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6#プロローグ(中二病の5人)

ランディは 暫くお休みです

因みに 序章飛ばして 一章から読んでも


不都合無いです



 キーン コーン カーン コーン

 キーン コーン カーン コーン


 今日も退屈な学校生活の、終わりを告げる合図が鳴る。



 僕は『園崎(そのざき) (まこと)』高校3年だ 。

 高校3年と言えば、色々と大事な年ではあるが、そんな実感もわかず、高校生活3年目になるのに、未だクラスに馴染めないでいる。



  当然 仲の良い友達なんか居ない…… と思ったが 、 よく話しかけてくれる挨拶友達なら1人いる。

 僕にとって只の挨拶友達なんだけど貴重に感じる。



 特に虐められている訳ではないが、あまり関わりを持たないようにされている空気は感じる。


 しかし、僕もクラスメイト達と無理して仲良くしたいとは思わない。



 放課後になって 足早に帰宅の準備を開始する。

 昇降口までたどり着き 靴を履き替える。

 

 グラウンドに出ると、1人の少女が目に入る。

 昨年度 同じクラスだった『成瀬(なるせ) 里美(さとみ)』だ。


 何故か彼女は僕に話しかけてくれる不思議な女の子。


  僕の方も彼女に対し嫌悪感を感じない。

 きっと、クラス全員 友達みたいな子で、嫌いな人の居ないタイプなのだろうか。


 彼女も急いでいたようだが、僕を見るなり トコトコと 歩み寄ってきた。

「園崎君 もう帰り? 早いね」


 僕も答える 「そっちこそ……」


「うん、今日は用事が有るからね、それに 私は『里美』だよ、何度も言ってるじゃない。今度は名前で呼ぶんだよ。さよなら~~」


 元気だなぁと思いながらも挨拶を返す。

「うん、サヨナラ」

 軽い足取りで帰宅していく彼女を、見えなくなるまで見つめていた。



 あっそうだ、僕も用事があるんだった。

 僕も足早に自宅に向かった。



 自宅に帰宅して、急いで冷蔵庫にある野菜ジュースで喉を潤す。


 自室に入ると着替えもしないで、パソコンに電源を入れる。


 待ち時間を使って着替えを済ませ、椅子に座る。

 丁度、OSが立ち上がった所だった。


 タイミングの良さに「よし!」と声を出し、インターネットに入り、とあるサイトの『ちゃちゃっとチャットルーム』に入室した。



 そう、僕は大切なチャット仲間がいる。

 今日はなんか大事な話が有るらしく、普段より一時間待ち合わせが早い。

(いったい何の用事だろう?)



 此処での自分は『アーデル』勇者だ 。

 そう、僕の前世は『勇者 アーデル』だ!



 チャットルームに入室したら 二人の先客が居た。


 ユリウス「こんにちは」


 マーニャ「こんにちは」


 アーデル「お待たせ。ブライとシャルはまだみたいだね」


 マーニャ「シャルはもうすぐだよ」


 ユリウス「後は、言い出しっぺのブライだね~」


 僕を含め、みんなのHN(ハンドルネーム)は、前世の名前を書いたものだった。


 痛い集団と言えばそれまでだが……

 それでも、僕達5人は 意気投合して、前世の自分たちの事などを 楽しく沢山 語り合っていた。



 ピローン♪ シャルロットが入室しました


 ピローン♪ ブライアンが入室しました


 ユリウス、マーニャ、アーデル「こんにちは」


 ブライアン「こんにちは オマタセ~~」


 シャルロット「お待たせしました はぁはぁ 」


 マーニャ「シャル 走って帰宅したの丸わかりだね」


 ユリウス「ブライ 今日のお題目は何かな?」


 ブライアン「おっ? 早速本題に入る? それじゃ」

 ブライアン「じゃじゃーん! 我がパーティー名『悠久の月』第1回オフ会を開催したいと思います」


 アーデル「えっ?オフ会!?」


 シャルロット「えっ?オフ会!?」


 マーニャ「アーデル、シャル 被ってるよ」


 ブライアン「そう、オフ会。前回の最後にマーニャとユリウスでチャットしていたら、そう言う流れになってね、良いと思わないか?」


 シャルロット「マーニャ 私、聞いてないよ?」


 マーニャ「そうだっけ? テヘペロ」


 ブライアン「異論無ければ、今週の土曜日○●町のメイドカフェ『クレア』4時集合で」


 アーデル「展開早いね」


 ユリウス「アーデルは乗り気じゃない?」


 アーデル「そう言う訳では……あまりにも急な話だから……」


 シャルロット「私、その日は 空いてるから大丈夫です」


 マーニャ「知ってるよ、だからその日にして貰ったんだもん」


 ブライアン「アーデル以外は全員参加だね」



 僕は迷ってる場合ではなかった。

 アーデル「行くよ 行く……反対してないから」



 ブライアン「はい、全員参加決定!パチパチ」



 ユリウス「パチパチ」



 僕は疑問点が有ったので聞いてみた。

 アーデル「所で何故、オフ会に行く流れに?」


 ブライアン「オレ達、全員強力な前世を持った親友じゃん。なのに全員面識無いって、おかしくね? って話から始まったんだよ。あ~楽しみだなぁ」


 マーニャ「ね~」


 ユリウス「この中で、面識有るのはシャルとマーニャだけ?」


 ブライアン「多分そうだろうな。オレ達、誰とも会って無いしな」


 アーデル「うん」



 こうして 僕達は 暫く楽しく語り合ったのでした。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 時間は 瞬く間に過ぎ、土曜日の午後4時に近づいていた。


 僕は15分前に メイドカフェ『 クレア』前に到着した。


 周りには誰も居ない……僕が最初に着いたのかな、 あぁ 待っていると 段々不安になってきた。



 突如 後ろから声がした 。

「アーデル? アーデルだろ?」

「オレ、ブライアン。な? アーデルだろ、確かに勇者って感じがするなぁ」


 あわてて振り向くと二人の青年がにこやかな顔で此方に話しかけている。

「ブライアン? よく僕が判ったね……ってリアルでもハンネ(ハンドルネーム)?」



 そこでブライの隣に居た青年が

「オイラ達に これ以外の名前は必要無いだろう?」

 と話しかけてきた、彼はひょろっとした 少し 長身の青年だ。



「もしかして……ユリウス?」


「そう!正解! ブライもそうだったけ、 初めて会った気がしないよ。さっきまでメッチャ不安だったのに バカみたい」


 そう、僕も不安だったのに、今は何ともない。

 ユリウスの言うとおり 心配して損した。


 ブライは ラグビーの選手みたいに 体つきがしっかりしていて、顔が優しそうでなければ 恐かったと思う。


 ユリウスは 身長180cm位だろうか、体は細長い感じで顔つきは 惚けたような顔立ちをしている。


 僕たちはすぐに打ち解けた……とその時!

「園崎君?! 園崎君?」


 えっ? 誰? あわてて振り向くと、少し大袈裟だが、学校で唯一の(挨拶)友達 成瀬里美が、驚いた表情で此方(こちら)を見ていた。


 僕は焦った。

 何故彼女がこんな(メイドカフェ)に 来てるんだ? おかしい……


 でも、彼女だけは、いつも挨拶と簡単な世間話をしているので無視はいけない。

「成瀬さん こんにちは……何故ここに?」

 と聞くやいなや、成瀬さんの隣にいる可愛らしい女の子から大きな声が。


「あれあれ? ブライにユリウスだよね? うん、うん、特長で丸わかりだよ~ ってことは、 一緒にいるのアーデル? ウッソ?! お姉ちゃんと知り合いなの? 私、聞いてないよ? もしかして…… お姉ちゃん隠れて会ってんの? ズルイ! ズルイ!!」


 となかり ヒートアップ。

 逆に 成瀬里美(シャルロット)狼狽(ウロタ)えだした。


「えっ? ちっちがっ、違うの。会ったのは、は、初めて…… 初めてじゃ無いけど、初めてなの!」


 そのまま 狼狽えている 里美の会話は続く


「えっえっ アーデルがまこ……園崎君?! えっどう言う事?」


 ユリウスは飽きれ顔で、

「何かベタな展開になってない?」


 ブライも続いて、

「オレ達 、シャルに存在を認識されてないみたいだけど……」


  シャルロットは必死に言い訳を開始する。

「ちっ違うの……私達 面識はあるけど、隠れて会ってるってわけじゃないの」


 マーニャはこちらに歩み寄り、

「初めまして、私はマーニャです。テンパったお姉ちゃんは放って置いて、早く中に入ろっ」


 シャルロット

「『テンパった』って、ただ 真君……園崎君がアーデルで、ちょっと驚いただけだよう。テンパって無いよぅ」



 結局 メイドカフェに入ったのは、4時を軽くまわってしまいました。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ◇メイドカフェ『クレア』の中◇

 



 ブライが語り出す。

「では 始めに 自己紹介をします。まぁ 要らないかも知れないが、形から入ろうぜ」


 順番に自己紹介することになった まあ形は大事だ。


「まずは オレ ブライアン職業戦士、みんなはオレの事 ブライって呼んでるな」


「次はオイラ、ユリウス 職業アーチャー 、そのまんまユリウスです」


「私はマーニャ、ウィザードだよ」


「私はシャルロット、職業は僧侶です。みんなは シャルって 呼んでるね」


「僕は アーデル 勇者をしてました」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 それはまるで、昔からの友達のようにお互いの事(主に前世関連)を語らいあった。


 端からみれば、かなり痛い集団あることは、間違いないだろう。


 でも僕にとって、最近感じなかった充実した良い時を過ごした。


 特にマーニャは、今の生活にかなり嫌気が差しているようだ 本人曰く『退屈より辛い物は無い』との事。


 シャルの話では学校の成績は相当良いらしい。



 そして 楽しく充実した時間は、瞬く間に過ぎていった。


 メイドカフェ『クレア』から出る準備中。


「行ってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様」

 の掛け声に ちょっとニンマリ。


 マーニャが背伸びをしながら、

「あ~あ このドアの先が 前世の世界だったら、いいのになぁ」


 と とんでもない発言。


 しかしユリウスは相づちを打った。

「そんなことがあったら イイねぇ」


 ブライも うんうん 頷く。



 ブライが出口の扉を開けた時、僕達は金色の光に 包まれた。




 光が消えると、辺りはまるで見たことが無い景色が拡がっていた。


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