロス【起源種(オリジナル)】の肉は食えない。

しかし、その理由は明快であった。


 ミノタウロス【起源種(オリジナル)】は半人半牛ではなく、

半神半牛だったのだ。

 母親であるパーシパエは太陽神ヘリオスと女神ペルセイスの娘で

れっきとした女神であり、その番となった牛も海皇ポセイドンが創り出した

精霊的な存在だったため、霊的存在に近いと言える。


 そのためミノタウロス【起源種】の体内を巡る高濃度の神の血、

霊 血(イーコール)の所為で肉質が異様に固く、普通の人の身、

物質よりの肉体では食べることができない。

そのまま(・・・・)焼いて人間が食べるのには適していないのだ。


 結局、バラバラにして悶絶するダルマ状態のミノタウロス【起源種(オリジナル)】に元通り、

手足をエクスポーションでくっつけた。

 そのあと、召喚したマインドフレイアの【マインドブラスト】で精神を破壊し、

マインドフレイアと交代で召喚したカトブレパスの【悪魔の瞳】で石化して、

ミノタウロス【起源種(オリジナル)】は石像となって俺のアイテムボックスの中だ。


 ポイエインに戻った後、第3都市であり、学術都市であるセーメンに

ミノタウロス【起源種(オリジナル)】の石像を持って行き、石化解除して、

改めて解体ショーを行われることになった。

俺が参加できないのは残念だが、既に第3都市長には連絡済みだ。


 さて、クレタ国のことだが、国王ミノスがまともな人間じゃなかったのは

想像に難くなく、ケフェウスに勝るとも劣らぬ下衆であった。

 正妻のパーシパエ王妃を放置して気に入った女性に手当たり次第、

力ずくでも手篭めにする下種な女好きであった。

 親は父親が大神ゼウス。母親の母が海皇ポセイドンの娘で父が人間という、

血筋的に3/4神で1/4人間というクォーターヒューマンだったのだ。


 血筋なのか、子供ができたからといって、正妻をあまりに蔑ろにする態度に

妻であるパーシパエは女神ヘラよろしく、激怒して、別の女を抱こうとすると

ミノス王の体から毒蛇や蠍、ムカデを出す呪いをミノス王にかけた。

 しかし、ミノス王は浮気を辞めなかった。(二重の意味で)襲われた女性は

たまったものではない。王が浮気する度に女性の死体が量産されていたそうだ。


 しかも、不倫して夫に追われてクレタ国に逃げてきたプロクリスという、

高名な魔女キルケの妹が姉の秘薬を使ってパーシパエの呪いを無効化し、

しばらく関係を持っていたらしい。

 これがミノタウロスが生まれる前の話。


 そんなミノス王も閉じ込めたダイダロス親子が迷 宮(ラビリンス)を脱出して、

ポセイドン神域内のシリチアへ亡命したという偽報に踊らされて、

シリチアへ乗り込み、ついでに王女たちに手を出そうとして入浴中に

熱湯を浴びせられて死んだらしい。


 そして、国王不在になって、王妃は牡牛に夢中。

子供達はまだ年端もいかぬとなり、この国で大臣たちよりも強い権力をもつ

神官たちが子供たちを抑え、実権を握っていたという訳である。


 また、王妃パーシパエが牡牛に夢中になった原因は美の女神アフロディーテを

女神として扱わなかったことにあるのが侍女たちの証言からわかった。


 更に、アフロディーテに唆され、半ば洗脳された神官たちは崇めるべき

ポセイドンそっちのけで、アフロディー手に言われるがまま、偽の神託を

クレタ国に出し続け、国内に滞在していたアテナ神域の冒険者たちを

ミノタウロスを増産する糧として拉致して、迷 宮(ラビリンス)に閉じ込めていた。


 アテナ神域に限定していたのはポセイドンがアテナに戦いで負け越している

という理由にすれば信憑性が高まるからという理由らしい。

 俺達が迷宮を脱出したあと、洗脳された神官たちは大神殿直属の神殿騎士たちに

連れて行かれた。その末路は想像に難くない。


 そして、今回被害にあったアテネ神域への賠償が交渉が行われ、

その交渉に当たったサンク王国の宰相、ケイは終始ホクホクの笑顔、

ポセイドン側の外交官は真っ青という見事に対照的な表情をしていた。


 俺の迷 宮(ラビリンス)の壁ぶち抜きの件は精霊木女神(ドリアード)の力を借りて行った

詳細な迷宮内の魔力解析と龍脈解析レポートを提出したので、

結果として相殺されてお咎めなしになった


 迷 宮(ラビリンス)にはミノタウロス【起源種(オリジナル)】が柱になって、

捕らえた人間から生命力と迷宮内のあらゆる魔力を吸収。

その集めた力でミノタウロスたちを量産するメインプラントのほかに

サブプラントとして、龍脈の魔力を使ってミノタウロスを量産する装置があった。


 今後はそのサブプラントをメインに挿げ替えて冒険者の狩場として、

ポセイドン大神殿直轄のダンジョンとして迷 宮(ラビリンス)を運営するという。


 余談だが、迷宮内の宝箱は猫妖精(ケットシー)が俺の与えた任務を見事に全うしてくれたから、

大収穫であった。褒美に30年もののマタタビ酒をあげた。


「こ、これは幻の……隊長、ありがとうごじゃいます。一生ついていきますにゃ」


と号泣しつつ感謝され、嬉々としてケットシーは送還陣の中に消えていった。


 その成果の代表的な物は、決してなくならない無限の投げ槍アンリミテッドジャベリンと、

狙った獲物は逃がさない猟犬ライラプス、そして、不可避の死棘槍(ゲイボルグ)


 別神話の武器が何故と思ったが、どうやらZ F O(ゲームだったとき)の影響のようだ。

元々、ミノス王の宝物のなかに”狙った獲物は決して外さないという槍”があり、

それが同じ性質をもつかの槍と同一視されて固定されたようだ。

この槍もアレス神域側に渡すのは危険。

 俺はもう少しレベルが上がったらクオル辺りに渡そうと考えている。


そうして考えていると、不意に扉がノックされた。


「シオン様、よろしいですか?」


「ああ、リリィか。構わないよ」


「失礼します。ケレシス様がお呼びです」


「? なんだろう?」






「青い海! 白い雲!! そして、真っ赤に燃える太陽!!!」


燃えるような長く伸ばした赤い髪を三つ編みにしたケレシスがきわどい水着、

たしかスリングショットだったか? に身を包んで力説している。

見た目がプロポーション抜群なだけに目の毒であるが、中身が残念な男であることと、

向こうの世界での姿を俺は知っているから、どうしても俺はケレシスが異性に見えない。


ちなみに俺とヘンリー、クオルは標準的なトランクスタイプの水着を穿いている。


「おいおい、自分たちの部下(団員)はどうした、団長?」


「彼女達なら無 問 題(モーマンタイ)

上司がいないほうが寛げるときもあるさ! ということで、

今日はカサンドラたちとは別行動でエンジョイ、バケーション!!」


やたらテンション高いケレシスに若干ウザさを感じつつも、

今回に限り俺はなるべく邪険に扱うのを控えている。


 その理由はケレシス(こいつ)がリリィ達を保護してくれていなければ、

あの迷 宮(ラビリンス)の魔物どもより先に発見してくれていなければ、

リリィ達が助からなかったからだ。


「兄貴、指示どおりビーチパラソルとビーチチェアを用意したぞ」


「ああ、お疲れ様。クオルと一緒にこれでも飲んで、みんな揃うまで休んでいてくれ」


俺はそう言ってアイテムボックスから柑橘系果汁を調合して作った試作スポーツドリンクをいれた瓶をヘンリーに渡した。


 専用の瓶もしくはペットボトルの様な軽量な容器を用意したかったが、

生憎素材も開発レシピもなく、マナポーションに使っている瓶を流用している。

 少し重いが、頑丈で割れず、保冷性もあるのでしばらくはこれでも問題ないだろう。


 そういえば現 実(むこう)の世界では某大作RPGとコラボして、

ガラス瓶に栄養ドリンク入れてエリク○サーとかいって、

売り出していた飲料メーカーがあったっけ?


「ありがとう兄貴。お、これ美味いな」


「おいおい、みんなの分まで飲むなよ?」


「分かってるって、じゃあ、これ木陰にでも置いて、1つクオルに渡してくるぜ」


ヘンリーが肩にドリンクが詰まった自作クーラーボックスを掛けて、

走っていったのと入れ替わるように背後に近寄る3つの気配に気づいた。


「旦那様、待った?」


「シオン様お待たせしました」


「マスター遅くなりまして申し訳ありません」


「おお、ブラボーー!!」


異様に興奮してテンションが高いケレシオス(へんたい)は一先ず、

置いておこう。


 アン、サラ、ソフィがカリュクス市長、テイラーの奥さん、

ヨーコさんがデザインした水着に着替えてきたはずなのだが……


「なんでアンとサラはスク水なんだ?」


2人とも知る人ぞ、知る旧スクといわれるタイプの水着に身を包み、

アンは白、サラはスタンダードな紺で、ご丁寧に2人の胸元には

白い手縫いの名札で[あ ん]、[さ ら]と見事な丸文字のひらがなで

書かれていた。


 ちなみに何故2人の水着に詳しいかというとすぐ横にいるハイテンションな

へんたい(ケレシス)に向こうの世界で絡み酒されたときに、

夜遅くから徹夜で長々とうんちくを聞かされたためである。

 あ、当時の記憶を思い出して心がゲンナリとしてきた。


 ソフィは2人と違い、きちんとヨーコさんに渡された水着(もの)

着てくれているようだ。


「うんうん、やはりワタシの目に狂いはなかったようだ。

ダークエルフのハーフとはいえ、褐色肌のアンちゃんと(胸的な意味で)

希少価値な妹狼ちゃんにはその白と紺の至高の水着が良く似合う!」


ケレシスは目の前の光景にご満悦だ。


「お前の劇団の団員にも頼んで着てもらえばいいじゃないか?」


「あ、それもうやったから……ってナンでしおんは黄金刀(アリス)たんを

ワタシの首に突きつけているのカナ、カナ?」


「……今撮ったアンたちのSS(スクショ)を消せ」


「ふゅ~、ふゅ~、なんのことかな?」


滝のように冷や汗掻きながら、視線を逸らして口笛吹こうとして吹けていない

ケレシスは必死にごまかそうとしているが、俺の目はごまかせない。


「そうか、シラを切るつもりか、よし、アリス、少しずつ吸って

「わ~~待った、待った、待ってください見逃してくだせえ、お代官様!!」」


そう言ってジャンピング土下座を披露するケレシス。

跳んだ拍子に揺れたケレシスの胸を見て、サラが呻いたのは

聞こえなかったことにしよう。


「これを消すなんてとんでもない!!」


そう言ってケレシスはアンたち3人を撮ったSS(スクショ)

空中に投影した。


「「「わあっ」」」


いずれも光の射す角度などが向こうの世界のアイドルの写真集のように完璧で、

被写体となった3人が感嘆するほどの見事なSSだった。

そこに性的ないやらしさが欠片もなかったこともあって、

不覚にも凄いと思ってしまった。

 

 つまり、完全に形勢は逆転したのだ。

綺麗に撮れた写真でアンたちを味方に付けたケレシスはこの場にいる者達以外に


複製や譲渡をしないことを条件に放免され、その撮影技術を認められてカメラマンと

なった。


「クックック……計画通り!」


「なにか言ったか?」


「いやいや何でも。それより、しおん、3人に言うことあるんじゃない?」


「ああ、ここにいたんですか、団長!」


「あ、やばっ、じゃあ、またあとでな~~~~」


ケレシスは赤いビキニ姿の部下の団員、マチルダに追いかけられて、

海辺の方へ逃げていった。


 彼女等を見送って、俺は改めて3人の水着姿を眺めた。

その印象は最初に見たとき抱いた感想と同じで、


「うん、3人ともよく似合っているぞ」


「うん」「……良かった」「~~♪」


少し落ち着きのなかった3人の空気が俺の言葉で安堵に変わった。


 アンはハーフとはいえ、ダークエルフの血を引くからか、

肌の色は白い水着を映えさせる健康的な褐色で、小柄な体に不釣合いな

女性的な体型をしている。


 対して、サラはまだ幼さを残す体型ではあるが、引き締まった銀狼族の体を

しており、今後の成長が楽しみなところがある。


 最後にソフィは長く綺麗に伸ばした銀髪が際立つ、

黒いワンピースの水着で身を包み、他の2人が可愛らしいという表現の範疇に


入るのに対して、出るところは出ているバランスの取れた艶やかな気配を

漂わせている。


「そういえば、リリィとローラはどうした?」


「2人は少し食材を買ってから来るそうです。あたし達はヘンリーたちの

ところへ行きますね」


「うん。2VS2で旦那様が教えてくれたビーチバレーをする。

サラとアンのコンビに敵なし」


「そうか、……ボールはヘンリーに渡してある。飲み物も用意してあるから、

水分補給はきちんとしろよ」


「はい。それでは姉さんをよろしくお願いしますね。シオン様。行こう、アン」


「ん、今日はソフィの番」


そう言って、サラはソフィにどういうつもりかサムズアップする

アンの手を引いてヘンリー達のいる方へ、歩いていった。


 リリィ達を救出した日の翌日の夜はリリィ、ソフィ、アン、そして、

昨夜はリリィという順  番(ローテーション)が救出した日の夜の3人に俺から借りた双 魚 の 鏡(ピスケス スペクルム)でイリアを交えての話し合いで決まったとか。


 また、この場にいないイリアには後日特別に日を当てて調整するとかなんとか。


ううむ、さて、どうするか……


いきなりソフィと2人きりにされた俺は内心考えこむ。

 すると、ソフィに両手で手を包み込むように握られた。


「あの、マスター、よろしければ、あちらに行きませんか?」


ソフィは顔を真っ赤にしながら目的地を指さして、そう告げる。


「ああ」


俺はソフィの意図を察して頷く。

 ソフィの指した方角は岩場で、念のためスキル【探知(サーチ)】を使ったが

人の気配も魔物の反応もなかった。

 そして、ソフィもリリィやイリア、アンと同じく、他の3人と合意の上、

俺と関係をもっている。

 つまり、そういう意図(こと)である。


 顔を赤らめながら、笑顔を浮かべて上機嫌に俺の手を抱えるように

引いていくソフィに連れられて、俺は歩いて目的の場所へいく。


 時折、腕に絡んでくるソフィの十分に成長している部分の柔らかい感触が

伝わってくる。

 そして、俺達は人気のない目的地に到着して……。

御一読ありがとうございました。

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